「ヨノナカ」さんのページ

総レビュー数: 48レビュー(全て表示) 最終投稿: 2006年01月06日

21世紀の名作!!!きょうの猫村さん!!!


と気合入れたレビュー書いてもいいんでしょうけど「猫村」ちっくじゃなくなるんで気抜いて書きましょうかね〜でもその前にちっと言わせてちょーだいね。


猫村さんは「脱力系」漫画として大人気だけれども、その作品としての完成度の高さは計り知れない。切り口は色々あるけれども、一つの例として「家政婦×猫」を編み出した非凡さについて触れる。

従来の猫を題材とした作品の良し悪しは「猫をどれだけ可愛く描くか」と「猫の仕草をどれだけうまく描くか」の2つに絞られると思う。チーズスイートホームなんかは猫をデフォルメ化し、捨て猫に対するふれあいをうまく描くことができた。漫画ではないけれども、猫の恩返しでは猫の自由気ままに生きる姿を描き好評を博した。このことからこの2つの条件がいずれの「猫作品」にも見られることがわかると思う。

しかし、「猫村さん」ではあえて猫の「自由気まま」という性質を無視した。猫村さんは実直(堅いねこの言葉)までの家政婦であり、自分を拾ってくれた「ぼっちゃん」やお勤め先の家族に対して絶対に否定的な考えを持たない。現実の猫を家政婦にしたら「もう嫌ニャ〜」とか言ってスタコラサッサと逃げやがるに違いない。

「猫村さん」であえて「家政婦」と「猫」という相反する2つのものを1つのキャラクターに押し込めたのには理由がある。生身の人間を家政婦にしたところで「可愛く」ないからだ。脱力系漫画として、家政婦が人間になってしまっては「がんばれ家政婦奮闘気」になってしまってほほえましい気持ちを読者に思い起こさせることができない。この作品のベクトルの全てが読者に思わず頬が弛んでしまうような気持ちを起こさせるように作られているのである。
登場人物も決して今風ではない。服装も生活環境も古い感じを受ける。考え方もそうだ。それも古き良き時代の思いを喚起させ、読者に安堵感を与えるためのものである。

つまり、「猫村さん」は猫とその絵柄だけで受けているのではなく、作者の巧妙な設定・描き方にあるのがお分かりいただけたのではないかと思う。これを頭で考えて設定したのであれば恐ろしいまでの秀才、そうでなくとも作者の魂をぶつけてかいたのだとしても若干30歳(多分)でこれをかける才能は天才と呼んでも差し支えないだろう。


したがって、この作品を手にして私が言えることはただ一つ。












♪みなさん読んでニャ〜♪



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[投稿:2006-02-15 16:09:09] [修正:2006-02-15 16:09:09] [このレビューのURL]

クレヨンしんちゃんは傑作なのでは?

アニメでこそ「こどもに見せたくないアニメ」のトップに輝いてる悪名高い作品ですが・・・
私にはどうもそう思えない。

この作品の評価が悪いのはその「お下劣」なギャグと内容でしょうね。確かに内容は大人向けだし子どもに見せたくないと感じる親御さんの気持ちには納得いきます。私だって子どもに「見てほしい」なんて思わないですし。

ただ、作品からは不思議とあたたかさが感じてくるのです。
それはこの作品に流れる「家族の持つあたたかさ」ではないでしょうか。

サザエさんでは家族そろって食事をする風景がよく見られます。

波平は怖いけど頼もしい父親像。
フネは優しい母親像。
それに悪ガキのカツオなど。
いってみれば古き良き時代と言われたころの家族像がそこにはあります。
サザエさんの根底に流れるものはそういった古い時代の家族のあたたかさです。

ではクレヨンしんちゃんはどうか。
しんのすけはともかくとして、
飲んだくれでエッチなものに目がないひろし。
口うるさく格好いい男の前ではデレデレのみさえ。

およそサザエさんで描かれている父親像・母親像とはかけ離れています。「親としてしっかりせねば」という厳格な姿勢はほとんどない。
ひろしもみさえもとっても等身大で人間的です。
ただ、人間的だけどしっかりしんのすけと向き合って生活してるんですよね。

クレヨンしんちゃんの作品としてのよさはそこにあると思います。最近って虐待とかの話が多くて子どもを持つよさなんてあんまり語られないじゃないですか。
でもクレヨンしんちゃんって「格好悪くて頼りにならなそうな親でもいいんだよ」って語ってくれてるんですよね。

人間的でいいじゃない。
バカみたいでもいいじゃない。
家族の幸せってこういうものだよ。

って語ってくれている作品はなかなかないです。
サザエさんが「昔の」理想の家族像だとすれば
クレヨンしんちゃんは「今の」理想の家族像。

ギャグだけじゃなくて、そういう思想も感じ取れる。
したがって、この作品に8点。

ナイスレビュー: 11

[投稿:2006-02-04 16:44:49] [修正:2006-02-04 16:44:49] [このレビューのURL]

山下和美さんは秀才。天才ではなくて秀才。
演出も文句なしの漫画家さんだとおもいます。

さて、「不思議な少年」ですが、それぞれの話で登場する人間たちを通して、作者の思想・信条を表現していく漫画です。
したがって、作者の考えに同調できない人にとっては不快な漫画になる恐れ大。ただ、意味不明な主張をするわけではなくキチンと筋が通っているので安心して読めるかと思います。

個人的には2巻のソクラテスの話が◎
平和を語るということ自体、戦争の始まりなのでは?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-01-29 16:15:57] [修正:2006-01-29 16:15:57] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

オトコの中の漢、正宗飛鳥。

容姿端麗、質実剛健な剣道部主将。
男からも女からも憧れの存在であるそんな彼は、


実は外見とはかけ離れた
「少女趣味」な「オトコのコ」!
通称、「オトメン(乙男)」だったのだ!!!


↑もうこのフリだけで、なにそれ!?面白そう!!と興味をそそられます(笑)

まさに王道ラブコメ。
ラブコメ≒「かわいいオンナノコにかこまれてウハウハ★萌え〜」が通説になってしまった今、この作品はラブコメじゃなくて「恋愛コメディ」という呼び名を与えるべきでしょう。

ちょっと対象年齢が低い気もしますが、そこはそれ。

男女ともに読めるいい作品です。オススメですよ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-11-02 00:46:58] [修正:2007-11-02 00:46:58] [このレビューのURL]

7点 ONE PIECE

ワンピースの登場人物は誰も本当に心の底から苦しんでいないし悩んでもいない。それがワンピースの最大の魅力でもあるし、同時に最大の欠点でもある。

ワンピースは感動できる、泣ける、とよく聞く。しかしそれは50パーセント正解で、50パーセント不正解だ。


夏の甲子園で、優勝したチームの選手達を見て泣けるあなたはおそらくワンピースを見て泣くだろう。その勝利を影で支えてくれた監督や家族や兄妹や友人たち、そして何より選手達の長い長い努力の日々を想像して泣くだろう。思いが報われたことに安堵して感嘆して泣くのだ。

しかし私やおそらくそれに類する人たちは、その優勝したチームの選手達を見ては泣けない。私たちが泣くのはその優勝したチームではなく、それに負けて地面に手をつき敗北の味をかみ締めている選手達を見てだ。勝者の喚起の声では泣けないのだ。敗者も勝者と同様に、監督や家族や兄妹や友人、そして長い長い努力の日々を背負って闘っている。しかし、勝者の前にひれ伏す。現実を知る。努力だけでは誰にも負けない、気持ちだって誰にも負けてはいない。でも負けた。なぜ負けた、なぜ負けねばならないんだ、なぜ、なぜ、なぜ!!!


どんなに努力しても、どんなに強い気持ちを持っていても、絶対に夢が叶うわけではない。こういうことを「不条理」という。

おそらく現実にはこの「不条理」を味わっていない人はいないだろう。好きな女の子にふられた、理由は「顔が気持ち悪いから」、不条理だ。成績が悪い、どんなに勉強しても東大に入れない、不条理だ。世の中は不条理だらけだ。


さて、ワンピースに話を戻そう。改めて、ワンピースの世界に不条理を探してみようじゃないか。

ルフィが今まで負けたのは確かクロコダイルに1回とルッチに1回、細かい話ならシャンクスが腕を失ったときも山賊にボロクソに負けてたからこれもカウントしよう。合計3回だ。しかしルフィはその全てに対してリベンジを果たしている。もちろん仲間の力も借りているが、ルフィは負け知らずなのだ。もちろんこれは仲間にも言えることで、ウソップも、ナミも、サンジも、ゾロも(ゾロは負けたか?)、チョッパーも、本当の意味で不条理に打ち負かされたことはない。仲間の思いは全て報われているのだ。(ゴーイングメリー号だけは残念なことになったけど)

ワンピースは全て勝者の話なのだ。全ての努力、全ての気持ち、全ての汗と涙が報われるようになっている。それは少年漫画としてはもちろんそれでいい。少年には「夢は叶う」と言っておけばそれでいいからだ。
しかし、大人は知っている。夢は叶わないと。どんなに努力してどんなに強く想っていようと、夢は不条理の前に脆くも崩れ去るのだ。
しかし、だからこそ、叶わない思いを抱き続けることは感動に値するし、美談というものが生まれる。敗者の裏に勝者があるように、不条理の裏には真の感動がある。ワンピースには不条理がない、ために真の感動がないのだ。ワンピースを読んで「なんか物足りない」と感じるのはそのせいだ。




ワンピースは3つの側面がある漫画だと思う。
1つは、まだ夢が破れていない、天真爛漫な子どもが読む側面。
1つは、夢破れたが、自分の夢が叶うことを大人がワンピースに託して読む側面。
そしてもう1つは、夢破れ、そして夢とは叶わないものだと信じている大人が読む側面。


前者2つについてはワンピースは満点だ。しかし最後の1つについては点は挙げられない。最高の少年漫画から最高の漫画になるために3点を預けておいて、7点をこの作品に送ろうと思う。


ナイスレビュー: 12

[投稿:2007-02-18 00:33:32] [修正:2007-02-18 00:33:32] [このレビューのURL]

バガボンドの内容と直接関係はありませんが、この作品の点数がちょっと低すぎる感じがします。
もしこれが名も知られていない雑誌に載っていたらみんなこぞって10点をつけていたでしょう。

私もそうですが、いい作品が有名であればあるほど評価を低く、逆に無名であればあるほど評価を高くしたくなるのが人情というもの。学校の通信簿を絶対評価に!!ではないですが、できるだけその作品の純粋な評価を付けるよう努めたいものです。

で、バガボンドですが、決してつまらない漫画ではありません。
誰しもがしっている宮本武蔵の話のなのだけれども、ストーリーは興味惹かれるし、キャラクターは十二分に魅力的だし、演出は小学生から大人まで楽しめる素晴らしいものです。エンターテイメントとしては1級の漫画ではないでしょうか。

残念なことを一つ挙げると、作品のテーゼが「強さ」であるためにただ単に「強さ」を求めるだけの話に終始してしまい少々話に膨らみが欠ける点でしょうか。もう一つキラリと輝くものがあれば超一級の作品になるでしょう。


と、客観的な面から書いてみましたけど、良い点と悪い点をただ挙げたレビューというのは面白みに欠けますね(苦笑)

レビュー書くのって難しいなぁ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-02-13 20:21:23] [修正:2007-02-13 20:21:23] [このレビューのURL]

7点 おせん

おせんだけじゃなくてきくち正太の作品全ては絵とマンガの雰囲気だけで読む価値があると思う。あの線の流れというかキャラのたたずまいというか、それを見るだけで「漫画」として存在感がある。絵でもない、挿絵でもない、まさに漫画!!
ストーリーはオーソドックスな一話完結型、キャラも「気質物」(人物の性格を偏りがあるほど際立たせて描く作品)として成り立っており、肩肘張らずに読めるのがいいところ。
お正月は終わってしまったけれども、よき日本の風景にちょっと溶け込みたいときにでも紐解きたい一冊。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-01-06 00:19:11] [修正:2007-01-06 00:19:11] [このレビューのURL]

型破りな格闘マンガ!ブ厚い線とドでかい文字と色気のかけらもねェ女共が枠線ブチ破るんじゃねぇか!?ってくらい暴れまくる!
なによりこのマンガは勢いが凄すぎる。ありすぎるぐらいだ。バキはところどころ知識だの何だの小賢しいものが出てくるが、このマンガにはそんなものは一切ない!目がイカれて敵が何人にも見えるんだったら全員蹴っちまえ!!みたいなシンプルなわかりやすさだ。天上天下みたいな見せ場だけの勢いだけじゃない!全巻通してそんな感じだ!!マンガに引き込まれればトランス状態間違いなしだ!いまなら俺も空中連携決められそうだ。今パソコン打ってるダロ、無防備な俺の背中から突然敵が正拳突き打ってくる!しかし空を切る拳!!敵の攻撃を空中に飛んで交わした俺はそのまま敵の首を蹴りで刈ってやるんだ!!!これで敵は一発で沈む!!いやたまんねぇ!!!
バトルだけじゃなくて随所のギャグやサイドストーリーも見ものだ!今なら古本屋にも置いてあるから、是が非でも全巻通して一気に読むことをオススメする!!絵は荒くて読んでるこっちも気が抜けないような展開だから、このマンガを読むときはこっちも戦う準備して一気に一気に読むように!!!

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-01-06 00:04:21] [修正:2007-01-06 00:04:21] [このレビューのURL]

浅野いにおは独特の死生観の持ち主というか、生死の境目がないマンガを描く人、っていう印象がある。

まぁ、死生観がないマンガなんてガンガンあたりのファンタジーものをひっくり返せばいっぱい出てくるんだけど、浅野氏はそれとは違って、独特の死生観とそれの克服あたりを結びつけた点が面白い。「生きてるのも死んでるのも同じだけど、でも・・・・でもさぁ!!!」みたいな人物(主に若者)を描くのがうまい。と思う。

で、浅野の作風はそれ自体、現実にありえない死生観やそれを持つ人物をうまく魅せているという点でファンタジーといえるのだと思うけど、この作品はその独特の死生観をよりファンタジーとして高めている。

虹ヶ原ホログラフの名の通り、読み方によっては7色に変わる読ませ方といい、先の見えない展開といい、ダークファンタジーってこういうものか!という一言に尽きる。

特に、最近ではわかりやすいというか竹を割ったような作品、人物が多い中で、この作品は貴重。浅野氏の作品が好きな人、あるいはモラトリアム青春ものが好きな人、そしてもちろんダークファンタジーが好きな人もぜひ読んでおいて損はないと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-13 00:55:58] [修正:2006-11-13 00:55:58] [このレビューのURL]

東京は下町(おそらく)に住んでいる2人暮らしの姉弟。

両親なしの2人暮らしなのに出所不明の大金と生まれつき(?)の謎の才能と、やたら親切な町の人たちのおかげでのんびり生活しているご姉弟。

ギャグマンガというわけでもなく何と言うわけでもなく、淡々としたコマ割で淡々として毎日を描いている。

しかし登場する人物(高齢者が多い)がとても生き生きとしててなんかいい感じです。

読むとなんかいい感じになるのでなんかいい感じになりたい人はいい感じに読むといい感じです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-06 14:54:03] [修正:2006-11-06 14:54:03] [このレビューのURL]