「まれら」さんのページ

総レビュー数: 112レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年02月12日

少女漫画とフィギュアスケートという、何となく絢爛な要素を組み合わせたまでは通常の感覚だが、そこに「ある要素」を投入することで俄然コミカルな話になった。技術論も入ってはいるが、あまりスポーツ漫画という印象はなく、スポーツを切り口にしたメルヘンという味わい。

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[投稿:2007-12-31 02:50:08] [修正:2007-12-31 02:50:08] [このレビューのURL]

ベイスターズ選手をモチーフとはしているものの、かなり高度にデフォルメされている。しかも繰り出されるギャグのほとんどがデフォルメ部分から発しているため、現実のエピソードのパロディにはなっておらず、ベイスターズファン以外でも問題なく楽しめる内容になっている。ちなみに野球をしているシーンすら少ないため、野球の知識がなくても構わない。
ベイスターズ選手を描いた野球漫画なのに、ベイスターズの知識も野球の知識も不要で、それでいて面白いという不思議な作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-24 00:56:18] [修正:2007-12-24 00:56:18] [このレビューのURL]

今思えば当時の少年雑誌の印刷はかなり酷く、色が滲むような青インクは本当に読みにくかったわけだが、その滲んだ世界の中で読んでもおそろしくカラフルな漫画という印象を受けた。それまでの野太い線と熱い展開で構成される少年漫画の中にあって、極度に洗練された絵柄や都会的なギャグは衝撃的とも言えるほどだった。
再読してみると結構薄味でたわいもない話が多いが、今でも通用するセンスが凄い。
コミックスに収録されていた絵日記風漫画(暗闇に石を投げる話や2階から落ちる話)が爆笑もので、本編より面白かった。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-12-24 00:55:00] [修正:2007-12-24 00:55:00] [このレビューのURL]

マニアックかつシュールなギャグ作品に、シリアスなSFが加味され、不思議な世界を形成している。
ギャグパートはSF・特撮・映画・時事などのネタが満載で、よほどの知識がないとパロディ元がわからない。わからなくても十分面白いが、恐らく作者の意図はもっとマニアックな笑いにあるのだろうという気がする。シリアスパートは打って変わって極上のハードSFになっており、ちょっとトラウマになりそうな重苦しさを持つ。
作品の中心はあくまでギャグなのだが、2つの話題が離れず融合せず適度の距離感を保って進行することで、話に深みが出ているように思う。
中断や再構成などで一貫性に欠ける傾向にあるが、ハイセンスな佳作。

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[投稿:2007-12-24 00:53:44] [修正:2007-12-24 00:53:44] [このレビューのURL]

ギャグマンガの体裁ゆえ強烈にデフォルメされてはいるものの、群雄各々の人物像がしっかり捉えられている。大名と朝廷の関係や臣下同士の確執など、かなり高度な歴史シミュレーションをギャグで描ききる手法は見事。笑いながら読み終わると、何故か大作歴史映画を見たような不思議な読後感が得られる。
著名な大名もさることながら、松永弾正や細川藤孝といったかなり通向きの武将の登場も嬉しいところ。果ては疋田文五郎や教如など、ギャグ漫画に登場するのは初めてなのではないだろうか。
資料的価値はともかく、歴史嫌いにも日本史入門編として薦められるレベルかと思う。

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[投稿:2007-12-20 23:35:48] [修正:2007-12-20 23:35:48] [このレビューのURL]

感動的な話や教訓的な話を期待して読むと肩すかしを食うが、軽い近未来SFとして気楽に読めば十分面白い。珍妙な宿泊客や月面観光など、ギャグに見えながらも意外と考証が行き届いており、作者の懐の深さや余裕が窺われる。
小松左京氏のジュブナイル「空中都市008」と、どことなくイメージがダブる。

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[投稿:2007-12-20 23:34:06] [修正:2007-12-20 23:34:06] [このレビューのURL]

竹本泉の原点ともいうべき作品だが、ほとんど作風は完成されている。絵柄はきわめて柔らかなタッチのかわいらしい絵で、最近の萌え系とは異なり万人受けしそうな感じである。その一方、ストーリーはしっかりと練り込まれたSFであり、そのアンバランスさが味わい深い。
基本は学園ラブコメのような設定ではあるが、あまり深い人物描写はなく、どこかずれた変なシチュエーションを穏やかに楽しむ構成。氏の作品全般について言える事ながら全くといって良いほど毒がないので、刺激を求める向きにはお薦めできない。
「チャチャ=モチャノチャ=ヌートの1」「きぴきゃぴ」など、ぶっ飛んだ言語感覚が作品世界を彩っている。

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[投稿:2007-12-20 01:13:09] [修正:2007-12-20 01:13:09] [このレビューのURL]

キーキー叫びまくる謎の生物(?)を描いた4コマ漫画だが、ストーリーもなく主義主張もなく、極めてワンパターンな「あるあるネタ」が繰り返される。落書き寸前の強烈なタッチと「キー」「キシー」という心の叫びは何か癖になりそうで、決して嫌いではない。
好き嫌いが極端に分かれそうで、あまり他人には薦められないが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-20 01:12:17] [修正:2007-12-20 01:12:17] [このレビューのURL]

6点 TOUGH

本作の存在意義は、現実の格闘技の世界のイメージとリアルタイムでリンクしながら、灘神影流という架空の流派をシミュレートしている(ように感じさせる)点であろう。前作の「高校鉄拳伝」ではまだしもスポ根めいた展開があったが、本作のドラマ部分は試合の煽りに過ぎず、どこかで見たようなファイターとキー坊との仮想試合が延々と繰り広げられる。
リアリズムの追求はそのまま地味さに繋がってしまうし、かといって派手な技の多用は非現実的になり過ぎるため、随分とさじ加減が難しそうではある。(とは言っても、鬼龍とのタッグ以降は随分と非現実化しているが。)
作者の格闘技への傾倒ぶりが窺える力作だが、格闘技ファン以外が読んで面白いと感じるとは思えない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-19 01:25:32] [修正:2007-12-19 01:25:32] [このレビューのURL]

大橋ツヨシのギャグは、同一作品の中でも1本ごとに作風の差が大きい。「かいしゃいん」等でのナンセンス路線や「エレキング」等でのベタベタ路線、「びいだま君」あたりでのほのぼの路線など、一定の傾向はありながらも総体的には渾然一体となっており、ごった煮のような独自のワールドを形成している。
「けものへん」では、他では珍しい風刺ギャグや下ネタを軸として、やはりナンセンスありベタベタありの闇鍋のようなギャグの詰め合わせが読める。「かいしゃいん」ほど一般受けはしないだろうが、ファンなら一読しておきたい一冊。
ぐちょ大の肉山教授は秀逸。

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[投稿:2007-12-17 01:31:44] [修正:2007-12-17 01:31:44] [このレビューのURL]