「まれら」さんのページ

総レビュー数: 112レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年02月12日

無駄なテンションの高さと深いのか浅いのかわからないギャグで、何とも濃い世界を形成している。笑えるか笑えないかで言えば、確かに笑える。
しかしながら、中野予備校や南蛮帝国という設定が大仰かつシビアすぎて、直接の笑いに繋がっていないように感じる部分もある。電柱組(県立地球防衛軍)のような底抜けのバカさではなく、少し癖のあるブラックな設定であり、極めて日常的なレベルで展開する笑いとのバランスが悪いように思える。(コアなファンにとっては、そこが魅力なのだとは思うが。)
このあたりの違和感は近作に至るほど顕著に感じるようになっており、防衛軍<中野予備校<アンチョビー<火星人といったところか。

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[投稿:2007-12-17 01:29:51] [修正:2007-12-17 01:29:51] [このレビューのURL]

子供の頃読んで、窒息するほど笑っていた。復刻版が出たのを機に再読してみて、20数年ぶりに窒息した。
意味のない展開と非常識なギャグの連発。比喩でも嘲笑でも風刺でもなく、誰も傷つけず何に役にも立たない、ひたすらに純粋な笑いがそこにある。
綺麗なデッサンとゆるい笑いで作られるギャグ漫画が大勢を占める昨今の世代にとっては、お世辞にも上手いとは言えない絵とプリミティブな笑いは古くさく感じるかも知れないが、試しに一読してみて欲しい。
「ちゅどーん」「みゅいん」「しびびび」などという妙な擬音と、「しり」「こしまき」など、なぜか対象物にそのまま書いてある下品な書き文字の可笑しさは、とにかく読まないと理解できないだろう。

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[投稿:2007-12-15 16:04:04] [修正:2007-12-15 16:04:04] [このレビューのURL]

作品自体が穏やかで暖かいものであり、読んでいても「凄さ」を感じることはないが、概して平凡な登場人物の平凡な日常を綴るだけで上質のエンターテインメントを創り上げるあたり、作者の技量の非凡さを感じる。平凡な日常をゆるく描くという手法、あるいは萌え4コマというジャンルにおいては、おそらく転換点となった重要な位置にあるのだろう。しかしあまりレッテルを貼るほどのアクははなく、万人受けしそうな内容である。
実際にありそうでいて絶対あり得ないような仮想郷愁ギャグは今後も出てくるだろうが、この作品だけはスタンダードとして記憶される作品になるかも知れない。
へーちょ。

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[投稿:2007-12-15 16:03:05] [修正:2007-12-15 16:03:05] [このレビューのURL]

若干低年齢向けに感じる部分もあるが、プロレスが熱かった当時を疑似体験できる。とんでもない悪役やデスマッチのオンパレードはキッチュな魅力大爆発で、プロレスがスポーツや格闘技の威を借ることなく、ただ「プロレス」として存在できた時代を感じる。
特筆すべきは実社会に与えた影響だが、40年も前の漫画のキャラクターが今でも普通に現実のリングに立っているのを見ると、本当に凄かったのだとしみじみ思う。プロレスファン・格闘技ファンならずとも一度は読んでおきたい作品である。
試合描写や技が古びてしまうのは致し方ないところだが、元気がない今のプロレス界が忘れたパワーを再確認できる。

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[投稿:2007-12-14 20:56:59] [修正:2007-12-14 20:56:59] [このレビューのURL]

小気味よいハチャハチャSFとしては秀逸な出来であり、ハイセンスな絵柄やギャグも空前のものだった。後半は迷走気味ではあったが、ラブコメ路線を守りきったため、さほど気張らずに楽しめる。
アニメ、それも特に劇場版の印象が強すぎるせいか若干軽く見られがちだが、別個に考えた方がよい。特に「ドリーマー」や「愛とさすらいの母」などは、キャラだけ拝借した全くの別作品だと理解している。
それにしても、こんなポップな世界で形而上の事象を描く押井守も偉いし、押井守に好きにさせても壊れない世界観やキャラクターを作り上げたのも凄いと思う。

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[投稿:2007-12-14 20:55:54] [修正:2007-12-14 20:55:54] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

料理漫画の元祖だと称されているようだが、今読んでも非常に面白い。この手の漫画の王道としては主役に蘊蓄を語らせるものが多いが、味平はきわめて無知な駆け出しのコックとして描かれ、観客やライバルに説明をさせているところが却って新鮮に映る。またその分、根性やカンにまかせた勝負が多くなり、スポ根さながらの熱さがある。
大きく分けて5回(一の瀬とのキャベツ切りも含めると6回)の対決が描かれるが、それぞれの敵がまた個性的かつ天才肌で、主役を食うほどキャラが立っている。個人的にはカレー勝負が一番面白く、また鼻田など秀逸なキャラだと思う。(事実上味平が勝てなかった唯一の料理人ではないか。)
カレー、ラーメン、チャーハンなど、きわめて庶民的な料理を取り上げ、美味さがストレートに伝わってくるのもポイントが高い。

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[投稿:2007-12-14 20:54:31] [修正:2007-12-14 20:54:31] [このレビューのURL]

おそろしくバッドテイストで、救いのない話が多い。それでいて読み始めたら止めることはできず、人間の醜さ・愚かさを嫌になるほど見せつけられる。確かに社会問題などを題材に採ってはいるが、プロパガンダというよりも諦観的な視点の方をより強く感じ、軽薄な半可通とは一線を画する。
時事ネタめいたものを切り口にしている話などは若干風化気味だが、今の中高生あたりにも是非味わって欲しい作品。

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[投稿:2007-12-12 21:06:44] [修正:2007-12-12 21:06:44] [このレビューのURL]

これはひどい。
絵は稚拙でギャグはお粗末。挙げ句の果てには読者からネタを募集する始末で、何がしたいのかさっぱり判らないまま終わってしまった。気の利いた素人の方がまだ面白い物を描くだろう。
作者はその後人気漫画家となっていったわけだが、まさに「人に歴史あり」を痛感する。古本で見つけたら是非入手したい珍品。

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[投稿:2007-12-12 00:49:07] [修正:2007-12-12 00:49:07] [このレビューのURL]

密室芸というジャンルがある。限られた空間・限られた対象を相手に演じられるアングラ芸だが、致命的欠陥として、不特定多数に公開したときには、大抵の場合その神通力を失う。場のテンションをコントロールして笑いに昇華させる手法なのだから、当然と言えば当然である。(希有な成功例がタモリや茂木淳一だと思う。)
漫画にも仮に「密室漫画」というものが存在するとすれば、ながいけんの作品はまさにこの密室漫画に相当するのだろう。相手を楽しませようとか、ストーリーを理解させようという努力は放棄し、ひたすらキャラクターと言語感覚だけが暴走していく。正直、これを商業誌に掲載するのは冒険だった筈である。それでいて密室漫画に徹し切れているかと言えばそうでもなく、非常に中途半端な作品になってしまっている。投稿時代の氏の作品(チャッピーもの、ラスカル軍団もの)と比較しても、明らかにパワーダウンしており、惜しい。
とはいえ、設定や台詞の端々に異才が感じられるのは事実で、往時のノリを知る者にとっては、結構楽しめるのではないだろうか。

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[投稿:2007-12-09 22:24:51] [修正:2007-12-09 22:24:51] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

実に壮大でロマンチックな話である。明治期の北海道という、野望と絶望と喧噪に満ちた舞台で、なぜもこんなに爽快で甘美な読後感の得られるストーリーが存在できるのか驚くほかない。
手塚作品においてブラックジャックや七色いんこなど、アウトローじみた人物を主役に据えることはままあるが、シュマリという男は本物のアウトローとして登場する。殺人犯であり、脱獄囚であり、反体制である。女性感情にはとんと興味がないようだし、酒癖も悪い。しかし嫌悪感を感じさせるわけでなく、ピカロとして描かれるわけでもない。窮屈な時代の枠には収まりきらないほどまっすぐで大きな人間として奔放に描かれるシュマリには、心底憧れる。
野火の場面、雪解けの場面、最終話でシュマリが遠ざかって俯瞰になっていくあたりなど、描写も映像的で非常に美しい。
子供向けではないためか知名度は今一つかもしれないが、手塚作品の中では一押し。

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[投稿:2007-12-08 23:37:30] [修正:2007-12-08 23:37:30] [このレビューのURL]