「まれら」さんのページ

総レビュー数: 112レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年02月12日

諸星氏初の少女漫画誌連載作だということである。しかし実際読んでみて、1コマ目の「バラバラ死体が発見されました」で少々唖然としてしまった。特に少女誌だからと言って遠慮するつもりは全くないらしい。内容はいつもの諸星ワールド全開であった。
確かに伝奇的な作品群等と比べるとテイストは異なり、猟奇やナンセンスさが目立つものが多い。それなりに軽く読める話が多く、そこが他と異なる点だとは感じた。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-04-05 09:44:16] [修正:2008-04-05 09:44:16] [このレビューのURL]

バラエティに富んだ作品群だが、どの作品もいい素材の味をうまく引き出している。特に巻頭作「からくりの君」は好きな話で、よくこんな短い中でここまでファンタジックな世界が構成できるものだと思った。
あえて苦言を言えば、全体を通じてどことなく消化不良気味で読後感にすっきりしない部分が残る感じがするところか。キャラクターの肉付けがしっかりして来て、さあこれからという辺りでページが尽きてしまう。どの作品も続きが読みたくなる出来ということでもあるのだが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-03-26 21:51:48] [修正:2008-03-26 21:51:48] [このレビューのURL]

表紙を見て軽く読めそうなエッセイ漫画だろうと思って購入し、そのまま続けて読んでいる。
内容は軽妙な絵日記漫画だが、タイトルのとおり夫が外国人と言う点が斬新と言えば斬新。しかし外国人との夫婦であれば誰でも遭遇するようなネタではなく、例えば言葉に関するエピソードなどは妙にマニアックで驚かされる。ダーリンが「外国人」なのではなく、ダーリンが「トニー」でないと醸し出せない世界だと感じた。
テレビ番組で実際のトニー・ラズロ氏を見たが、果たせるかな、「外国人」であるより先に「変な人」という第一印象を受けた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-03-26 21:50:53] [修正:2008-03-26 21:50:53] [このレビューのURL]

少女漫画のスタンダード、不朽の名作である。ちょうど小学校時代に流行し、女の子の間を席捲する勢いは凄かった。
成人男性の視点から見ると、キャンディやアルバートはかなりステロタイプな描写になっており、若干深みに欠けるように思う。また成長譚の形をとりながらも、終始一本調子の力強いキャラでは却って平板に見えてしまう。むしろパティやステアに肩入れして読んでしまうのはひねくれた読み方か。
トラブルでミソをつけてしまったが、このまま消えてしまうのは惜しい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-03-17 23:27:07] [修正:2008-03-17 23:27:07] [このレビューのURL]

プロレスがまだまだ熱かった時代のアングラ感や胡散臭さの表現が見事。
内容は血管の切れそうなハイテンション・バカがぞろぞろ出てくるしつこい作風で、あまり爽やかな読み心地とは言えない。(特に虎嶋の最強ぶりとバカさ加減は普通ではない。)
どうせ何かを語るような作風でもないし、純粋なギャグとして読んでも差し支えないだろう。しかしそこらのスカした格闘漫画よりは余程熱くなれるパワーを秘めている。
最後は尻切れ・投げやり気味に終わったが、そんないい加減さもいい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-03-16 23:36:24] [修正:2008-03-16 23:36:24] [このレビューのURL]

面白いと言えば面白いが、さほど活気のある題材ではないので熱中させるようなパワーは感じない。さっぱりした薄味の内容で、ゆとりと落ち着きが感じられるほのぼの系の佳作。流れるような線とトーンを使わないアコースティックな絵柄も美しい。
こういった作品が存在できるということは、まだまだメディアの良心も捨てたものではないのかも知れない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-02-14 01:36:36] [修正:2008-02-14 01:36:36] [このレビューのURL]

正直なところ、この漫画が本サイトに登録されるとは思っていなかった。
どうでもいいネタ、節操のないパロディ、暴走する言語感覚、先鋭というよりもただ狂っているだけのようなギャグが織り交ぜられた、一言でいえばデタラメな作品。
一般に「コア」だとか「カルト」だとかいう作品の大半はファッションとしての難解さを装っただけのように感じるのだが、この作品はその逆で、一見幼稚で底の浅い内容の中にも不特定多数の読者にわざと背を向ける独善さがひしひしと感じられる。まさに同人誌的なノリであり、リアルタイムでファンロード誌を読んでいない読者にとっては、面白くないというよりも痛々しさや嫌悪感を感じてしまうだろう。
同誌掲載の中でも特に一般受けからほど遠い部類であり、商業ベースで単行本化された事の方がむしろ不思議である。
ラスカル軍団(ヒアー!)や平口君シリーズなど抱腹絶倒で、個人的には妙に面白かったが、他人に薦めるつもりはない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-02-11 11:59:16] [修正:2008-02-11 11:59:16] [このレビューのURL]

四畳半でみっともない片意地を張っているサルマタの怪人が、実は一番カッコいい。
例えばトチローや鉄郎は、宇宙へ行くからカッコいいわけではなく、銃が上手いからカッコいいわけでもない。そんなカッコよさを純化させた究極がおいどんだとするのは誉めすぎだろうか。
流されてしまえば楽なのに、どうしてもそれができないとおいどん自身が知っているし、読者もそれを知っている。そこがまたみじめで、カッコよくて、やがて哀しい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-02-11 01:00:01] [修正:2008-02-11 01:00:01] [このレビューのURL]

洗練されたタッチは現在でも古びていないのが凄い。また、女装癖・下ネタ・ヤクザなど、少年誌では勝負しづらいネタで堂々と勝負しており、当時の勢いと自信の程を感じさせる。
ギャグそのものは意外と堅実であり、ボケ(ひばりや政二)に対してツッコミ(耕作やいばり)がベタなツッコミを繰り広げる新喜劇のような展開で、言葉より動きや間で笑いを取る要素が強いように感じた。
ベタなギャグを描きたいのなら、必ずしも垢抜けた風景や美少女は必須ではない。しかしあえて両者を取り合わせたところに独特な味が生まれた。未完ではあるが、そこもまた型破りな作品らしくていい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-02-04 00:14:37] [修正:2008-02-04 00:14:37] [このレビューのURL]

6点 鬼市

一応オムニバスの形式をとってはいるが、燕光(燕見鬼)の活躍を描く連作になっている。怪異譚の味わいを残しながらも特に後半は冒険に比重がかけられ、また謎解きの要素もあって面白い。以下各話寸評。
「鬼市」民話調の怪談だが、どこかとぼけた味わい。落語の首提灯を彷彿とさせるあたりが要因か。(6点)
「羽化庵の来訪者」阿鬼の成長後の登場を語る話。これもまた民話的味わい。(5点)
「石の中の女」作者には珍しく、官能要素を取り込んだ怪談。「厄介なやつだった」で済ませる淡泊さが味わい深い。(5点)
「チョウ鬼」何故か挿入される阿鬼の幼少時の話。さらにスターシステムに似た二重虚構が仕掛けられており、気の利いた娯楽作品になっている。(7点)
「空園の戦い」1回だけの脇役と思われた長命さんの再登場。その後の冒険談の幕開けになっている。(5点)
「艮嶽の龍」時代や政治背景が語られ、前作に続いて冒険談のプロローグ。(6点)
「推背図」人物の見立てが非常に面白い。これをさらりと漫画にした作者の知識と力量に圧倒される。(7点)
「小玉」謎の呂氏の登場。サスペンス仕立てで、珍しく燕見鬼が戸惑ったりしている。(6点)
「天后」とりあえず推背図の謎解き。だが武則天を知らなければ面白さ半減。何か作者が暴走気味な感じがしないでもない。(7点)
「鬼弾」エピローグではなく、明らかに次巻への繋ぎ。(5点)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-02-04 00:07:09] [修正:2008-02-04 00:07:09] [このレビューのURL]