「まれら」さんのページ

総レビュー数: 112レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年02月12日

短編集ではあるが、1本1本が丹念に練り込まれており、珠玉の出来。
特に標題作は最も幻想的な設定ながら、地に足が付いたような骨太の作品。行基様のくだりは畳みかけるような文章表現も見事。
川原作品はファンタジーだと思って読んでいるが、その中でも最も好きな1冊。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-11-25 00:54:27] [修正:2007-11-25 00:54:27] [このレビューのURL]

ギャグとして非常に面白い。いわゆる萌え系の漫画ではあるが、たとえそうでなくても漫画として成立している。
この手のギャグは、「面白い絵」で表現するのが古典ではあるが、ボケ役の美羽を筆頭に可愛い少女を並べ、日常的な風景で描かれる日常は、却ってシュールですらある。
いかにも今風の萌え要素と、比較的オーソドックスな笑いの構成の落差は、作者の計算のうちかも知れない。微妙に瓢箪鯰な印象を受けるが、それも笑いの要素か。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-11-21 19:23:21] [修正:2007-11-21 19:23:21] [このレビューのURL]

「ドラえもん」を読んだことのない日本人がどのくらいいるだろうか?現代日本漫画の代表作であることは間違いないだろう。いい歳をした大人の間でも、「ドラえもんの道具で何が欲しい?」といった論議が十分に成立するのはすごいことだと思う。
万人受けするストーリーは感動や爆笑といった類ではないが、あれだけのアイディアをコンスタントに描き続けた才能にはただ敬服するのみである。
余談だが、のび太のママの「なりませぬ」や静香ちゃんの「ヘ長調ね」など、本筋とは関係ない台詞に爆笑のツボがあることが多い。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-03-12 00:33:14] [修正:2007-03-12 00:33:14] [このレビューのURL]

平凡な日常の穏やかな時間を丹念に描いてあるが、決して退屈ではない。コマ運びが絶妙で台詞の端々が活きており、ギャグ漫画としても十分楽しめるが、やはり疲れた時に読みたい作品。
読者の追体験的な読み方を誘うような雰囲気があり、特に季節感の表現がすばらしい。
評価は高いようだが、アニメ化などすると「間」が死んでしまうだろうと思わせる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-02-19 19:27:33] [修正:2007-02-19 19:27:33] [このレビューのURL]

スピーディーかつマニアックなギャグと裏腹に、無意味に過ぎていく日々が語られていく。ちょうど自分自身が高校時代に読んだ漫画であり、実生活の想い出と共に郷愁を伴って記憶している。
同人誌感覚のギャグは好き嫌い分かれるところであろうが、結構好きだった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-02-17 23:51:25] [修正:2007-02-17 23:51:25] [このレビューのURL]

延々と繰り返されるパラノイア的な描写。オムニバス形式で語られる異様な状況がやがて一点に収束されていく。
グロテスクを通り越して滑稽にさえ見える画風は、決して上手いとか美しいとかいうものではないが、淡々とした筆致のせいか、さほど嫌悪感は感じない。
恐怖漫画やSF漫画の趣もあるが、むしろ前衛芸術を目指したような読後感を抱く。惜しむらくは結末が理に落ちすぎてむりやり終わらせたような感じがする点である。いっそ前衛に徹して突き放せば9点以上を献上できたかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-02-15 23:52:56] [修正:2007-02-15 23:52:56] [このレビューのURL]

非常に面白く、作風は良質で安心して楽しめる。ここまでの品位と娯楽性を併せ持つ漫画は貴重である。
難を言えば、一話完結型でレギュラー登場人物が限定されるせいか感情移入が困難であり、「のめり込む」ことができなかった。
良くも悪くも優等生的で、非の打ち所がない漫画。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-02-14 01:18:25] [修正:2007-02-14 01:18:25] [このレビューのURL]

7点 谷仮面

勢いまかせ・力まかせのストーリーに圧倒されます。「愛」と「格闘」と「バカ」をいっぺんに描くことが可能であることに驚きました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-02-13 00:13:04] [修正:2007-02-13 00:13:04] [このレビューのURL]

キャラにもたれかかった展開が多く、全体としてストーリーが散漫になっている。読んでいるときは非常に面白くても、「続けて次話を読みたい」と思わせるパワーは弱いように感じる。
ただその点を差し引いても、及第点はクリアできる好作ではある。個々のギャグは面白いし、キャラは十分魅力的。カルト人気を誇るクソゲー(誉め言葉)のような味わいである。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-06-21 18:23:46] [修正:2008-06-21 18:23:46] [このレビューのURL]

全編が不条理ギャグだったかのように記憶していたのだが、今読み返してみると、結構オーソドックスな作品も多かったことに気づく。50音の2周目、3周目と進むにつれて徐々に連作漫画や実験的な作品の比率が増えており、作者も逡巡していたように思う。3周目後半あたりは作者自身が何を描いてよいか混乱している様子で、後年の作風を考えると興味深い。
今でも面白いし一応笑えるのだが、その後氾濫した不条理マンガに食傷気味で、本家である本作まで陳腐化したように感じられる点が残念。「ろんばろんば」や「ドナドナ」を初めて読んだときの爆笑は蘇らなかった。
連載当時に採点すれば9〜10点もあり得たが、今では6点がいいところだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-04-20 01:07:43] [修正:2008-04-20 01:07:43] [このレビューのURL]