「とろっち」さんのページ

絵、綺麗ですね。とにかくそれが最大の特長。
ただ他の方のレビューにもあるように、確かにストーリーと絵柄は合っていない気がします。

連載開始当初は個性的で目を引くような設定がとても良く、引き込まれるようにして
読んでいたのですが、途中からただの能力バトルものになっちゃいましたね。
それでも第一部はそのシンプルさが読みやすく、なかなか良質の少年漫画だと思います。

第二部になるともうよくわからんです。若干置き去りにされてました。
その割に、ラブコメ部分とか日常のまったりコメディとか、コミックス巻末のおまけ4コマとか、
なんかストーリー本筋以外の部分がやたら面白く感じる妙な作品です。

以下、ちょっとした感想。
これらは個人的好みの問題なので評価対象にはしてないですが、読んでいて気になってしまいました。

・ 操作(=洗脳)の能力を持った重要な登場人物が出てきます。
相手に触れるだけで、即座に、簡単に、ほぼ絶対的に、思考を操ることができるみたいです。
本当に好みの問題になりますが、こういう強力な洗脳キャラが出てくると興ざめしてしまいます。
だって何でもありになっちゃうじゃないですか。作品のリアリティが一気に崩れてしまう気がします。
主人公に触れればその時点で試合終了ですからね。

・ この作品では「死への羨望」(と、そこからの克服)が重要なキーワード。
でも自分の考えでは、死は羨むべきものでも、憧れるものでも、到達点でもなく、
少なくとも、死んでいった人を羨ましいとは思わないです。
それを推されても、ちょっと……ね。
もちろん、最終的なテーマは arrive であり alive であるわけですが、
少年漫画なんだから、全国の青少年に死を肯定するような描き方をしちゃいかんですよ。

それにしても、やっぱり絵が素敵。
次回作は能力バトルではなく、サスペンスホラーみたいなのをやってほしいです。
サスペンスにしては絵にちょっと白い部分が多いですが、それでもすごくマッチしそうな気がします。

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[投稿:2010-08-27 16:25:50] [修正:2010-08-27 16:42:25]