「ジブリ好き!」さんのページ

ほんわかと不思議の入り混じる、オンファスへようこそ


自分に漫画を教えてくれた夜麻先生の復帰作です。これを足掛かりに、「刻の大地」続投へ繋げてくれたらなぁなんて思いながら、十六夜やイリア達とは違った3人組の主人公の話を楽しもうと読んでみましたが…

この作者のファンとして、ではなく、この作品の読者として、言いたいこと。正直、この作品はプロのレベルに達してないです!本当に、こんな状態で刻の大地の続きを描いてなくてよかった。

幻想大陸のとき同様、キャラは過度にデフォルメされてます。
そこから、夜麻先生独自の、ふにゃっとしてほんわりとした優しくかわいらしいキャラクターが生まれてくるわけですが、シリアス時には、デフォルメを緩め、真剣味を見事に表現してきてくれました。
しかし今作では、終始デフォルメ化された状態のみで描かれています。ギャグが多く、優しい雰囲気が話のほとんどを占めるのであればそれでも良いのですが、今作は幻想的で時にシリアスなことも多いので、これは明らかに表現力が落ちている証拠。読みにくいし感情移入できません。

さらに失望したのは、デフォルメキャラの動きのなさ。
幻想大陸時代と比べても明らかに劣っています、ていうか全く動きが感じられません。動作もしぐさも表情も、静止すらしてない。次のコマへぎこちなく中途半端に移動していて、かなり違和感を感じました。

内容は…はっきり言ってつまらない。特に1巻は、ページをめくる手が止まってしまうほど。稚拙すぎで、それでいて、幻想大陸や刻の大地のときの、紙面を超えて感じられる温かさもない。
2巻からは方針がめちゃくちゃ変わります。幻想度がアップして好奇心をそそってくれるので読みやすくはなりますが、それが心に残るような幻想性を与えてくれるというよりは、ただただ意味不明でした。主人公3人も蚊帳の外に。
ラストエピソードは、後書きからはかなりがんばったように思われますが、全然良くある話で新鮮味がない。
途中、「これは本当に漫画なのか?」と思ってしまう特殊な表現が見られますが、個人的には読みにくかったです。


酷評だらけですが、誉める点がないのも事実。腕が鈍ったとしか言いようがない。同人でもやっていけるかどうかのレベル。
それでも買ってくれるファンは多くいるわけで、本当に本当にこれからがんばって、かつてのレベルへ戻して欲しい。どんなに今が悪くても、自分にとって一番の漫画家だから、次回も期待してます!
頑張れ夜麻先生!

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[投稿:2010-05-10 02:27:56] [修正:2010-05-29 21:56:08]