「ジブリ好き!」さんのページ

総レビュー数: 343レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年12月10日

自分の人生をビデオ鑑賞できるという恐ろしい設定。
関わりさえあれば他人の人生もみれてしまう。

2話程度にまとまったオムニバス形式で、バッドエンドが多いけど、救いのある話なことが多い。
ホラー要素があるわけじゃないが、それに近い怖さが作品全体に蔓延している。他人の人生を覗いた時見えてしまう「真実」の瞬間が、ホラー映画とかの感覚に近いのかも。

オチありきの話なので、これからもこの面白さを保っていけるかは作者のアイデア次第。今のところダークな展開なものほど面白いです。

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[投稿:2010-08-26 15:30:49] [修正:2010-08-26 15:30:49] [このレビューのURL]

コロコロに比べると、ボンボンの作品は過激で暴力的なものが多かったと思いますが、その中で優しく柔らかくロックマンを描いた作者さんです。

素早い展開の中にほんわかモードを混ぜ、破壊ではなく和解を基本とする。ボンボン連載の他のシリアス過ぎるロックマンシリーズに比べ、児童向けに描かれてたと思います。方針が、であって、内容のクオリティは決して低くないですけど。

そしてもう一つの特徴は、この人の描くロックには妖しい魅力があります。俗に言うショタっ気ってやつです。。

この「ロックマン アンド フォルテ」は打ち切りで最後急な締め方になってしまっていますが、「ロックマン8」からの続き物としてみればスパンのある話になっているので満足。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-24 17:52:54] [修正:2010-08-24 17:52:54] [このレビューのURL]

ボンボンのギャグ漫画というとこれを思い出しちゃう
「クロちゃん」は自分的にはギャグ漫画じゃありませんので…

かなり下劣で下品なギャグ漫画だった記憶がありますが、結構シュールで、作品の根底には「不条理」が垣間見れます。
コロコロにはないタイプのギャグ漫画でしたので、ボンボンを読むときは楽しんで読んでいました。
完成された世界観と空気があり、登場人物も一発ネタにしか思えないのに応用させて話を作っています。

ただかなり長く続いたため、後半の失速は否めないです。それとこの人の漫画はどれも児童向けというには有害な面が多い気が…そこがまた好きだったんですけどねw

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[投稿:2010-08-24 17:28:46] [修正:2010-08-24 17:28:46] [このレビューのURL]

10点 7SEEDS

(2010年8月更新、【既刊18巻まで所持】)
先読み不可能、サバイバル漫画最高峰!
圧倒的なリアリティと面白さに驚嘆。完結を待つことなく自分の中で自信をもって満点を付けれる作品。

この作品から感じたこと。それは「アリとキリギリス」に対する反論、もしくはアンチテーゼのようなもの。
「アリとキリギリス」
食糧の集めやすい夏の間に、アリの集団は冬への備蓄のためせっせとひたすら働き、キリギリスはのんびりと音楽に興じる。そして冬が来て、備蓄のあるアリたちは生き延びることができるが、キリギリスは食糧を見つけられず、アリに頼んでも分けてもらえず、死んでしまう。そんなお話(地域により詳細は違うかもしれないが、大体こんな感じ)。

この話を読み聞かせた後、大人は決まって「アリさんが正しい。アリさんを見習って生きなさい」と言う。
確かにアリさんは正しい。
皆で分担して、生きるために必要なことだけを、計画的に機械的に行う。特にサバイバルという状況においては「アリさん」であることが求められるのだろう。だからこそ教師たちは、優秀な夏のAチームを作り上げた。アリさんの象徴のような夏のAを。理論的には何も間違ってないのかもしれない。(そのやり方は問題だらけだが)

では現実に、夏のAチームこそが正しく、理想的な人間像なのだろうか?
14巻で安吾とハルが言い争うシーン。
スポーツも音楽も、暇な人間のやることだ、必要ない、という安吾に対し、ハルは言う。
「じゃあどうして、戦時下でピアノを弾くのさ。絵を描きながら飢え死にするのさ。内戦のさなか、歌を歌うのさ。ボールを蹴るのさ。人として生きていくためじゃないか」

生きるためだけに生きるAチームは、人さえも簡単に殺してしまう。感染の疑いがあれば迷わず撃つ。邪魔になるなら迷わず構える。
彼らは生きるための「生き物」としては正しい。けど、きっと「人間」としては正しくない。
「人間」として正しい姿は、アリでもキリギリスでもない。

夏のAとBの姿は、比較すれば一目瞭然、アリとキリギリスそのものだ。Aがアリの象徴だとすれば、まぎれもなくBはキリギリスの象徴。貯蓄も船の管理もしっかり行わず、遊ぶBチーム。絶望的な世界でも、常に明るい夏のB。機械のように、生きるための活動だけをするAとは全く対照的だ。
夏のBの明るく元気で活き活きとした姿からは、ただアリのように機械的に働く日々からは得られない「人間らしさ」が感じられる。

「人間」として正しい姿、それはアリでもあり、キリギリスでもあることなのかもしれない。
だから、田村先生なら、「アリとキリギリス」をきっとこう子供たちに教えるだろう。
「アリさんは偉くない。アリさんはキリギリスさんと共に生きるべきだった。そうすればアリさんは、ただ働くことしか知らない日々の中で、楽しさを感じる方法をキリギリスさんから教えてもらえた。キリギリスさんは、アリさんに仕事を分けてもらって、生きることができた。お互いが成長できたんだよ。」
人間はアリでもキリギリスでもない。だからこそ、「共存」し、「成長」しあうことができるのだ。夏のチームは、AとBが共に手を取り合って初めて、人間として最高のチームになりえるのだろう。


この物語の主人公はナツだと信じている。嵐でも花でもなく、他の突出した長所をもった魅力的なキャラ達でもなく、暗くてダメダメなナツ。何故か?
死の世界で生きていくのに、アリのような優秀さも、キリギリスのような明るさもいらないから。
知らなければ教わればいい。一人でできなければ協力すればいい。
そう、これはナツの成長譚。「成長」を武器に、ナツでさえ、地獄のような世界で生きていく力を身につけてゆける。
そんなメッセージが込められた作品だと思うから、自分の中ではナツが主役なのだ。(もしくは、自分がナツ並にダメダメな人間だから震災後のような地獄の世界でも希望をもって生きられるようそう思いたいのかもしれないが…)


暗く残酷な話だけれど、どのチームも「人間らしく」生きようと成長していく姿が読んでいて非常に心地よい。秋だって成長できたのだから、夏Aもできるはず。田村先生曰く、ラストは考えてあるからいつでも終わらせられるとのことだが、いつまでもみていたいような、みんなで手を取り合って暮らすENDが早くみたいような…

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-03-12 22:12:47] [修正:2010-08-24 16:45:39] [このレビューのURL]

「めばえ」や「小学○年生」から始まった自分の漫画人生の中で、やっぱり一番大きな影響を受けた雑誌は「ジャンプ」ではなく「コロコロ」だったのだと思う。
もちろん、こうやって漫画に得点を付けれるような年齢になった今では、コロコロの作品など思い出補正の中でしか輝けないものばかりだけど、その溢れんばかりの輝きのおかげで今でも鮮明に子供時代を思い出せるのだ。

推理物好きだった当時のヒーローはコナンと金田一だったが、初めてのヒーローはこのホームズだった。
小学生のがきんちょ3人組が警察バッジも手帳も持ってて、見事な推理を披露し、力仕事は大人の警察にやらせて事件解決。
そんな設定にもちろん違和感なんて感じなかった。「秘密警察だから」、理由はそれで十分。
コナンや金田一のような長々とした説明も入り組んだ難しさもなく、スパッと解決。
終盤出てくる敵組織のライバル(の怪盗)もまた子供。今思えばバトルものならよくあるけど推理ものでは珍しかったなあ。

子供が楽しむには、それにふさわしいレベルの内容でなければならないが、
子供騙しでごまかせるほどコロコロ読者は甘くない。
それをクリアした高クオリティで連載していたことを多大に評価したいが、このレビューサイトの利用者年齢を考えればやはり思い出補正に留めておかなきゃいけないのだろう。


ちなみに内容や設定が「探偵学園Q」と似てるけど、こっちの方が先だよ!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-23 17:44:15] [修正:2010-08-23 17:44:15] [このレビューのURL]

色使い、構成、視点、どれもアバンギャルド過ぎて読み手の感性が問われるのかと思いましたが、本筋は思いの外ストレートな印象。
余計なものは極力排除し、ストーリーに必要なものだけを描く。けれど、比喩は多用する。

典型的なボーイ・ミーツ・ガール、若者の憧れる狂った恋愛、バンドにリストカット…材料を並べればありがちな内容になりそうだけど、表現の勝利でしょう。内容を絞ったのも良かったと思います。

…ですが楽しめたかと聞かれると別問題。
それでもこの後「CLOVER」などこの表現法を後世に残したことは非常に評価したい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-18 17:38:18] [修正:2010-08-18 17:38:18] [このレビューのURL]

凄い。

物語は全てラストのために描かれるのだが、その過程も丁寧で面白く仕上げられている。
そして迎える激動のラスト…

似たラストの作品を挙げるなら、古くは「ナウシカ」や「地球へ…」など。
最近のSFやセカイ系にも似たようなものが挙げられる(というか最近のものはこれらの影響を受けているので当然っすよね)。
なので作品の古さを特別視しないならば、単に「SFらしいラスト」で括られてしまうかも。だが、この作品の凄さはそこ(だけ)じゃない。
神のデザイン、表現の素晴らしさ・美しさ、敵味方問わず魅力的なキャラの数々…それらも備品にすぎない。

この作品の凄さ、それは物語を通して導き出されたその「結論」
‐神は「必要とされない」存在になったこと‐

宗教や信仰をテーマに入れながら、結果的に神は必要ないと結論付けてしまった!神殺しの作品はあれど、神を捨てる作品はそうそうないだろう。
ましてこれほどのクオリティと説得力をもってそれを描いた作品はこれ以外ない!まさに、今となっては宗教への関心薄く、特定の宗派に属さない人の多い日本だからこそ許された結論だ(欧米やイスラム圏じゃ…)。

救いは人それぞれ異なり、それは時に善であり、時に悪である。永遠の平穏が約束された理想郷では決して癒せぬ傷もある。
善だけが、悪だけが人の姿なのではない。人間とは「進化する反調和」だ!

こうした結論がかなりの説得力をもって描かれていることが凄い。
善なる透祜と殺戮に快楽を感じてきた夭祜が一つになるシーン
平和を尊ぶ亞神の味方をしてきた鷹野が、平和の楽園を築いた亞神の天音を斬り消すシーン
決して剣を取らなかった青比古が、一狼太を殺すことで救うシーン
敵も味方も誰も彼もが血にまみれ辿りついた結論。

凄い。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-08-11 00:03:55] [修正:2010-08-18 15:26:35] [このレビューのURL]

巻を重ねる毎に面白くなる親バカ漫画

過保護ならぬ過「かわいい子には旅をさせよ」
究極のツンツン親父がスパルタ的にダメダメイジイジな主人公の息子の成長を見守るというのが本筋。ストーリー自体はサバ読みまくりのトップアイドルな父親の芸能活動を中心に、そのせいで苦労の耐えない息子が行動を起こしたり事件に巻き込まれたり。
1巻に1つか2つのエピソードを収録していて、そんなストーリーを追うだけでも十分楽しめる。結構過激なエピソードも多いが、締め方は「ちょっと良い話」

とにかく主人公がウジウジでEVAのシンジを彷彿とさせられ、序盤はイラつくかも。でもタイトル通りだんだんアクティブに、自身をもって行動するようになっていくので見守ってやりましょう。特に4巻は良かったです。

恋愛も、主人公と女優としてパッとしないアイドル・泉志穂のすれ違う両想い、しっかり向き合った後も芸能界特有の嫉妬や女の怖さなど受難多い展開と鉄板。

線の細い、一見味気ない画だが、内容はしっかり楽しませてくれる漫画です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-08-18 15:23:12] [修正:2010-08-18 15:23:12] [このレビューのURL]

私は最初同名小説からこの作者の作品に入った。

小学生で小説嫌いだった私が、はじめて好きになった小説。

面白い。本当に笑える。大笑いもあるけど、基本はニヤニヤ

その後漫画もあることを知り、読んだわけだが…

一番思ったことは、やはり画力は漫画の質に影響を与えないということ。それよりも重要なのはセンスや感性だということ。
この作品も小説には小説の、漫画には漫画のよさがあった。ほんわか感や目で訴えてくる感じは、漫画だけの特典だろう。

この作品の舞台はリアリティのある日常だが、リアルな日常ではない。
各キャラが役割分担されてる感があるが、そこがまた漫画というメディアの性質を生かしていると思う。
しんみりな話は本当にしんみりする。

アニメ化もされ、もはや日本を代表する作品と言えるかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-27 01:51:17] [修正:2010-08-13 03:02:27] [このレビューのURL]

自転車大好き、鬼頭莫宏の描くロード漫画

「シャカリキ!」と「アオバ自転車店」をロード漫画の頂点とする彼だが、同じ土俵で勝負するつもりはないらしい。まだ序盤だが、既に安定した面白さがあり、これからが楽しみでたまらない。(ただこれまで鬼頭作品を追ってきた者からすると、キャラや雰囲気に違和感を感じますね。同じじゃ困るんですがw)

「なるべく人が死なないようにがんばります。」(ジャンプSQ.より)
1話目危なかったっすよ、先生w

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-10 22:01:04] [修正:2010-08-10 22:01:04] [このレビューのURL]

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