「ジブリ好き!」さんのページ

総レビュー数: 343レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年12月10日

実に作者らしい作品。
ジャンルと発表時期が鬼頭莫宏とかぶってしまったけれどその思想はまさに森さんそのもの。しかし他の森作品よりありがちな展開で序盤のインパクトが薄く、作画とテンポのさばさばした冷めた感じが残って、まだ面白いとは言えない状態。

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[投稿:2011-04-29 04:03:43] [修正:2011-04-29 04:03:43] [このレビューのURL]

狂気と厨二な感じが見事に融和した世界観。
次から次へと抜群のスピード感で展開していくストーリーは非常によくできていて面白いです。

作者はホラーを得意とする漫画家ですが、ホラーだけではなくSF要素やセカイ系要素が強い作品。前作「美女で野獣」が全くホラー要素がなかった分意気込み過ぎたのか、ホラーというよりグロいです。摩訶不思議生物さんのおっしゃる通り、演出が狂気染みてる。

ストーリーはセカイ系に近いけれど、他のセカイ系より説明付けがわかりやすくはっきりしているのが特徴的。それ故の物足りなさもありますが、テンポが良いので飽きずに読めます。
ただ、(連載用の?)前回のあらすじがちょっとくどい。

そして何といっても、表紙のインパクトが好きですね。(「ぼくらの」(販促用イラスト)や萩尾望都の「11人いる!」とかを思い出す)

大人が感じる子供の怖さ、強さ、無邪気さ…
無垢ゆえに支配力の強い子供たち。自分が子どもだったころも、確かにグループやリーダー格がいて、力でまとめてましたね。それが魔王なんでしょう。(子供の世界はうまく描かれているのに対し、大人の世界の描写がないのが残念)


(2011年4月、追記)
最近セカイ系に類する作品が多く出回り、主人公が神(あるいはそれと同等の存在)となる結末のものも増えましたが、そういった作品が好きな方はこの作品も読んでみてはいかがでしょうか。

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[投稿:2010-05-20 02:26:57] [修正:2011-04-29 03:38:39] [このレビューのURL]

強烈なキャラクター達が織り成すサバイバル・デスゲーム!


とにかく濃いキャラ達に引き込まれました。ストーカーヒロイン・由乃はもちろん、日記所有者やその取り巻きもみんな変。話はともかく、キャラだけならトップクラスに大好きな作品です。
ジャンル自体も好きですが、徐々に尻すぼみになっていってる感は否めません。緻密さや多少の矛盾は許容範囲ですが、DEAD ENDフラグの意味のなさはよくわからないです。

しかしあまり深く考え込まず、その場の空気に混ざって楽しんでみてください。ほら、頭のネジがぶっ飛んだキャラ達と、彼らのおかしな会話や言動。何と楽しいことか!

西島「結婚してくれっ!」
みねね「私の人生は一人きりで定員なんだよっ!」
西島「俺と定員オーバーしないか?」
(9巻)

「本当にろくでもないっ!」
(2巻)

素晴らしいセンスの数々…

日記保有者の数があらかじめ決まっているので、長くはならないでしょう。テンポも悪くないので、スパッと読める作品。


(完結追記)
後半の過激さと失速感が残念でしたが、アニメ化決定にもかかわらず12巻で収めたのは英断だったと思います。全12巻、外伝含め14巻、13にまとめてくるかと思いましたが、こだわりはないようで。。
10巻でバトル終了、その後は由乃の伏線回収と締めですが、非常によくまとまてあります。
惜しむらくは、タイムリープネタやセカイ系展開が当時放映していたアニメ「まどかマギカ」とかぶってしまったことですかね。遡ればそんな作品はいくらでもあるわけで大した問題ではないのですが、時期が丸かぶりしたのは天の導きでしょうか。(天災ですが…)
オチは「花子と寓話のテラー」同様のハッピーエンドだったので、作者のポリシーなんでしょう。雪くんが身勝手な気もしましたが、大団円ということで。。

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[投稿:2009-12-10 23:26:16] [修正:2011-04-29 03:28:51] [このレビューのURL]

多くの方が原作を知っていらっしゃるでしょうから蛇足となりますが、
倒叙形式で描かれたこの作品を、ただのミステリーと見ることはあまり意味がないし、主人公の犯す犯罪自体に目新しいものはありません。
しかし丁寧かつリアルに描かれた主人公の思想や心理変化は、巻を重ねるごとに読者をぐいぐいと引き込んでくれるのです。

「罪」が犯罪(今作では殺人)のことだとすれば、犯行そのものの心理や感覚は実際に殺人を犯してみないことにはわかりません。故に殺人そのものにリアルさを求めることは難しいはずです。
犯罪者を取材すればある程度の理解はできるでしょうが、言葉で表しきれない感覚的な部分は伝わりきれないでしょう。(今作で主人公が、「もう僕は誰とも分かり合えない」と幾度となく呟いているように…)
もちろん、落合先生もドフトエフスキーも、犯罪者ではないので、やはり犯行時の描写に目新しいものはありません。

この作品の優れたところは、「罰」の部分です。
犯罪を犯した者の、思想崩壊や虚無感、恐怖感。そういった部分が恐ろしく秀逸に描かれています。
ドフトエフスキー自身が政府に監禁された経験を持ち、死刑直前までいっています。その恐怖感や虚無感はナマです。もちろん、犯罪を犯したわけではないので、その心理が完璧に一致しているわけではありませんが、一般人以上に罰に対する感覚は強いはず。

まとめると、この作品、犯罪自体や犯行時の心理描写・行動に目新しいものはなく、正直、4巻までなら特筆すべき点はありません。
しかし、5巻以降の面白さは凄まじい。罰に対し怯えながらも、早く捕まってしまいたいとする主人公の葛藤。
そして何より、罰を逃れた後の、「もう僕は誰とも分かり合えない」と孤立してしまう様。7巻まで一貫して良心の呵責を感じない主人公を、唯一苦しめる鎖です。
犯罪に手を染めて初めて理解する、「僕には資格なんてなかったんだ…」
弥勒にとっての罰とは、この「孤独」や「思想の崩壊」なのですね。

原作に忠実ながらも、舞台を現代風刺的に設定し、またオリジナルストーリーを足すなど、原作既読者にも十分楽しめる内容に仕上がっています。


(完結追記)
余韻残る締めくくり、この作品への思いの強さを物語るあとがき、最後まで本当に楽しめた作品でした。
かつて原作を読んだ多くの方にもオススメしたい作品。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-04-08 19:23:15] [修正:2011-04-29 02:47:28] [このレビューのURL]

現代版姥捨て山

残酷で奇抜な設定の勝利。オチは予想できるかもしれませんが、ベテランの技で読まされます。

70歳以上はクジに当選しない限り生きられない世界。
不条理でありながら、どこか合理的でもあるセカイ。
おばあちゃん子な少年の精一杯の努力と車に乗ったおばあちゃんの穏やかな笑顔、守りたいという気持ちが互いに交錯してしまいすれ違った想い。

無情な結末なのに、家や日常のノスタルジックな雰囲気のためだろうか、後味が悪いというよりも物寂しさが残ります…。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-27 03:39:26] [修正:2011-04-27 03:39:26] [このレビューのURL]

7点 イムリ

壮大なスペクタクル
見事なSF叙事詩です。

オリジナルの世界観・用語に慣れるまで時間がかかりけど、核として描かれるのはあくまでもヒューマンドラマや心理を伴ったクーデター・革命なので、すぐになじんで没頭してしまうはず。
癖の強い画さえ大丈夫なら、文句なしに面白いと感じる作品。

まだまだ要素として深みを残していそうな、注目の一作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-23 00:46:20] [修正:2011-04-23 00:46:20] [このレビューのURL]

(2011年4月、評価変更)
今更ながらこの短編集の良さに気づけました。
表題作がデビュー作って、志村さん凄すぎる。。

放浪息子アニメ化当時は、放浪息子の原点として見直されましたが、表題作の発表は1997年のため絵柄が違います。(ちょっとやおいっぽいかな?)

新人だろうが志村ワールド全開、志村作品初心者には敷居が高そうだけど、この世界観が好きになってから読んでみると(読み直すと)、引き込まれてうっとりしちゃうよ。
長編でこの人の醸す空気感を存分に味わってから短編に入ることを勧めます。

あと、志村先生本人が登場するなかがき(あとがき)漫画は相変わらず面白い。この人のエッセイ漫画が出たら買いだなぁ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-02-08 14:10:19] [修正:2011-04-22 23:44:32] [このレビューのURL]

6点 背の眼

霊を「探求」する話。
いると信じて「研究」するのではなく、いるかどうかを「探求」するのだ。
そこに隠された物悲しい目的。
簡単に「いる」とは結論付けない、でも「いる」と信じなければやりきれない。
そんな、切ないお話…

ストーリー自体はミステリーです。伏線もわかりやすくテンポも良い。霊的な要素も含まりながら、現実とオカルトの境界をいく結末です。

真備のすごさに比べて主人公が空気。

ミステリーに関する伏線は全て回収されますが、霊的な部分の伏線は回収されません。それがこの作品の秀逸なところ。事件自体は理路整然と解決させながらも、話のある意味最大の肝であり、真備の希望でもある「霊」については一切伏線回収しません。伏線を回収しないことが、この作品の良さに繋がっているのです。
少し物足りないのだけれどね。


背の眼こそが真備の最後の希望。
けれど事件そのものに背の眼は関係なかった。
結局霊がいるのかいないのかは最後まで断定されない。
断定されないからこそ、真備はまた希望を持ち続けていられる。
そして亮平の最後の言葉は、なんとも心地よい結末で良かったです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-27 02:35:27] [修正:2011-04-19 02:41:28] [このレビューのURL]

6点 SWWEEET

この画で、この内容で、この短さだからこそ、最後の最後で評価が変わった作品。
双子の弟の行方が分からずじまいだからこそ、最後のフラッシュバックが想像欲を掻き立てる。その要は、「ドッペルゲンガー」という言葉。ラスト数ページが評価をわけました。

それ以外の部分でも、鬱な内容を抑えている画や、ちょっとしたどんでん返しなストーリーを2巻にまとめていて、なかなか良かったです。
でも実際は、斬新さがあるわけでもなく、変なラブコメだなぁくらいの印象も感じる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-12 23:59:31] [修正:2011-04-19 02:36:32] [このレビューのURL]

チンチロの面白さに比べて沼が残念な感じ…
面白いのだけれど…あえて…この点数で…
ざわ…ざわ…

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-11 02:43:50] [修正:2011-04-19 02:32:34] [このレビューのURL]

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