「ジブリ好き!」さんのページ

(2011年9月修正)
救いのない話は嫌いじゃないけれど、その「らしさ」があまりに前面に出過ぎてて押しつけがましく感じ、「現代社会にあるあるなかわいそうな物語」を終始演じている感が拭えなかった。

作品のダークさは好き、だけど、文章をどこまで残してどこまで画にするか?小説の漫画化には必ず問題が付き纏う。
基本的にはうまくまとまっていて、画も非常に綺麗だし雰囲気が出ていた。(ただ、藻屑をはじめ人物の心理描写がもう少し欲しかったけど。)
しかし伏線は、やっぱ叙述系トリックは漫画には合わないと思う。
漫画には画があるので、どうしても情報量が多くなる。情報の取捨選択が命取りとなり、入れ過ぎれば読者に気付かれビックリが薄れ、少なすぎれば後付け感や矛盾を生じかねない。
ミステリ(広義)と漫画、突破してほしい壁ではあるけれど、現状難しい課題だと思う。

救いのない話ほど、そこから自分なりに感じ取れるものがあるかないかが重要な気がする。ましてどんでん返しもなく、そのままストレートに救いのないこの話では、読み手がどれだけ物語世界やキャラの生き方・考え方に感じるものがあったかが評価をわけるだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-04 00:47:03] [修正:2011-09-22 18:43:11]