「ジブリ好き!」さんのページ

最近復刻される前までは3冊で3万超えの値。
幻の作品と言われていましたが、値打ち=大作と考えて読むのは得策ではないかもしれません。相変わらず凄い作品ではありますが、この作品の価値はジョージ秋山作品群の中で重要な意味を持ちます。

「砂の風で舌がざらつくような町であった」
このフレーズが好き。
きちがいな母親に振り回される土門少年、果たして彼もきちがいなのか、はたまた王者の素質を持つ者なのか。
残酷な展開が続く前半のショックと比べ、中盤以降の穏やかさは喜ばしくも物足りないと言いましょうか。しかしあの結末は…人生への勝利なのか…老人が正しいのか…いや、おそらくは、どちらでもなくて…
なんだかもどかしいけれど、やはり衝撃作ではあるのです。

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[投稿:2011-05-25 01:37:43] [修正:2011-05-25 01:37:43]