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文化系を真正面から描いた青春漫画。

今まで、文化部を真面目に描いた漫画はそうはなかった気がする。確かに、盛り上げ方が明快な将棋や囲碁などの対戦ゲームもの、読者や作者にとって身近なオタクサークルもの、は幾度か描かれてきたが、この漫画において「対戦」は重要なファクターではないし、書道という全く馴染みのないテーマを意欲的に扱っている。そういう意味では、この漫画は、今まで光があたらなかった文化部の「魅力」を描き出しているような気がしてならない。そして、その魅力は、読者に対して、「あ、こんな世界があるのか!」という発見をもたらしてくれる。

作風としては、いかにも「サンデー系」というようなユルさが特徴的。ただ、ラブコメでもなく、熱血対戦ものでもなく、「淡々とした日常」を描くという意味では全く新しいジャンルの漫画と言ってもいいかもしれない。

画風に関しては、「熟練の無難さ」と言ってもよいほどの安定感。もともと絵の上手い作者ではなかったと記憶しているので、長作をこなす度に成長してきたのだろうか。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-12-22 16:27:03] [修正:2008-12-22 16:29:40]