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ゲーム業界を風刺した職業マンガの一つ。

この漫画は比較的高い評価を受けているようであるが、読みやすさ・エンターテイメント性・登場人物の魅力等の点で、正直、イマイチ。
職業マンガが熱いのは当たり前。その業界の魅力を掘り下げることこそが職業マンガの本質であり、「熱い」ことそれ自身だけでは名作たりえない。
漫画家マンガであれば、燃えよペン、G戦場ヘブンズドア、まんが道、編集王等の熱さと本作を比べれば、「熱さ」それ自身に大差はない。広義の職業マンガというものでいえば、海猿、夏子の酒、め組の大悟(というか曽田漫画全般)、その他スポーツマンガ全般、等々熱いマンガを挙げればキリがない。

要は、プロフェッショナルorものづくりに対する熱いこだわりというテーマを描くためのストーリー、キャラクター性によって良いマンガかどうかが決まる。

その点、大東京トイボックスは、ストーリーやキャラクター性が「ぼんやり」している印象が否めない。一話完結ではなくストーリーものになっている割に、山谷がなく、一本調子で淡々と出来事を消化していくだけ。登場人物がやたらに多く、中心人物不在のため、誰にも共感できない。天川太陽に作品への熱さを注入しているのであれば、より太陽中心に話を転がすべきであるのに、やたらに周辺の人物の出来事を描きすぎていて、落ち着いて読めない。結局、何の作品でしたっけ??と途中でなってしまう。

他方、数多ある職業マンガの一つとしてゲーム業界の内情を知るための薀蓄マンガとして一定の価値はあったので、5点の評価まで。

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[投稿:2013-02-10 20:44:29] [修正:2013-02-10 20:44:29]