「boo」さんのページ
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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

8点 乙嫁語り
その名の通り、中央アジアの「若い嫁さん」、「美しい嫁さん」についての話。
1巻と2巻では12歳のカルルクに20歳のアミルが嫁ぎ、絆を深め合っていく話が主に描かれている。年の差や実家とのトラブルなど多少の弊害はありつつも順調に他人から夫婦へとなっていくのは派手じゃないですがほのぼのして良いですね。エマみたいに世間の常識や身分の差を乗り越えて良くも悪くも周りを巻き込む激しい恋愛とは真逆で、あくまでも当時の中央アジアの常識に則した恋愛を意識しているような感じ。
前作と同様恋愛に主軸が置かれてはいますが、エマを読んで疲れた人にはこちらの方をすすめときます。
また中央アジアの文化・風習を紹介してくれる漫画でもあって、皆さんが仰るように森先生の愛に満ち溢れた絵を楽しむことが出来る。刺繍・彫刻・民族料理と、好き好き好きと言うようなもはや引いちゃうくらいのクオリティは見る価値ありです。異なる風習・考えを正確に調べて描くのは難しいと思うのだが、風俗描写は丁寧に調べられており興味深い。説明臭くならないようスミスさんを通しての解説もうまいし、何気に細かい目線や表情まで意図してるところが多いようで何度も読み返せる。
また森さんの、現在の私達の常識で善悪を判断せずに一歩引いて物語を書く姿勢がかなり好印象。父権制度が分かりやすい例だと思いますが、今の私達からすると悪い印象のことでも当時の中央アジアでは当然あります。しかし森薫はそれを自分の、今の価値観で勝手に裁くようなことはしません。作中では当たり前のこととして描かれています。とはいえ私達からするとおかしいだろ、と思ってしまうのは致し方ないのでそこの緩衝材に私達と考えが近い外部の人間であるスミスがなっているのも巧いです。
要するに恋愛の形にしろ、風習や考え方にしろ文化や時代で異なっていても良い悪いの問題ではなくてただ違いがあるだけということなんでしょう。絵だけでなく、このように構成は細部まで驚くほどによく練られているし森さんの愛ゆえかの気遣いがみてとれます。
三巻で気づいた方も多いでしょうが、副題を良く見るとThe Bride’s Storiesとなっています。そう、これはアミル達を中心としつつも様々な乙嫁たちの話になるのだろう。
最後に…パリヤさんが結婚できるのを祈っています。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-25 22:59:30] [修正:2011-08-13 23:53:57]
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