「boo」さんのページ
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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

8点 花に染む
「駅から5分」の登場人物、生徒会長こと圓城陽大を花乃の視点から描く駅から5分のスピンオフ作品。
駅5はオムニバス形式の作品ながらも陽大が明らかに一際違う存在感を放っていることが気になっていた読者も多いでしょう。駅5で雛が言っていた「彼は史上最悪の良い子ですから」の意味や陽大の雛に対する微妙な関係性、神社で倒れた男性の「決まった人がいると思ったんだだけどな」という雛に対する台詞など色んな伏線の意味、陽大と雛の過去が花に染むでは語られていきます。
相も変わらずくらもち先生の進化は止まりません。元々行間を読ませて心情の機微を表現するのが得意な方ですが、こんなにミステリアスなおもしろさのある作品を書けるとは。陽大の真意、雛の思惑はどこにあるのか。何気ないような台詞、表情まで見逃せず、とことん考えないと分からない。タイプは全く違いますが、BLAME!と並んで知的好奇心をびんびんに煽ってくる作品です。
恐らく最初読んだ時は陽大と誰がくっつくのか気になるかと思います。しかし読み込んでいくと花に染むの真のおもしろさはそこにはないことを気づくはず。別にくっつかなくてもいいし。
絵も駅5から少し変化しました。弓道の場面は必見。弓をひく時のそこだけ切り取られたかのような静謐さ、そして矢が空気を切り裂いて勢いよく的に突き刺さる。見入ってしまうほど美しい。
この人ほど作品ごと、時代ごとに作風が異なる人を私は松本大洋くらいしか知りません。それほど完成という言葉から遠く、常に実験的な姿勢を維持し続けている人です。だからこそこれだけ長い間評価され続け、最先端に立ち続けているのでしょう。
これ単体でも十分読めますが、駅から5分と併せて読むと120%楽しめます。ローラはもちろん、ちょこちょこ駅5のキャラが登場しますし、また視点が違って興味深いです。雛なんてもう別人ですよ。
作中で説明されるのではなく、自分で作品から読み取って考えるからこそピースがはまっていくこの感じ、中毒性のあるおもしろさがあります。スピンオフの上にその独特の作風から敷居は高いかもしれませんが読まないでいるのはもったいないです。ぜひぜひどうぞ。
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[投稿:2011-08-18 00:34:43] [修正:2011-08-18 01:43:17]
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