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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

3点 OZ
少女漫画では珍しい本格っぽいSF。
樹なつみのキャラクターはショタっぽいなぁ、とは多分大概の人が思うこと。今作の主人公の片割れなんて22歳なのにこんな幼くしちゃってるんだからもはや狙ってんのか癖なのかよく分からない。
OZとはそんなショタっぽい凄腕軍人含むドロシー改め天才科学者少女フィリシア一行が、戦争で荒廃した世界を舞台に、天国のような場所だという科学都市“OZ”を目指すお話。要はオズの魔法使いをモチーフにしたSFなのだ。
樹なつみが描いたSFというと、このOZと獣王星の二つが挙げられる。
そもそも私は樹なつみのSFが好きではなくて、というのも結局OZにしろ獣王星にしろこの人は科学を否定することしかしないから。行き過ぎた科学を、人間に扱えないものと否定して、樹なつみは原始へと回帰することを、もしくは停滞することを選択する。
でもそこで思考を止めてしまったらSFを描く意味はあるのかな?と私などは思ってしまうわけで。
別にある面で科学を否定するのは構わない。そもそも1970年代以降のSF作品では未来が無条件に明るく信奉されることはなくなった。私達は未来が必ずしも明るいものではないと気付いてしまったから。
それでも私が見たいのはどんな奇妙に感じられても、やはり未来に生きる人間の姿を描き出す作品であり、その未来とは私達が生きる“今”との繋がりを感じさせてくれるものであって欲しい。ある意味では未来を予知する作品であって欲しい。何よりセンス・オブ・ワンダーをいっぱいに感じたい。
そういった点で私はOZを読んで心苦しくはあっても、その先に何かを感じることは出来ない。先を否定してしまったのだから当たり前のことではある。
そんな文句はとりあえずこれくらいにして…。
この作品のテーマで描かれるテーマは概ね二つ。
一つは管理社会への警鐘?だろうか。これに関してはその管理者をただのわがままなガキにした時点で失敗は目に見えている。アラン・ムーアの傑作「V フォー・ヴェンデッタ」やエンキ・ビラルの作品などと比べると、やはり冷戦を直で経験していない日本の漫画はこのテーマには弱いのかなと感じざるを得ない。
もう一つはアンドロイドと人間の違い。
心を求めるブリキ男とヒューマノイドを重ねるアイデアはおもしろい。いや、これは本当に巧い。
巧いとは思ったが、テーマの広さ、深さ共に「電気羊はアンドロイドの夢を見るか」の劣化コピーの印象をぬぐえない。そもそも最後に全否定してぶっ壊してしまったら元も子もない気もするわけで。
そして最後はいきなり「夏への扉」で終了。
普段しないようにしているのに、ついつい色んな作品と比べてしまったのは、この“既視感”ゆえ。
既視感があるというのは、別にテーマが被っているとかいう問題じゃない。
例えば「寄生獣」のテーマだって別に目新しいものではなかったけれど、あの作品はテーマの描き方というのがまず素晴らしく独創的で(だってミギーですよ)、かつまとめ方が職人技的にすごく上手かった。
一方OZを見てもテーマにしろ描き方にしろ既存の作品のデッドコピーか薄まったものにしか感じられなかったってことで。
結局何が気に入らなかったのかというと、SFをがっつりやりますよ、という期待感を与える要素はいっぱいあるのに中身は可もなく不可もないジュブナイルの域に留まってしまったこと。
私が肩透かしを食らって勝手に文句言ってるだけかもしれない。でもこれは明らかにそういう中身を期待させようとはしてると思うんだけどな。
SFを期待せずに、ジュブナイルとして見ると決して悪い作品ではないかと。でもそうしてみると後付け後付けで話が進行していくのは多少うっとうしく感じられるから困る。だって実は、実は、で進むんだもん…。
否定的なことばっかり書いてきたけれど、逆にSFをあまり読まない人だと気にならないかも、なんて言葉で白々しく締めてみる。
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[投稿:2011-12-06 21:57:39] [修正:2011-12-06 22:10:20]
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