「boo」さんのページ
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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

7点 うどんの女
まず表紙のインパクトがすごい笑。うどんにまみれている女。ではどんな話なのかというと、大学食堂でうどんを作る年増女と大学生の草食系男子のラブコメディーということ。
えすとえむというと以前記事を書いた働け!ケンタウロスを先に読んでいた。やってることは結局ケンタウロスと同じなのだけれども、こっちの方が私は好き。
うどんの女にしろ、ケンタウロスにしろ、設定があまりにもキワモノなので、冒頭を読んだだけでは多分全うな恋愛ものとして捉えられないでしょ。片やケンタウロスなのは当然として、うどんの女にしろ二人の出会いがすげぇおもしろいもん。でも違うんだよなぁ。
うどんの女は、毎日うどんを食べに来る草食系男子を見て、栄養を心配すると共に、はっと考える。…この子、私のこと好きなんじゃない?
草食系男子は、素うどん頼んだはずが、あまりに大量のねぎや時には頼んでない惣菜が載っていたりして、世話焼きなおばちゃんなのかと疑いつつ、はっと考える。あの人おれのこと好きなのか?
そんなこんなで二人の距離は接近していくのだけれども、こんな出会いが運命の出会いとは思えないないよねぇ。でもえすとえむがすごいのは、これもありかもって思わせてしまうところだ。
いつの間にかケンタウロスをギャグから、実際に人間社会に生きる異分子として描く漫画に変質させたように、うどんの女はコメディと純粋な恋愛話の境目を気付かれないうちに泳ぎ回る。違うのはケンタウロスが踏み越えて戻らなかったラインを、行きつ戻りつしていること。
で、私はえすとえむのそんなバランス感覚がすげぇ好みだった。頭がどうなってればこんな漫画を描けるんだろう。BL出身の作家には特異な才能をお持ちの方が多いとは最近つくづく思うけれども、えすとえむは飛び抜けてるなぁ。変な人。
ケンタウロスよりうどんの女が好き、というのはそのバランス感覚ももちろんあるし、加えてこちらが連作短編だったのも大きかった。
えすとえむがおもしろい短編が描けるのは疑いない。でもケンタウロスの一話完結ものを見た感じだと、それは多分いびつに突出した才能であって、すごい!とはなっても参りました!とはならなかった。連作短編形式で、ある程度じっくり心情を掘り下げていく方がこの人の特異な才能には向いてるのかな、と思う。
二人の変な食い違いや変態的妄想に笑わされるかと思えば、次の瞬間には心をわしづかみにされるくらいぐっときたりする。そして実際うどんはエロく見えてくる。今までにない漫画体験。
…参りました!おもしろい!
いやー、本当にこの人はどこから出てきたんだろう?色んな漫画を読んできた中で、荒木飛呂彦にしろ弐瓶勉にしろある程度源泉は見えてきたけれど、えすとえむは分からない。分からないというのはすごく新鮮ってことだ。海外マンガを読んでる感覚に近い。違う場所から生まれたような。
うん、もう私的お気に入り作家の一人ですわ。好きです。まだ二つしか読んでないけれど、他のも読んでみよう。また色の違うケンタウロスものっぽい「equus」とか気になる。
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[投稿:2011-12-14 23:12:50] [修正:2011-12-14 23:12:50]
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