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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

7点 花もて語れ
恐らく世界初の朗読漫画。やっぱり読書って良いよねぇ。
ここ数年マイナージャンルを扱ったが作品が多いのは、漫画がそれだけの多様性を内包できるようになってきたというのもあるし、何より既存のジャンルが行き詰ってきたというのもある。これ程たくさんの漫画が生み出されてきた中で、“新しい”漫画を描くのは難しい。特にサッカーや野球、三国志なんてね。
そんな中で、マイナージャンルものが人気というのはある意味自然に思える。今まであまり描かれてこなかったものが描かれる。パイオニアの苦しみはあっても、それは新しい道を切り開いているということだ。私達は一味違った漫画が読めるということだ。
ただいくら何でも「朗読」とはなぁ。さすがに無茶じゃないかとは誰もが感じると思う。声が見えないというのはまだ良い。でも朗読とは何なのか、ということがそもそもぴんと来ないわけで。多分今まで色んなマイナージャンルものを読んできた中でも一番よく分からないものだった。
しかし「花もて語れ」を読むと、そのぴんと来なかったものがぴんと来る。それだけじゃない。朗読というものが最高に魅力的に見えてくる。マイナージャンルものを読む醍醐味の一つを存分に味わえる。
最初に扱われる朗読は宮沢賢治のやまなし。「クラムボンはかぷかぷ笑うよ」、という台詞を聞けばほとんどの方が小学校の国語の授業で一度は読んだことを思い出すのではないだろうか。
このやまなしを最初の朗読に選んだのが上手い。この作品、私はすごく印象に残っているのだけれど、それは何と言っても訳が分からなかったから。初めて読んだ時も、授業の後も、どんな話やらさっぱり分からなかった。そんなやまなしがハナの朗読によって生き生きと見えてくる。物語の世界に吸い込まれる。やまなしの魅力を理解した頃には、朗読にもまた魅せられているのだ。
決して絵が上手というというわけではない。でも漫画を描くのは上手い。力強い描写、そして読む側と聞く側の心情を絡めた圧倒的な演出でガンガン読ませる。時にはほろっとしたりもする。
ジュビロ先生の元アシと聞いた時にはちょっと意外な気もしたのだけれど、よくよく考えてみて納得。マイナージャンルものにも関わらず、この王道感がすごい。主人公とその友達が競争にならないあたり確実に文科系なのだけれども、やっぱり熱血なんだよなぁ。中国春秋時代を舞台にしているキングダムのように、自身が切り開いた道が王道となるのだ!とでも言うようなパワーがある。
今の所文句なしにおもしろい。私も読書は好きだけれど、もっと深く本を楽しむことが出来るのかもしれないな、なんて「花もて語れ」を読むと思う。
ただやっぱり漠然としたジャンルなので、ステップアップを上手く描いていかないとなかなか難しいかもしれない。3巻のデビュー時点で、既にけっこうな聴衆から拍手の嵐という状態なのでなおさら。でもどこに向かうにしろ、この未知の道を切り開く蛮勇は漫画好きなら見る価値がある。
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[投稿:2012-01-22 22:27:10] [修正:2012-01-23 12:27:15]
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