「boo」さんのページ
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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

5点 路地恋花
京都のとある路地にある、若い芸術家たちが集う長屋を舞台にしたオムニバス形式の恋愛もの。
good!アフタヌーンで恋愛ものをやるってのがまず珍しいなと思うわけで。アフタ系列は基本的に読者は男性を想定しているだろうし、男向けのラブストーリーを描く作家がそもそも少ないので当然ではあるのだけれども。何故少ないのかというと、女性に比べると男は恋愛関係のどろどろが苦手、というのが恐らくあって。だってさ、多分そのどろどろこそがおもしろみなのに、それがひたする面倒くさいだもん。
決して恋愛ものが苦手なのではなくて、恋愛漫画にありがちなどろどろが苦手なんだよなぁ。そんな私だから、高浜寛の凪渡りやくらもちふさこの天然コケッコー、など恋愛ものとしては多くの少女漫画とは一線を画したものを好んできた。映画や小説だとそんなことはないし、漫画にももっとアダルトな恋愛ものが多くても良いよなぁなんて思っていたりもして。
路地恋花はgood!アフタヌーンで連載していることからも分かるように、私のようにどろどろな恋愛ものが苦手な方でも問題なく読める。というのも、基本的にこの漫画では恋する側と恋される側の2人しか登場しない。多分恋愛もののどろどろな煩雑さというのは、恋愛に付随してくる人間関係の面倒くささだ。そういう面倒くささがないだけで、こんなにさっくりと読みやすくなるのか!というのは中々新鮮な驚きだった。
この漫画が読みやすい、というのはそれだけではなくて。何というか、恋愛をした時に直面する自らの内面のどろどろとかね、そういう読み手が引きずられてダウナーな気分になりかねない感情は全く描かれない。みんな基本的に幸せに生きてるし、それなりに成功してもいる。何気にここまで悪い意味でなく、一貫してライトに恋愛を描くという発想はあんまりなかったと思う。
そういうどろどろに比重を置かない代わりに、長屋暮らしの芸術家達の技術や生活は丁寧に描かれるし、所々ユーモアを挟みつつも一ひねりした物語が綴られていく。京都のふんわりとした雰囲気は魅力的だし、絵もそつがなくて読みやすい。
めちゃくちゃ良い!と絶賛するつもりはないのだけれど、それは別に作者自身も望んでないんじゃないかな。心を強く揺さぶることは決してないけれど、マイナスの感情を抱かせることも決してなくて、ひたすらに軽くて軽くて少しだけ温かい読み心地。そういう漫画を麻生みことは描きたいのだろうし、その試みは確実に成功している。そしてそんな漫画は実は決して多くはないのだ。
良い意味で時間をつぶしたいと思った時や疲れている時におすすめしたい漫画。プラスにもマイナスにも心を揺さぶられたくない時ってけっこうあるもんだし、需要は少なくないと思う。ただし、そのライトさと引き換えに一度読めば満足しちゃう感じはあるのだけれど…そういう漫画です。
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[投稿:2012-04-01 01:01:31] [修正:2012-04-01 01:01:31]
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