「Seal」さんのページ

総レビュー数: 207レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年12月17日

10点 蒼天航路

三国志を題材にした作品には珍しく、盲目的に三国志演技を
なぞる事をせず、さらに曹操目線という意欲作。
中盤、一見迷走気味の話もじっくり読むと作者の意図が伝わってくる。
読めば読むほど味の出る漫画だと思う。

よく原作者が死ぬ時点までの漫画だという評価を耳にするがそれは違うと思う。
原作の有無にかかわらず、最初から最後まで王欣太の色が出ていた漫画だろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-17 15:22:55] [修正:2008-10-20 18:48:26] [このレビューのURL]

自分の中では久々のヒット。
プロット、構成共にほぼパーフェクト。
10巻全88話で物語を完結させることが初めから計算されていたように見えた。
そう思わされるほどに無駄なエピソードが無く、全ての会話や回想に意味があった。

物語の軸になっているのは二人のクライマーの絆。
そこにヒロインが絡んでの恋愛要素も加わるのだけど、自分としてはザイルパートナーの絆、男同士の友情の方に読み応えを感じた。
ヒロインの心情には正直共感し難かったが、女性が描く女性像だし女ってああいうものなんだと思う。

作画も、登攀中の目も眩むような高度感や山の怖さ、美しさを丁寧に表現してあったと思う。
皆が皆酸素ボンベ無しで8000m峰に挑む超人揃いなのはどうかと思うが、実際無酸素登山じゃないと山を征服した事にならないって考えの登山家は多いと聞く。
山好きな自分としてはずっと手元に置いておきたい漫画だ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-12 17:26:35] [修正:2008-10-12 17:26:35] [このレビューのURL]

10点 RED

西部開拓時代のアメリカを舞台とした復讐劇。
復讐劇に不可欠なのは、ベルセルクやダイモンズしかり「主人公が受けた絶望と怒りの深さ」と「敵役の存在感」でしょう。
その点でこの作品は、部族が皆殺しにあった主人公の絶望と怒りは凄まじく、また敵のブルーはその狂気とカリスマ性で圧倒的な存在感を放っており復讐劇としては完璧だろう。

主人公の復讐の旅を彩るキャラクター達にもそれぞれの物語があり、それぞれの因縁や贖罪を抱えている。
主人公を含めた全てのキャラの物語が集約して完結する最後の闘いはまさに怒涛の展開だった。
読んでいて完全に引き込まれていた。
友情や平穏を捨て復讐に生きた主人公に救いはあったのだろうか?
読者としてはラストで救われた気がした。あれは何回読んでも涙の出る。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-09-18 17:18:10] [修正:2008-09-18 17:18:10] [このレビューのURL]

自分が漫画を批評する上で大事にしている基準の一つは、「何度読み返しても楽しめるか?」である。
この作品は購入してから何年経ってもたまに本棚から取り出して楽しむことができる。読むたびに新しい感想が湧いて来る。
自分が歳をとって経験したことや、出会った人たちとの思い出が読後感に反映されるのかもしれない。
正直絵はあまり好みでは無いし、時にはくどい演出もあるが魂を揺るがす作品ということで10点を献上する。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-06-19 19:39:28] [修正:2008-06-19 19:39:28] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

最も有名なボクシング漫画で、世代を超えた名作。
ボクシング漫画としてはとてもリアリティがあるとは言えないし、ストーリーもいたってシンプル。一言で言えば主人公の成長物だ。
しかし孤高を貫く主人公のかっこ良さや、力石やホセに代表される魅力的なライバル達が作品を彩り、決して一言では片付けれない重厚さを加えている。
また、人物の表情が一つ一つのコマで生きていると思う。例えば紀ちゃんのジョーに対する想いや、中盤での主人公の葛藤など何気ないコマ一つ取っても人物の感情が細かく表現されている。
有名なラストシーンは梶原ではなく作画のちばによるものらしい。ジョーは結局何も得られず、誰とも結ばれず真っ白に燃え尽きた。最後まで自分を貫き通したのだ。このラストによってこそこの作品は語り継がれる名作になった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-06-09 19:56:41] [修正:2008-06-09 19:56:41] [このレビューのURL]

私のこの作者のセンスがすごく好きだからめちゃめちゃ面白かった。
作中には色んな漫画や映画や小説の子ネタが散りばめられて
いるんだが、そういうのがわかると面白さが倍増するだろう。
ハマる人はハマるけど全然面白さがわからないという人もいる
かもしれない。
馬鹿馬鹿しくてくだらないって見方もできるんだけど、だからこそ等身大の若者の雰囲気が出せていると思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-17 15:59:34] [修正:2007-12-17 15:59:34] [このレビューのURL]

この漫画を初めて読んだのは10年前、自分も主人公の五代君と同じ浪人生だった。
そのせいもあって非常に感情移入できた。
アパートの個性的な住人達や恋敵との係わり合いの中で響子さんと五代君が
ゆっくりと愛を育んでいく様に引き込まれる。
笑い、涙、感動、全ての要素がバランス良く混在するラブコメの傑作だろう。
今読むと多少の中だるみ感は否めないが、自分にとっては思い出の作品なので文句なく10点。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-12-17 14:43:12] [修正:2007-12-17 14:44:04] [このレビューのURL]

銃夢(無印)を読んでいないと導入部は入りにくいと思う。
自分は銃夢を読んでから比較的間を空けずにこの作品を読み始めたのですんなり入れた。
前作同様非常に質の高いSF漫画だが、本作ではさらにスケールアップしている。
前作で謎のままだった、ガリィの生い立ちや世界の成り立ちが徐々にその全貌を現してくる辺りも
前作からのファンにはたまらないところだろう。
カエルラを始め、魅力的なキャラクターも次々に登場し飽きさせない。
自分はノヴァ教授のマッドサイエンティストっぷりが好きだったりする。
今後、ストーリーがどのように収束していくのかが楽しみでならない。


前作も含めこの作品は「人間とは何か?」のような哲学的なテーマに貫かれていると思う。
脳だけが生身のアンドロイドは人間なのか?脳をチップに置き換えている人間はロボットなのか?
自分はノヴァのこのセリフが好きだ。

「生の始まりは化学反応にすぎず
魂は存在せず
精神は神経細胞の火花にすぎず
人間の存在はただの記憶情報の影にすぎず
神のいない無慈悲な世界でたった一人生きねばならぬとしても…なお…

なお我は意志の名の元に命ずる
「生きよ」と!!」

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-03-23 19:50:52] [修正:2009-03-23 19:50:52] [このレビューのURL]

SF漫画の傑作。
実際の世界と比べると技術的な進歩が早すぎる感じはするが、基礎となっている科学技術や政治的、軍事的な背景等はなかなかリアリティーがあると思う。
ストーリー構成、画力も秀逸でそれらに説得力を持たせている。
実際に、中国が有人宇宙飛行を成功させ宇宙開発分野で台頭してきた時はこの漫画に描かれているアメリカVS中国の構図を思い起こした。
序盤から中盤の見所は立場が違っても心の奥では繋がっている男の熱い友情と人類のフロンティアスピリット。
現在のムーンチャイルド編では憧れの対象が月から地球へと反転している。母なる地球をどう描いてくれるのか今後にも期待している。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-17 15:31:57] [修正:2009-01-31 14:50:02] [このレビューのURL]

この漫画の主人公とは歳も近いので親近感が湧きました。
子供の頃は常に弟の前に立っていた兄。でもいつの間にか追い抜かれ弟は幼い頃の夢をかなえ宇宙飛行士に、兄は30を過ぎて会社をクビになる。
だが、自分を見つめなおした兄は再び弟の前に立つために宇宙飛行士を目指す。・・・というあらすじ。
今のところ物語の基幹は宇宙飛行士の選抜過程。面接での「仕掛け」や主人公のとぼけた回答が抜群に面白い。
飛行士を目指す仲間やライバル達も個性的で今後の主人公との絡みに期待が持てる。

弟を嫌な奴に描いていないところが良い。
弟はアメリカでも人気のある飛行士で今の兄とは雲泥の差だが、いつまでも子供の頃のままの感じで兄に接しているようだ。
弟は兄を信じ必ず飛行士になってくれると思っているし、兄もそんな弟の期待に応えようと努力している。
そんな美しい兄弟愛が一番の見所だと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-11-10 17:53:33] [修正:2008-11-10 17:53:33] [このレビューのURL]

<<前の10件
123456789