「Mサトゥー」さんのページ

総レビュー数: 66レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年02月13日

通読した感想です。

ご近所で神童と呼ばれる天才少年・勝改蔵。
数年後、高校生となった彼はある事故によって、電波な変態へと成長していた・・・!

1〜4巻くらいまではただの微妙な下ネタマンガです。
それ以降は時事ネタを絡めたブラックなギャグに路線変更し、見事に打ち切りの危機を回避しました。

時事ネタはすでに劣化どころか風化してしまっていますが、日本人のメンタリティーを鋭くえぐるネタ(言い過ぎ…?)は今読んでも十分面白いです。
初期はまともだったキャラ達が回を重ねるごとにぶっ壊れていき、主人公が霞むほど濃いキャラに成長します。最後のほうは最初突っ込み役だったヒロイン(?)による猟奇オチの割合がすごく高くなっています。
賛否両論な最終回ですが、個人的にはスッキリ終ったと思います。部長の台詞がカッコイイです。

この作品は初期と後期で絵柄が恐ろしく変わります。極度に簡素化された後期の絵柄は一見適当に見えて、見慣れてくると巧く感じるから不思議です。

個人的に4巻までが微妙なのでマイナス1。凄く人を選ぶマンガですが、はまれば大ヒットです。

追記:愛蔵版も買いましたが、いまいちな出来です。カラーの描き下ろしイラストが追加されたのは嬉しいのですが、コミック版にあったあるシカケが再現されていなかったりして作りが荒いです(作品内容自体は全く同じです)。シンプルな表紙デザインも概ね好評のようですが、個人的にはカオスなネタの雰囲気を増幅させていたウソあらすじや書き込まれた表紙が好きだったので残念です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-02-13 20:22:26] [修正:2011-09-10 06:49:32] [このレビューのURL]

文庫版通読。

”乱世の奸雄”と呼ばれ、後の歴史家に”破格の人”と評された男・曹操孟徳。

味方の官軍ごと反乱軍を焼き払い、隣国に侵攻すれば兵も民も鏖殺。
市にて豚をさばき、箸で皿をたたいて音曲を奏でる。
生涯武人として強さを求める。
詩歌を楽しみ、自らも詩人として名を残す。
”唯才”を唱えて、儒という既存の価値観から人の才を解き放つ。

曹操というキャラクターに英雄という言葉は当てはまりません。自分の激情を思う様振るう生き方はあまりに奔放だからです。
曹操は暴君ではありません。曹操の苛烈な政にはいつも理があるからです。
やはり曹操は”奸雄”であり”破格の人”なのです。

この大きな存在感を持つ人物を中心に据えて描く三国志です。



面白い!
これまでの「義理堅くてイイ人」なだけの劉備玄徳が主人公の三国志がいまいち好きになれなかった人に読んで欲しい作品です。(自分も、横山光輝の劉備はあまり好きになれませんでした。)
とにかく登場人が魅力的です。もちろん劉備もただのイイ人ではありません。
力強く、高密度に書き込まれた絵で描写される戦の場面もかなり見応えがあり、格好いいです。

自分はあまり三国志に詳しくないのですが、ストーリー展開はかなり正史に近いそうです。
ただ、正史に忠実なのはあくまでストーリー展開だけであり、真面目な歴史漫画を期待すると拍子抜けするかもしれません。
人外の者がちらほら居たり、武将の一撃で一団の兵士がまとめて吹き飛んだり、いい意味で漫画らしい描写が結構あります。

また、良くも悪くも曹操劇場な作品ですので、曹操のキャラクターがダメな人は徹底的にだめだと思います。
曹操の言動が芝居がかっていることもあってか、曹操だけが筋書きを知っている劇を見ている感じです。

人を選ぶ作品ではありますが、ハマれば大ヒットな作品です。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-26 04:33:01] [修正:2011-06-26 04:33:01] [このレビューのURL]

通読した感想です。

宇宙が今よりもほんの少し身近になった時代、主人公・ハチマキは宇宙空間で危険な人工物(デブリ)を回収するデブリ屋として働いていた。自分の宇宙船を手に入れるという分不相応な夢を抱きながら・・・!

脇役達がとにかく魅力的。
特に木星往還船の設計者・ロックスミスの存在感は出番が少ないわりにかなりのものです。
そして主人公が働くデブリ回収船の船長・フィー姐さん・・・もう色々カッコイイです。主人公の話と同じくらいフィーのエピソードの印象が強いです。炎を見つめる「おいちゃん」とバイクで疾走するフィーの血走った目は忘れられません。

画力も非常に高く、表紙よりも中身のほうが巧く感じるほどです。一切手抜きがなく、宇宙船などのメカもキッチリ描いてます。

この作品で作者が本当に言いたかったことは、ハチマキの演説ではなく、ラストでロックスミスがボソッと言った台詞なんじゃないかと個人的には思ってます。

とても4巻とは思えない密度の名作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-30 23:24:40] [修正:2010-11-08 10:21:12] [このレビューのURL]

ジャケ買い。通読した感想です。

2足歩行の恐竜(英語を話し、葉巻を嗜む)と酒豪(美女、元諜報員)のコンビが「明日」を救うことを目的とする組織の一員として闘う漫画。

見所満載な作品です。
洒落た会話と、まさに絵になるアクションシーン。黒を多用し、エッジの効いた影絵のような絵柄で描かれる主人公の活躍は本当にカッコイイの一言に尽きます。
そして矢鱈と色っぽいヒロイン。もうホントに色っぽい。なんていうか、質感がエロいです。この絵柄でこういう表現が出来るのはスゴイと思います。

登場人物も豪華で、19世紀に活躍した歴史上の人物が登場。大胆なキャラ設定が楽しいです。ただ、エジソンとシュリーマンを尊敬する人は読まないことをお勧めします。二人ともいい感じに壊れたキャラに仕上がってますので。

また、スチームパンクな小道具も魅力的の1つです。個人的には7巻に登場したエジソンの「99%の努力」の装備がツボでした。フォード隊長と、その刀が素敵過ぎます。

恐竜が絶滅せずに進化を続けているという設定や、クサい台詞、個性的過ぎる絵など、あわない人には徹底的にあわないであろう作品ですが、個人的に大ヒットでした。スパイ小説と史実と妄想がゴッチャになったような世界観がすごく心地よかったです。

完結してしまったのがとても残念な作品。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-02-19 23:15:32] [修正:2010-07-29 23:56:24] [このレビューのURL]

8点 ×天

通読した感想です。

主人公は吉原一の付け馬(取り立て屋)・椿清十郎。
持ち金を超えて遊んだ客の屋敷まで賑やかに付きまとい、代金を取り立てるのが付け馬の仕事である。いつものように取り立てに行った椿だったが、伊勢崎と名乗る客の侍が突如抜刀し切りかかってきて・・・

面白い!
まず主人公がイイ。女装のオカマなのにすごくカッコイイです。
そして、真面目しか取り柄のなかった伊勢崎が清十郎と出会い、自由の意味を知っていく過程が素晴らしく良かったです。終盤での仕官を賭けた試合はホントに痺れました。

絵も上手です。表紙絵と変わらない絢爛な絵柄で描かれる吉原と剣戟シーン。その中に適度なギャグとグッと来る台詞がちりばめられています。

ただ全二巻と短く、後半が詰め込みすぎな印象は拭えません。
主人公が吉原に来るまでをじっくり描いて、もっと主人公を掘り下げることが出来たらより良作になっていたと思います。


色々書きましたが、それを含めてこの点数です。2巻で完結してしまったのが残念な作品です。作者の次回作に期待です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-06-15 23:09:28] [修正:2010-07-18 15:00:59] [このレビューのURL]

8点 茄子

新装版を通読した感想です。

一応「茄子」をテーマにした作品集。

計算され尽くした「テキトーな雰囲気」が物凄く心地いいです。
SF風味な作品から日常を切り取ったような作品まで盛り沢山な2冊ですが、自分は田舎に引っ込んで農家を始めた”先生”のシリーズが好きでした。先生と自称宝探しの男の会話が印象深いです。
全体的に乾いた淡々とした雰囲気の作品集です。しかし決して薄味な訳ではなく、非常に読み応えのある作品になっています。

・・・書いてて思ったんですが、この人の作品の魅力をいくら文章で説明しようとしても無駄な努力ですね。

何年かしたらまた読み直してみたい作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-05-25 19:33:36] [修正:2009-05-25 19:33:36] [このレビューのURL]

8点 HELLSING

通読した感想です。

英国を脅かす怪物に対処するため組織された英国国教騎士団「HELLSING」が、多発する吸血鬼事件の謎を追う・・・

主人公・アーカードが圧倒的に強いです。強すぎて登場人物というより、世界観というか、舞台設定になってしまっています。
本当の主人公は、アーカードを必死に倒そうとする敵や、HELLSINGの面々ではないかと思います。

描写は流血シーンが多く非常に汚いですが、読めば読むほど目が離せなくなる不思議な魅力のある絵柄です。初期から後半にかけて段々画力が上がり、最後は無二の画風を確立しています。

表紙裏のおまけ等、読者を楽しませると同時に作者自身が楽しんで描いてます。個人的には「例のものは!×3」が再現度高すぎで笑わせてもらいました。絶対どっかにあんなキャラ出てました。

今更言うまでもなく、名台詞多数。ラストも綺麗にまとまっています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-13 23:19:24] [修正:2009-04-13 23:19:24] [このレビューのURL]

「ブラム!」の弐瓶勉の作品集。

弐瓶センセイさすがです。
帯の「弐瓶先生いったいどうしちゃったの」という本田透氏のコメントの通りはじけちゃってます。

表題作の「ブラム学園!」は「ブラム!」を自身がパロディーした学園モノ(笑)です。しかも、あの弐瓶先生がハヤリの萌え絵に手を出されている!
・・・もうココまでやられると原作のイメージがどうとかいう無粋な感想は出てきません。素直に萌え絵でベタベタな学園コメディーを楽しむしかありません。シボとかもはや原型とどめてません。

他にも「ブラム!」の後の時代を描いた作品や、商業誌未掲載作品も収録されておりファンには嬉しいばかりです。

コメディーから本格SFまで大満足な1冊です。先生の引き出しの多さには本当に驚かされます。
そのうえ全編フルカラー印刷なんていう事なしです。

萌え絵から本格SFな絵まで描ききる先生のウデに脱帽。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-12 01:48:39] [修正:2009-04-12 01:48:39] [このレビューのURL]

通読した感想です。

洋上の小国「皇国」に突如強大な帝国軍が上陸する。
皇国軍は北の原野で決戦を挑むが敗北。
再起かけて敗走する友軍を救うため、新城直衛は剣牙虎部隊(サーベルタイガース)を率いて絶望的な遅滞戦にのぞむ・・・。

とにかく面白いです。
上の粗筋だと、まるで新城が英雄のようですが、新城は「英雄」ではありません。戦闘の前には震えが止まらず、非情な作戦を実行した後は苦悩する・・・そういう男です。
その新城が圧倒的な帝国軍と戦うわけです。皇国の命運を背負って、血に狂いながら。


ペンでガシガシかいたような力強い絵柄で描かれる登場人物たちは敵味方を問わず印象的で、忘れがたい存在感があります。
そして、その絵柄で描写される戦場は本当に素晴らしいの一言に尽きます。

剣牙虎や天龍、導術などのファンタジーな要素も違和感なく作品の中に取り込んでいます。

全5巻と短く、その後が気になる終り方ではありましたが、一応巧くまとまっていて一つの作品として完結しています。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-04-08 23:58:30] [修正:2009-04-08 23:58:30] [このレビューのURL]

8点 BIOMEGA

通読した感想です。

未知のウイルスN5Sによる、ドローン禍と呼ばれるバイオハザードで壊滅寸前の人工島9JOに、東亜重工製合成人間・庚造一(かのえ ぞういち)が単騎潜入する。
与えられた任務はウイルスに適応した適合者を探し出すこと…。
ドローン禍により、生きる屍と化した人間で溢れた洋上の孤島から造一の戦いが始まる。

「BLAME!」の弐瓶勉が描くSFアクション。

カッコイイ戦闘シーン
ツボを押さえた小道具
壮大でぶっ飛んだストーリー
とにかく、SF好きなら手にとって損はない作品。

BLAME!より主人公達がよく喋るのでストーリーが追いやすくなってます。
その分あれこれ想像する余地は減りましたが、これもアリだと思います。
弐瓶作品に初めて触れるならお勧めな作品です。

ストーリーが追いやすいのですっかり騙されてましたが、後半の展開はBLAME!より壮大です。
壮大過ぎてもはやファンタジーです。もちろんイイ意味で。

終わり方も綺麗にまとまっていて、とても良いと思います。
もう1巻分くらい読みたいけれども、もう1巻あったら絶対蛇足・・・そんな絶妙な長さでまとまった良作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-03-04 23:12:10] [修正:2009-03-04 23:12:10] [このレビューのURL]

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