「景清」さんのページ

総レビュー数: 62レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年10月17日

[ネタバレあり]

 元々相原コージは「勝手にシロクマ」などの優れた動物ギャグ漫画を世に出しており、本作もその系譜に属する最新作であると思う。
 しかしその内容たるや凄絶の一言。「史上最強の動物は誰だ?」の副題の示すように、描線はストレートかつギャグテイストで話のコンセプト自体は非常に馬鹿馬鹿しいものの、繰り広げられる物言う異”種”動物達のバーリトゥードゥは文字通り血で血を洗う凄まじさ。当然リアリティはないが。
 第一回戦で人間界最強の格闘王(一応主人公…なのか?)をカバが一瞬で喰い殺したのを皮切りに、アナコンダ対ヒクイドリ、ライオン対サイ、シマウマ対ワニ……と、滅多にお目にかかれぬありえない展開の連続砲火。人語を操る動物たちがコミカルに描かれている分、そのバトルの凄惨さとのギャップが物凄く、ある意味ギャグ的でさえもある。

 とりあえず2巻に収録された、絶対無敵の捕食者であるワニに対して「食物連鎖に階級闘争を挑んだ」革命家シマウマ(命名:チェ・ゼブラ!)の狂気と妄執に彩られた死闘の迫力はそのショッキングな結末も含めて凡百のバトル漫画(格闘マンガではないよ?)を上回っていると思うので、気になる方はそこだけでも読んでみては?

 作品ペースが遅いので、バキの最大トーナメントみたいにきちんと描ききられるかどうか非常に不安な今日この頃です。

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[投稿:2006-04-08 13:39:19] [修正:2006-04-08 13:39:19] [このレビューのURL]