「景清」さんのページ
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6点 あずまんが大王
この漫画はそれなりに萌えもしたが、そんなに好きという訳でもない。この何ともまったりとした中庸な雰囲気の作風がどうにも最後まで合わなかったからなのだが、それでもこの漫画のキャラ造形の上手さには素直に凄いと思える部分が多々あった。
語られつくした感のある美少女達のことではなく、変態国語教師にして我等の憧れ、古典の木村先生(愛称キムリン)の事である。
この漫画の舞台は共学高だが、男子生徒の存在が物語のメインに絡む事は基本的に無く、まさしく作中において男子は空気であった。これは、下手に男子を物語に絡ませると予期せぬラブコメ展開など下世話な方向に話の流れが歪曲し、この理想郷のようなまったり女の子空間の心地よさが壊れてしまう事を防ぐための配慮であり、それゆえにこの漫画が後に花咲く百合ブームの萌芽であったと言われる所以でもある。(この漫画自体は百合成分は一部のキャラを除き希薄) 長身痩躯、怪しく光る白眼鏡、男性古典教師の木村先生はそんな空間にぽっつりと出現する特異点であり、この漫画の文字通りキーマンであった。彼抜きのあずまんがなど自分には考えられないくらいに。
木村先生はまず自分の欲望を隠す事無く「女子高生とか好きだからー」と絶叫し、主役陣の女の子グループに堂々とストーキングを仕掛ける変態だが、作品を破綻させるような暴挙をお犯さぬ程度に分はわきまえており、基本的にはメインのおんなのこたちの楽しそうな毎日を横から眺めるスタンスに留まる。一見行き当たりばったりで変態的な行為にも(実際変態だが)きちんと筋は通しておりある意味漢らしい。何より古典教師としてある程度の学識、地位を備え、自分を慕ってくれる天使のような美しい嫁さんと利発そうな娘さんまでいる始末。女の子達への愛情溢れるストーキングぶりもそんな余裕の現れなのだろう。
このキャラ造形、何かを彷彿とさせはしまいか。この漫画を微笑ましそうに眺める文系男性オタク諸氏の(やや自虐もこめた)理想像の一つではないか?そういう観点から木村先生を眺めていると、この漫画への感情移入が(木村アイを通じて)何倍にも高まって行ったのだ…。まさしくあずマジックと言った所である。
とにもかくにも木村先生がいない事にはこの漫画、読む気もしなかった。これは紛れも無い事実である。
ナイスレビュー: 3 票
[投稿:2006-11-13 23:04:26] [修正:2006-11-13 23:04:26] [このレビューのURL]
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