「景清」さんのページ

総レビュー数: 62レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年10月17日

漫画の世界では、古くから(美)少年同士の同性愛的関係を描いた作品が、主として女性ファンによる二次創作作品などで多く発表され、それらは隠語的に「やおい」と呼ばれてきた。(近年ではボーイズラブということも多いけど)

腐女子の皆様方の活躍もあって現在ではかなり一般への認知度も高まってきたやおい文化だが、この言葉の語源は、一説では

ヤマ無し(山場無し)
オチ無し
意味無し

というニュアンスから来ているのだという。美少年同士の絡みを描くことを最優先し、物語的な必然性とか意味とか、そういう要素は二の次である事への自嘲であろう。


さて、この「ペンギン娘」だが、本作はそういう言葉の真の意味において紛れもないやおい作品である。
なんか「ペンギン」とか「択捉」とか「イルカ」とか言う名前の美少女達がセクハラしあう”だけ”の内容であり、山場は少なく、落ちにも欠け、無論のこと意味など求めようとすること自体無意味である。
それでもギャグが面白かったりすればまだいいが、本作に関しては、それすら。清々しいほどに何も残らなかった。

ついに我々は、美少年同士でなく美少女同士でもやおいを成立させられる領域に来てしまったのだ……!

いや、それで充分だろ、他に何かいるの?という境地で読めば、まぁ楽しめなくもないかも知れない。無意味であっても無価値ではなかろうが、今の自分にはまだ無理な話だである。色々な意味で修行が足らないというかまだ青いというか。

同じチャンピオンの海洋生物娘漫画である「侵略!イカ娘」はあれほど気に入ったのに、この違いは一体?

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-01-11 23:19:39] [修正:2010-01-12 00:43:20] [このレビューのURL]