「クランベリー」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月12日

想いが届くまでは最高の少女漫画の1つかもしれない。
どこまでも正統派の少女漫画なんだけど、これだけ良質だと男性にも受け入れられるんだな。

風早くんのキャラをファンタジーだって言う人は多いけど、そんなこと言ったら爽子ちゃんのピュアさだってファンタジーだと思う。
リアルさを追求する漫画じゃないと思っているから、私はその辺は違和感なく受け入れられた。
爽子ちゃん大好き! もしかしたら今まで読んだ漫画のヒロインの中で一番好きかもしれない。
見ていてこれだけ応援したくなる娘もなかなかいないよ。

こういう漫画だと、ヒロインの爽子ちゃんが憧れの風早くんに少しずつ少しずつ想いを届かせ、風早くんの中で爽子ちゃんの存在がだんだん大きくなってきて…、なんていう展開が定番だけど、この漫画は違うのね。
途中からはどちらかと言うと風早くんが鈍い爽子ちゃんに想いを届かせようとする展開になってきて、少女漫画としてはなんだか新鮮だった。

読んでてこっぱずかしくなっちゃうぐらい初々しくて、心地良い漫画。
いつまでもこの世界に浸っていたいぐらいだけど、もうお話が下り坂になっているのは誰もが感じているところだと思うので、想いが届くまでの素敵なお話が無駄になってしまわないうちにきれいに終わってほしい気もする。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-04-02 20:51:55] [修正:2011-04-02 20:53:51] [このレビューのURL]

もう泣くわ泣くわ。

明らかに泣かせようとする魂胆が見え見えなんだけど、実際にそれで泣けてしまうからすごい。
私もまだこんな良い涙流せるんだ、って嬉しくなったw

空気がすごく素敵だな。
全4+1巻と短いけど、これだけ泣いてほっこりできるだけでも、この漫画には価値があると思った。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-09-24 19:56:12] [修正:2010-09-24 19:56:12] [このレビューのURL]

夜中に読んでたらなかなか怖かった。
ホラー系の話は別に苦手じゃない私を怖がらせるなんてなかなかやるじゃない。

原作がケータイ小説だったなんて初めて知りました。なるほど、道理で……。
なんてこと言っちゃいけないかもしれないけど、お化けの設定はリングと呪怨を足したような、いわゆる「どこかで聞いたことあるような」お話。
しかも呪いの設定がとても細かくて、まるでスポーツとかゲームのルールのような感じ。
本当にあのお化けの子がこんな細かいこと考えたのかな。

そんな風に冷静に考えていくと萎えてしまうんだけど、作画担当さんは絵も上手だし見せ方も巧いし、全体の雰囲気が良い(ホラー的に…?)のもあって、ホラーとして良い味出してます。
この作画担当さんはこのサイトの他作品のレビューとか見る限りでは、残念ながら少年誌で芽が出なかった方みたいですね。
実力のある方がこうやって環境を変えてその実力を発揮できるのは素敵なことだと思います。

残念なのは、話がちょっと長いこと。
このレビュー時点でも優に10巻を超えてまだまだ続きそうだけど、ホラーって出落ちみたいなとこがあるから、これだけ長く読んでると慣れちゃいますよね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-03-26 21:56:52] [修正:2017-03-26 21:56:52] [このレビューのURL]

東村アキコ版「まんが道」。のはずだけど全然違う。
先生、先生、とにかく先生。
作者の半生を描いたというよりは、「先生と私」をこれでもかっていうくらい濃密に描いた作品。

先生の猛烈に破天荒な人柄と、作者の「当時のバカな私」っぷりがとっても楽しく、一方で、ところどころで出てくる「現在の私」から先生へのメッセージが後悔や自責の念に溢れたほろ苦い味わいがあって、途中までは本当に面白かった。

ただ世間での評価は割と賛否両論で、手放しで絶賛する人が多数を占める中、「あんなにお世話になった先生をあっさり見捨てるなんてクズすぎる」みたいな意見も一定数あるようで。
確かに最終巻を読んでいてちょっと醒めた部分はありました。
だって先生に対する懺悔や後悔というよりは、自分自身への言い訳にしか感じられなかったから。
「なんであの時○○しなかったんだろう…」ではなく、「あの時○○しなかったのは××だったからしょうがない」っていう。全編そんな感じ。

でも冷静になって考えてみると、「あんなにお世話になった先生」も、「それをあっさり見捨てるクズな私」も、作者の目を通して描かれた世界観の中の登場人物なんですよね。
細かいところをいろいろとぼやかして、作者自身の好感度を上げつつお話を終わらせることも十分可能だっただろうに、敢えてそれをしないで作者のありのままを先生にぶつけたお話。
美談にはせず、尊敬とか悔恨とか思慕とか葛藤とか郷愁とか慙愧とか、作者のいろいろな気持ちをごちゃ混ぜにして出来上がった文字どおり作者の自伝的なお話。
これを読んで作者のことを悪く思う人はいても、先生のことを悪く思う人はいない。
そう考えたら、私はこのお話がとても好きになりました。

「先生と私」を読者に向けて面白おかしく描いた1巻から4巻。
「私の気持ち」を先生に向けて誠実に描いた最終巻。
思えば最終巻が読みづらかったのも当然なのかもしれないですね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-05-14 22:50:22] [修正:2016-05-14 22:50:22] [このレビューのURL]

一時期いろんなところで猛プッシュされていた作品。
うーんでも直感的なレビューでごめんなさいですけど、あんまり面白くないよこれ。

とにかく世界観に浸る作品かな。いわゆる雰囲気漫画とかいうのに近いかも。
でもその世界観も、いろいろなファンタジー作品の表層部分だけを切り取って混ぜ合わせて、そこに女子が好きそうな要素をトッピングした感じ。
こういうの好きな人はすごく好きだと思うので、その辺が好みに合うかどうかですね。

ストーリーは適当。骸骨お化けが年端もいかない少女を買い取って育てるお話。
面白いかどうか以前に、作者の展開力というかストーリーの見せ方があまり上手ではないので、何がしたいのか、どこに向かっているのか、いま一つよくわからなかったりします。

なんか変な敵とか出てきたけど、この先大きく化けることもないと思うので、世界観が好きな人向け。
「英国の片田舎で魔法の練習したいなー」なんて思っている人にはストライクかも。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-05-20 22:22:35] [修正:2015-05-20 22:23:15] [このレビューのURL]

7点 千と万

「よつばと」のよつばちゃんが中学生になったら……的な感じの作品。
もちろんよつばちゃんとこのヒロインの詩万ちゃんとでは性格が全然違うんだけど、でも作品の全体的な雰囲気としてはやっぱり「よつばと」っぽいかな。

他の方も書いているとおり、エピソードがいちいち中学生っぽくて可愛い。
思春期真っ盛りで反抗期にも片足を踏み入れた年頃の詩万ちゃん。お父さんのすること為すことにいちいちイラッとしたりなんかして。本当に多感な時期なんですよね。コロコロと変わる表情なんかも含めてその辺りがすごく上手く描写されているなと思う。
志村貴子さんの作品みたいな特殊な思春期のお話じゃなくても、普通の子の普通の思春期の何気ないお話でも、見せ方が上手いからとっても面白い。読んでいて全く嫌な気持ちにならないのも高評価。

詩万ちゃんが可愛いな。でも一番可愛いのは那由ちゃんだったり。お父さんが25歳の時に詩万ちゃんが生まれたと仮定しても、いま詩万ちゃんは中一(13歳)なのでお父さんは38歳、その妹の那由ちゃんもやっぱり現在の私よりだいぶ年上だろな。それであの可愛さはずるい。秘訣を教えてほしい。

こういうの読んでると自分の中学生の頃とか思い出しちゃったりして本当に身につまされますよね。
お父さんお母さん、あの頃はいろいろとごめんねー。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-07-21 21:39:00] [修正:2014-07-21 21:39:00] [このレビューのURL]

これはきっと地球に似た星を舞台にして地球人の高校生に似た種族の日常を描いた物語なんだわ。
そこではきっとキスなんて挨拶どころか呼吸をするのと同じような感覚なんだわ。
恥も衒いも躊躇いも無くチュッチュチュッチュしてる彼らを見たら、なんか異文化交流って感じがしてそんなことを思っちゃう。それとも最近の高校生はみんなキスするときにドキドキしないのかしら。

女の子が可愛くて話のテンポが良くてみんな適度におバカで読みやすい作品。
少年誌掲載のラブコメとしては見事な程に及第点。
女の子のパンツがオムツみたいでも可愛いからいいもんね。

でも確かに面白いんだけど、読んでいてなんか違和感みたいなものを感じたりもする。
それは、話がどこに向かっているのか、どこを目指しているのか、何が目的なのか全くわからないこと。
例えば7人の魔女がいるのはいいんだけど、じゃあ彼女らを探し出して何をするの、っていう。
肝心のラブコメ部分もだいぶ適当だしね。だからいま一つのめり込めないかな。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-07-21 21:23:03] [修正:2014-07-21 21:28:10] [このレビューのURL]

作者のデビュー作となる短編集。2012年かなり話題になった短編集だそうですね。
全6編+おまけで、うち半分以上が冠婚葬祭な感じ。
このレビューはなるべくネタバレを避けているつもりですが、鋭い人なら何か察してしまうかもしれません。ご容赦ください。あと偉そうな文章でごめんなさい。


1編目は、結婚式を翌日に控えたとある女性と男性の平凡で平穏なエピソードを描いた表題作。
式を目前にして焦り出す女性と、どっしり悠然と構えている男性。その対比が面白くて読みやすく、「やっぱり前日だとこんな感じなのかな」なんて思いながら読み進めていくものの、話自体は実に平凡。
でも突如として話の全体像がガラッと一変し、「あれれれれ?」と慌ててもう一度頭から読み返してしまう、そんなお話。
実は初めて読んでいる時に妙な違和感をほんのりと感じていたんだけど、それが作者の仕掛けだったのね。で、その違和感の正体が判明してすぐに読み返し、巧妙な仕掛けだったことに気付く。しかも「さーて、どんでん返ししますよー」って話でもなくて、自然な感じでコロッと小気味良く引っ掛かる。
それがまた素敵。そうだよね、よく考えたら式の前日だもんね。タイトルも含めてよく出来ているなあ。
引っ掛かってなお暖かい気持ちになれる良作。

2編目は、夏の暑い昼間のとある幼い少女と父親の平凡で平穏なエピソードを描いたお話。
これもまた話自体は実に平凡。でも読みやすくて普通に読んでいるうちに、また「あれれれれ?」ってなっちゃう。
今度のお話は1編目とは違って特に違和感も無く(一応あることはあるけど)、不意打ちな感じでどんでん返しがやって来る。
斬新な視点が印象的だった1編目とは対照的にこちらは古典的な仕掛けでタイトルも微妙だけど、やっぱり暖かくて心地良くなれる。


ここまで読んで、話の構成の上手さと巧みさ、そして平凡な導入部から突如訪れる鋭いどんでん返しの存在に、この短編集はそういうものだと読者は想定してしまうかもしれない。
でもこの後の収録作は平凡な話が平凡なまま終わる、普通の平凡な短編集。
どんでん返しも盛り込まれてはいるんだけど、あまり効果的に機能しなくて。悪い話ではないのに、最初の2編で読者の中のハードルが上がってしまっているので、特に平凡に感じる。それが残念。

これ個人的には掲載順が失敗したのかなーなんて思ってしまう。
もちろん短編集なので最初の話が面白くなければその後のお話を読んでもらえない危険があるわけで、最初に面白い話を持ってくるのは当然かもしれないんだけど。
でも最初の2編を後ろの方に持ってくれば、全体的にバランス良くもっと面白く読めたかな、と。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-01-05 23:36:16] [修正:2013-01-05 23:37:45] [このレビューのURL]

最近は音楽を題材にした漫画が多い。
いろんなところで言われ尽くされているとは思うけど、漫画というのは視覚だけに頼るものであり、聴覚や嗅覚、味覚までも使うのは現時点では当然ながら不可能ですよね。
ただ、料理漫画というのは昔からあって、その表現力が視覚を通して想像力によって補われ、嗅覚や味覚を刺激してきた。
いまや料理漫画は漫画の一大ジャンルとして隆盛を誇っているぐらいだから、視覚との相性は悪くなかったんだろうな。
それに比べるとずっと難しいのが音楽漫画だと思う。
美味しそうな料理の絵を見てヨダレが出ることはあっても、綺麗な音の絵を見て心が和むなんてことはまずないから。
だから音楽漫画を描くような漫画家は、音楽が好きだから描くという以外にも、自分の漫画の表現力の可能性に挑戦しているって意味合いもあるのかもしれない。

と偉そうに書いてしまったけど、あの羅川真里茂が少年漫画を描くって知ってかなり驚いた。
違う舞台で挑戦してみたくなったのかな。
でもこれ主人公が男の子なだけどノリとかは完璧に少女漫画ですよね。
にもかかわらず人気なのは、少女漫画と少年漫画とのボーダーレス化が進んでいるからかな。
少女漫画にも少年漫画みたいなノリのやついっぱいあるぐらいだし。

この漫画、何が凄いって、三味線なんていう超ニッチなテーマなのにすごく面白い。
やっぱりお話作りの上手い人が描くと違うな。
1巻が一番面白くてちょっとずつ落ち着いてはきてるけど、この先まだまだ面白くなりそうな展開が待ち受けていそうで楽しみ。
で、やっぱりこの人の表現力は凄いよ。
演奏している絵って動きが単調だから難しいと思うんだけど、カメラワークを駆使したり、いろいろなコマや場面をはさんだりして、飽きさせないような工夫が随所にされてる。
なんか、「音が見える」ような錯覚に陥る。私が見た音楽漫画の中では一番だと思う。凄いよー。

この漫画でちょっと興味を持ったので、初代・高橋竹山(松吾郎のモデルの人?)のじょんがら節を動画サイトで見てみた。
凄い。私このレビューで凄いって何回使ったんだろ。でも本当に凄い。
当たり前だけど私の知っている狭い世界の外側にはまだまだこんな凄い人がたくさんいるんだし、そういうのを知るきっかけになるのもこういう漫画の醍醐味だと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-07-17 18:50:15] [修正:2011-07-17 18:50:15] [このレビューのURL]

ARIAはファンタジー世界という舞台だからこそ、あのゆったりした世界観も「ここはこういう世界なんだなー」って割り切って楽しむことができたんだと思ってましたが、あれをそのまま日本の高校に持ち込んでも物語が成立するのがすごい。

学校生活を舞台にしている以上、そこには確かな時間の流れがあって、その時その瞬間を楽しんでいる彼らがとても微笑ましい。
高校生の主人公が内面的に成長していく姿と併せて、変わらない世界の美しさと少しずつ変わっていく日常の楽しさとを素敵に描いた作品。
そんな時の流れにいつか終わりが来てしまう寂しさを感じてしまうのは、私がもう大人になってしまったからかな。

デフォルメ絵は確かにかわいいんだけど、最初の頃は連発しすぎてちょっと読みづらかったかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-26 22:16:51] [修正:2017-03-26 22:16:51] [このレビューのURL]

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