「クランベリー」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月12日

本から丸ごとりりこの執念が出ている感じ。怨念と言うべきか。

決してりりこみたいにはなりたくない。
でもあの強さには憧れる、かもしれない。
あんな強さ身に付けたいとはちょっぴり思う。
でもやっぱりりりこにはなりたくない。難しいな、この感覚。
りりこの美しさって、花火は燃え尽きる直前が一番美しい、っていうのと同じだと思うから。

破綻が見えていて、でもそれに無理に抗うことよりも、限られた時間を光り輝くことを選んだりりこ。
女の子の隠れた願望かな、こういうの。

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[投稿:2011-02-12 21:29:29] [修正:2011-02-12 21:29:29] [このレビューのURL]

私の大好きな作家さんの一人。
こんなに温かくて素敵なお話を描くのに、主な活躍の場がマイナー系出版社だからか、ちっともメジャーにならないのが残念で仕方ない。

まあそれは置いといて、この作品。
作者の他の作品と同様に、というより他の作品以上に温かくて素敵なお話。
疲れている時に読んだら、その優しさがとろける程に心に染みてすごく癒されます。

本当にもう、子供を描かせたらこの作者さんに勝てる人はなかなかいないんじゃないかな。
「うさぎドロップ」の前半部分が好きな人なんかだとこの作品は多分大好物なはず。

この作品は私にとって居心地が良くて落ち着ける部屋のようなものであり、そして自分の中の優しさや柔らかさが足りなくなったときにそれらを補充する大切な場所でもあり。
だからこの作品は皆さんにも読んでみてほしいな、と切に思うのです。

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[投稿:2014-07-21 21:06:20] [修正:2014-07-21 21:06:20] [このレビューのURL]

最近は音楽を題材にした漫画が多い。
いろんなところで言われ尽くされているとは思うけど、漫画というのは視覚だけに頼るものであり、聴覚や嗅覚、味覚までも使うのは現時点では当然ながら不可能ですよね。
ただ、料理漫画というのは昔からあって、その表現力が視覚を通して想像力によって補われ、嗅覚や味覚を刺激してきた。
いまや料理漫画は漫画の一大ジャンルとして隆盛を誇っているぐらいだから、視覚との相性は悪くなかったんだろうな。
それに比べるとずっと難しいのが音楽漫画だと思う。
美味しそうな料理の絵を見てヨダレが出ることはあっても、綺麗な音の絵を見て心が和むなんてことはまずないから。
だから音楽漫画を描くような漫画家は、音楽が好きだから描くという以外にも、自分の漫画の表現力の可能性に挑戦しているって意味合いもあるのかもしれない。

と偉そうに書いてしまったけど、あの羅川真里茂が少年漫画を描くって知ってかなり驚いた。
違う舞台で挑戦してみたくなったのかな。
でもこれ主人公が男の子なだけどノリとかは完璧に少女漫画ですよね。
にもかかわらず人気なのは、少女漫画と少年漫画とのボーダーレス化が進んでいるからかな。
少女漫画にも少年漫画みたいなノリのやついっぱいあるぐらいだし。

この漫画、何が凄いって、三味線なんていう超ニッチなテーマなのにすごく面白い。
やっぱりお話作りの上手い人が描くと違うな。
1巻が一番面白くてちょっとずつ落ち着いてはきてるけど、この先まだまだ面白くなりそうな展開が待ち受けていそうで楽しみ。
で、やっぱりこの人の表現力は凄いよ。
演奏している絵って動きが単調だから難しいと思うんだけど、カメラワークを駆使したり、いろいろなコマや場面をはさんだりして、飽きさせないような工夫が随所にされてる。
なんか、「音が見える」ような錯覚に陥る。私が見た音楽漫画の中では一番だと思う。凄いよー。

この漫画でちょっと興味を持ったので、初代・高橋竹山(松吾郎のモデルの人?)のじょんがら節を動画サイトで見てみた。
凄い。私このレビューで凄いって何回使ったんだろ。でも本当に凄い。
当たり前だけど私の知っている狭い世界の外側にはまだまだこんな凄い人がたくさんいるんだし、そういうのを知るきっかけになるのもこういう漫画の醍醐味だと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-07-17 18:50:15] [修正:2011-07-17 18:50:15] [このレビューのURL]

すごく有名な漫画。レビューもたくさん。なので内容紹介は他の方にお任せします。

私が高校生のとき、当時お付き合いしていた同学年の男子と生まれて初めて漫画喫茶(というよりは漫画読み放題の綺麗なカフェ)に行って、そのとき選んだのがなぜかこれでした。
ちなみに彼氏が選んだのは「ベルサイユのばら」。私たち絶対なんか間違ってた。
で読み出したらもう二人ともはまっちゃって。全く無言で夢中で読んでた。
帰りの二人の会話も噛み合わないったらありゃしない。
「打つべし! 打つべし!」 「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」
その後もう一回通って読破。面白かったな。

ごめんなさい、何が言いたいかって、そのぐらい面白いから読んでみてくださいってことで。
読まず嫌いな人多いと思うので。高校生の女の子でもはまるぐらい面白いですよ。
それにしても女性のレビュー少ないですね。寂しいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-17 18:31:20] [修正:2011-07-17 18:31:20] [このレビューのURL]

想いが届くまでは最高の少女漫画の1つかもしれない。
どこまでも正統派の少女漫画なんだけど、これだけ良質だと男性にも受け入れられるんだな。

風早くんのキャラをファンタジーだって言う人は多いけど、そんなこと言ったら爽子ちゃんのピュアさだってファンタジーだと思う。
リアルさを追求する漫画じゃないと思っているから、私はその辺は違和感なく受け入れられた。
爽子ちゃん大好き! もしかしたら今まで読んだ漫画のヒロインの中で一番好きかもしれない。
見ていてこれだけ応援したくなる娘もなかなかいないよ。

こういう漫画だと、ヒロインの爽子ちゃんが憧れの風早くんに少しずつ少しずつ想いを届かせ、風早くんの中で爽子ちゃんの存在がだんだん大きくなってきて…、なんていう展開が定番だけど、この漫画は違うのね。
途中からはどちらかと言うと風早くんが鈍い爽子ちゃんに想いを届かせようとする展開になってきて、少女漫画としてはなんだか新鮮だった。

読んでてこっぱずかしくなっちゃうぐらい初々しくて、心地良い漫画。
いつまでもこの世界に浸っていたいぐらいだけど、もうお話が下り坂になっているのは誰もが感じているところだと思うので、想いが届くまでの素敵なお話が無駄になってしまわないうちにきれいに終わってほしい気もする。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-04-02 20:51:55] [修正:2011-04-02 20:53:51] [このレビューのURL]

清水玲子作品は輝夜姫で卒業していたつもりだったけど、このサイトで興味深いレビューがあったのでつい手を出してみた。

これヤバイ。すごすぎる。
この作者は長編を描くとだいたい最後の方がぐだぐだになってしまうんだけど、短編集やこの漫画みたいなオムニバスだとその良さが発揮できる。
面白い。
こんなに残酷で救いのないような話なのに、どこかコミカルでほっとさせてくれるのはさすが。

1巻はそうでもなかったけど、2巻以降は読む手が止まらなかった。
特に2巻の天地の話はすごい衝撃だった。
私も社会に出てまだ間もないから、天地の気持ちはよくわかるよ・・・。
早くみんなと仲良くなりたかったんだよね。早く仕事を覚えたかったんだよね。
他の人から見たら大した事じゃなくても、ほんのちょっとした幸せ、憧れるのわかるよ。
ちょっと時間つぶしのために入った漫喫で号泣してしまいました。個室で良かった。

輝夜姫で卒業しなくてよかったな。このサイトのおかげですね。

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[投稿:2010-09-12 16:43:25] [修正:2011-02-12 20:40:15] [このレビューのURL]

9点 7SEEDS

サバイバル。とってもサバイバル。
文明が滅びた後の日本で、男女ごちゃ混ぜの各グループがそれぞれのやり方で生き残ろうとするストーリー。

これが少年誌だと、基本的に男の子が頑張っちゃって女の子はパンチラ要員、みたいなのが多いけど、さすが少女漫画。
花みたいな娘が頑張ってくれると嬉しいな。
ナツみたいな娘が頑張ってくれるともっと嬉しいな。

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[投稿:2010-09-24 20:00:22] [修正:2010-09-24 20:02:19] [このレビューのURL]

途中までは何だかなーとか思いながら読んでいました。はい。
いちいちみんな大袈裟だしポエム満載だし過剰演出だし。

でも、かをちゃんの素敵で悲しい嘘で胸が一杯になりました。
最後まで読んで良かった。

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[投稿:2016-05-14 23:28:33] [修正:2016-05-14 23:28:33] [このレビューのURL]

宇宙人との未知との遭遇……なんかはどうでも良く、アラサーの女性たちがとにかくろくでもないガールズトークを繰り広げるお話。

女性だけで集まって繰り広げられる下ネタ満載のガールズトークのゲスさと言ったらそれはもう凄いものがあります。それをそのまま漫画にしちゃった感じ。
もう宇宙人いなくてもいいんじゃない?ってぐらいに女性たちが喋り続けて、その毒舌っぷりや本音のぶっちゃけっぷり、中身の無さが絶妙なセンスでとにかく面白い。

私にも心当たりはあるんだけど、自分の興味のあること以外は無関心って人は割と多くて、この漫画の女性たちもそう。
宇宙人の外見が虫みたいだったら大騒ぎだったんだろうけどAmazonで2980円で売ってそうなぐらいにちっちゃくてカワイイから問題なくて、宇宙人が自分たちには無害だってわかった瞬間、途端に興味を失くして話題は彼氏との別れ話に移っちゃう。
宇宙人は2人いるのに名前とかも興味ないから未だに呼び方も「宇宙人」だし。

そんな女性と男性の不思議な生態を、宇宙人の視点から客観的に映し出した作品。
例えば合コンの場で宇宙人が本音しか喋れなくなる光線を発射して、男性の「…いいか女共、今日やらせる奴だけここに残れ」というセリフとともに男女の本音が飛び交う大荒れの合コンになったり。
「宇宙人より男女の方が解り合えなさそう」とか言ったりしてるけど、そんな深い話ではなくて、くだらなさすぎて読み応え抜群です。売れれば続刊が出るみたい。続きが読みたい。

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[投稿:2014-09-28 02:04:41] [修正:2014-09-28 02:08:45] [このレビューのURL]

竜を追い求めてきた作者が、竜ネタをスパッと切り捨てて送り出した珠玉のショートショート。
なんと全33篇とな。

メッセージ性の強かった作者の前2作品とは違い、皮肉や毒は詰まっているけど基本的に無害で、良く言えばサクサク読みやすい、悪く言えば軽くて後に残らない印象。
でも全体の透明感と読後の爽快感が秀逸で、とにかくバランスのとれた良作短編集。
星新一が好きだった人ならものすごくノスタルジーを感じてしまうかも。
それぞれのお話で絵柄が全く違うもんだから、知らずに読むとアンソロジー集にしか見えなくて。そういうところでも読者を楽しませてくれているのかな。
私が特に好きなのは一人裁判の話とグルメvs食生活に乏しい人の話。あと記号を食べる話も。

「ひきだしにテラリウム」というタイトルは収録されているうちの1篇から取られたもの。
このタイトルがすごく素敵だと思う。
ご存知の方も多いかもしれないけどテラリウムっていうのは要するにミニチュア箱庭のこと。言葉から世界の広がりとか連想できそうな気がしません? それがひきだしに詰まっているんですよ。
だから「ひきだしにテラリウム」っていうフレーズは「ポケットの中に夢がいっぱい」とかと同義の響きがして、とても好き。
この本のカバーイラストも、そんなひきだしから楽しいことがたくさん溢れ出てきたみたいで、夢があって良いですよね。

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[投稿:2013-08-08 00:29:22] [修正:2013-08-08 00:29:22] [このレビューのURL]

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