「クランベリー」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月12日

6点 ACMA:GAME

もう一大ジャンルになってしまった「巻き込まれ系理不尽ゲーム」的な作品。
近いのは「LIAR GAME」あたりかな。
テーブルゲームだけじゃなくて、粘土遊びとかかくれんぼとかサバゲーとか動きの大きいゲームが多いのが特徴で、必勝法を編み出すというよりいかにして合法的にルールを逸脱するかみたいなところに重点が置かれているのも面白い。

途中からはずっとメンバー固定で互いに勝負していくのが少年漫画らしいかも。
ただ、そのメンバーがみんな同世代なので話の広がりには欠ける印象。
対戦相手は良い人ばかりだし。悪人いないんかい。

この作品では「負けたらヤバい」っていう絶望的な緊迫感がどうもあまり感じられなくて、そこが残念。
だって命を賭けるわけではないし、負けてもひどい事されないし、その辺の描き方がゆるいというか物足りないなって気がします。

そんな感じで深みには欠けるけど、エンターテインメントとしては十分に楽しめる作品です。作画担当さんの代表作のような感じ。やっぱり同じように実写ドラマ化とか狙ってるんでしょうか。

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[投稿:2017-03-26 21:45:08] [修正:2017-03-26 21:50:15] [このレビューのURL]

途中までは何だかなーとか思いながら読んでいました。はい。
いちいちみんな大袈裟だしポエム満載だし過剰演出だし。

でも、かをちゃんの素敵で悲しい嘘で胸が一杯になりました。
最後まで読んで良かった。

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[投稿:2016-05-14 23:28:33] [修正:2016-05-14 23:28:33] [このレビューのURL]

タイトルがロマン溢れる感じだけど、宇宙とか関係なかった。
「よだか」というのは宮沢賢治の「よだかの星」から来ているそうで、ちなみに「よだかの星」は日本版みにくいアヒルの子のような、でも最後はちょっと物悲しいお話。

この作品は美醜をテーマにしているところなんかも「よだかの星」と同じではあるものの、最後はかなり駆け足で、終わり方も割とカオスでしかも妙にあっさりしすぎてて、うーんって感じ。

身体の入れ替わりっていうのはよくある設定だけど、私が驚いたのは、とある登場人物がかなり早い段階で(しかもノーヒントで)入れ替わりに気づくこと。
いくら何でもそれはちょっとあり得ないんじゃないかなー。
面白そうな印象だったのに私の好みとは合わなかったかなという作品。

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[投稿:2016-05-14 23:13:31] [修正:2016-05-14 23:13:31] [このレビューのURL]

7点

不思議な口紅を塗って相手とキスすればその人と顔が入れ替わる。

主人公が自らの容姿から抱く激しい劣等感と、そこからくる「醜い自分を捨てて美しい誰かに成り代わる」という異常なまでの執念。実際に他人の顔と人生を盗み取ることで葛藤に苛まれるギャップ。
その辺りの描写がとにかく生々しく、ギラギラとした危うさが作品全体から強烈に伝わってきて、読んでいて強く引き付けられます。
天才女優と謳われた母親から受け継いだ演技力をその執念により昇華させ、その天才的な演技力が単に舞台女優というだけでなく他人の人生を演じることにも繋がっていたりして、描き方が本当に上手い。

「顔が入れ替わる」という古典的で使い古されたネタをベースにしたお話なんだけど、じゃあ現実的に相手の顔を奪い取ったら上手く事が運ぶかというととてもそんなはずはなく、そんな突拍子もないお話にどうやってリアリティを肉付けしていくか。これは本当によくできてるなーと思います。

でも最近はお話の方向性が変わってきました。
奪った顔のおかげでようやく光り輝く舞台に辿り着けた主人公と、そんな主人公の嘘を暴くべく暗躍するもう一人の主人公とも呼べる人物。
なんか妙にサスペンスじみてきてこういう展開も嫌いじゃないけど、当初の頃の主人公のなりふり構わない強烈な執念に引き込まれた身としては、もっと主人公の成り上がり(と転落?)を見てみたいなというのが正直なところ。
ただやっぱりこのお話がどういう風に終わりを迎えるのか、それは見逃せない!

<追記>
口紅って消耗品ですよね。母親の形見の口紅は一本しか無いみたいだけど、毎日使ってたらすぐ使い切っちゃうはず。口紅が無くなったらこの漫画はどうなっちゃうんでしょうね。

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[投稿:2015-05-21 01:09:05] [修正:2015-05-29 23:50:28] [このレビューのURL]

5点 ラララ

ニコイチやライアー×ライアーと同じように、普通だとありえないようなシチュエーションの中で、世間の感覚から一歩も二歩もズレたおかしな人たちが巻き起こすコメディー。

めちゃくちゃで変な設定だけどその良さを引き出す術を作者が心得ているので、テンポ良く安心して楽しめます。
でもニコイチとかを読んでいたら「あーまたこの手の話ね」って感じで新鮮味が無いかも。
これまでの作品と比べたらなんか地味だし。主人公が平凡で面白みがないからかな。
逆にヒロインは変人すぎて作者もキャラを持て余している気がします。恋愛漫画のヒロインがあそこまで恋愛に興味が無いと、うまく話を持っていくの大変ですよねー。読む方も大変だよ。

さすがに作者のコメディーだけあって安定感は抜群。でもニコイチやライアー×ライアーをまだ読んでいない人ならわざわざこの作品を選ばなくてもそっちから読むべきかなーと思います。

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[投稿:2015-05-20 22:41:26] [修正:2015-05-20 22:41:26] [このレビューのURL]

宇宙人との未知との遭遇……なんかはどうでも良く、アラサーの女性たちがとにかくろくでもないガールズトークを繰り広げるお話。

女性だけで集まって繰り広げられる下ネタ満載のガールズトークのゲスさと言ったらそれはもう凄いものがあります。それをそのまま漫画にしちゃった感じ。
もう宇宙人いなくてもいいんじゃない?ってぐらいに女性たちが喋り続けて、その毒舌っぷりや本音のぶっちゃけっぷり、中身の無さが絶妙なセンスでとにかく面白い。

私にも心当たりはあるんだけど、自分の興味のあること以外は無関心って人は割と多くて、この漫画の女性たちもそう。
宇宙人の外見が虫みたいだったら大騒ぎだったんだろうけどAmazonで2980円で売ってそうなぐらいにちっちゃくてカワイイから問題なくて、宇宙人が自分たちには無害だってわかった瞬間、途端に興味を失くして話題は彼氏との別れ話に移っちゃう。
宇宙人は2人いるのに名前とかも興味ないから未だに呼び方も「宇宙人」だし。

そんな女性と男性の不思議な生態を、宇宙人の視点から客観的に映し出した作品。
例えば合コンの場で宇宙人が本音しか喋れなくなる光線を発射して、男性の「…いいか女共、今日やらせる奴だけここに残れ」というセリフとともに男女の本音が飛び交う大荒れの合コンになったり。
「宇宙人より男女の方が解り合えなさそう」とか言ったりしてるけど、そんな深い話ではなくて、くだらなさすぎて読み応え抜群です。売れれば続刊が出るみたい。続きが読みたい。

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[投稿:2014-09-28 02:04:41] [修正:2014-09-28 02:08:45] [このレビューのURL]

美容整形の技術が著しく発達して、誰もが見た目の若さや美しさを思うがままに手に入れられるようになった世界を舞台にした短編集。

今の日本で整形手術を受けたことのある人はあんまり多くないと思うけど、それには恐らくパッと思いつく理由が3つあって、1つは手術を受けること自体が後ろめたいっていう世間体の問題、1つは手術失敗とか後遺症が心配っていう技術的な問題、それからもう1つは価格的な問題。
私は正直、整形手術を受けようと思ったことはこれまでないけど、でもこれらの問題が解決されてて、しかも周りのほとんどの人が手術を受けていたら、私だって受けてみようかなって思うもの。

自分で好きな顔を選ぶことができ、容姿に関係なく他人に評価してもらえる社会。
でも一方で、同級生たちの顔の見分けがつかず、見た目の年齢や性別さえも作り替えられた社会。

容姿を自由に選ぶことができても、それで容姿の悩みが減ったかと言えばそうじゃなくて。

他の方も挙げているけど、作中の言葉が印象的。
「キレイなだけじゃダメなの。 だからせめて、キレイにならないとダメなの。」
じゃあ、そこまでして綺麗になってどうするの?
そんなほろ苦いお話。

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[投稿:2014-09-28 01:33:10] [修正:2014-09-28 01:34:38] [このレビューのURL]

私の大好きな作家さんの一人。
こんなに温かくて素敵なお話を描くのに、主な活躍の場がマイナー系出版社だからか、ちっともメジャーにならないのが残念で仕方ない。

まあそれは置いといて、この作品。
作者の他の作品と同様に、というより他の作品以上に温かくて素敵なお話。
疲れている時に読んだら、その優しさがとろける程に心に染みてすごく癒されます。

本当にもう、子供を描かせたらこの作者さんに勝てる人はなかなかいないんじゃないかな。
「うさぎドロップ」の前半部分が好きな人なんかだとこの作品は多分大好物なはず。

この作品は私にとって居心地が良くて落ち着ける部屋のようなものであり、そして自分の中の優しさや柔らかさが足りなくなったときにそれらを補充する大切な場所でもあり。
だからこの作品は皆さんにも読んでみてほしいな、と切に思うのです。

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[投稿:2014-07-21 21:06:20] [修正:2014-07-21 21:06:20] [このレビューのURL]

要するに「マイガール+高杉さん家のおべんとう」みたいな作品。

主人公は味オンチで料理に全く興味のないタイプ。
幼稚園生の娘さんのつむぎちゃんともども食事はコンビニ弁当か冷凍食品かファミレスのみ。
本人は食に興味がないからそれで何の疑問もなかったんだけど、先につむぎちゃんがそんな食事に飽きてしまって、手作りの料理を食べたそうにしているのを主人公が察し、娘のためによーし自炊するぞ、っていうお話。

食に興味ないとか現実でもたまにそういう人いますけど、私的にはちょっとありえない。
美味しい料理を作れる人って、美味しい料理を食べたことのある人、美味しい料理を食べたいと思う人だけだと私思うんです。
だから主人公には本質的に厳しい。
で、味見役の女子高生が出てきて、3人で一緒に料理・食事をしていくことに。
現実的にはおかしな話ですけど漫画としてはごく当たり前な展開というか、その女子高生が美少女でしかも主人公に懐くのもやっぱり漫画のお約束。

感想としては、上にも書きましたけど似ている作品があって既読感が満載というか、可もなく不可もなくという感じでしょうか。
つむぎちゃんにピーマンを食べさせようとするお話とかは面白かったけど、全体的につむぎちゃんを可愛くみせようとしすぎているように思えて少し気になったかな。
一応は先が気になるような仕掛けもしてあるみたいだけど、基本的には読み急ぐ作品ではなく、一話完結でまったりと読んでいく作品。だから長期連載ではなくて短い巻数で上手くまとめて欲しいと思います。

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[投稿:2013-10-15 21:33:25] [修正:2013-10-15 21:33:25] [このレビューのURL]

優しく感じられる短編集。
日常の中の非日常をSFを交えて描いた作品。SFと言っても本格的なものじゃなくて「すこし・ふしぎ」ぐらいな感じ。まったり暖かいファンタジーかと思いきやそうでもなく、最後のお話以外はどちらかというとネガティブな人たちがメインの鬱屈した雰囲気のお話。

2話目の表題作が一番良かったかな。
「さらば」と言いながら全然思いを断ち切れていないナオくんと、逆に次のステップに進むことができたマキちゃんと。いろいろな角度から考察すればその分答えが存在するようなお話で、何だか妙に考えさせられた。
ただ、自分では当たり前だと思っていることが世間では非常識だったりすることって誰でも1つや2つはあると思うけど、でもあのブラジャーの付け方はひどい。あまりにも現実味が無さすぎて感情移入とかあるあるネタとかそういうものを超越してるから、うまく物語に入り込めなかった。もうちょっと他のエピソードにしてくれれば良かったのに、もったいない。

どのお話もスパッと綺麗に終わらせるというよりは、ぼんやりと余韻を持たせるような形で、「あとは貴方(=読者)にお任せします」というタイプの作り。これが好きかどうかは人それぞれかも。
この短編集はタイトルが秀逸。全体的にどこか優しい雰囲気が漂っているように錯覚してしまうのも、短編集のタイトルに「やさしい」って言葉が明記されているからだと思う。言葉の力は偉大。例えば短編集のタイトルが「逆さまブラジャー」とかだったらこんなに優しい読後感にならなかったかもしれない。

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[投稿:2013-10-15 21:23:12] [修正:2013-10-15 21:23:12] [このレビューのURL]