「souldriver」さんのページ

総レビュー数: 110レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月21日

黙示録→破壊録→堕天録 と続くたびにテンションが下がってきてるのはどうしようもないのか。連載を引き伸ばすごとにカイジの置かれる状況がだんだんぬるくなっていってる。
そろそろ最初にカイジをドーンと突き落としておいても良かったんじゃないかな。冒頭のギャグシーンはけっこう好きだけど。

心理描写の細かさとか初心者にも分かりやすい変則ルールの麻雀など、ツボは押さえてるから面白いのは面白い。ただ展開の異常な遅さに加え、イマイチ緊迫感がないせいで今までなら否応なく読まされてる感じがしたのが、どことなく騙されてる感じに変わってきた気がしないでもない。決して気分の悪い騙され方ではないけど、でも…。

このままダラダラ終わってしまわないことを願う。

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[投稿:2007-07-11 23:31:55] [修正:2007-07-11 23:31:55] [このレビューのURL]

7点 H2

リアルタイムで読んでたはじめてのあだち充作品だったので思い入れはそれなりにある。
野球マンガというよりは恋愛色が強いけど、野球の描写も要所は押さえてある。登場人物がみんなあっさりしすぎてるからあくまでフィクションとしてしか読めなかったけど。

結末がやっぱりどうしても中途半端、というかうまく逃げられた感じがする。後味はすっきりしてるし良い終わり方だとは思うけど、あれだけ引っ張ってきた末に結局うやむやになった気がしてちょっと不満。

あとマンガで泣けたのがこれが初めてだった。普段が軽い雰囲気で進むだけにあのシーンはグッときた。
「タッチ」や「みゆき」とかの古い作品の方が評価が高いみたいだけど、個人的にはこれもけっこう親近感が持てて好きだ。

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[投稿:2007-07-11 23:18:03] [修正:2007-07-11 23:18:03] [このレビューのURL]

5点 蟲師

うーん…。
絵のタッチの柔らかさとか日本の伝承にちなんだ世界観は嫌いじゃない。決して他の作品では見ることのできない独自性があるのも認める。
でもなんだろう、この読み応えのなさと読後の印象の薄さは。
先を読みたいと思わせられる強引さというか、引力のようなものを全く感じなかった。ストーリー性を期待するような作風じゃないのは分かってるけど、果たしてこれはマンガの形体を取る必要性があるのだろうかと思ってしまう。
昔ぼんやり読んだ記憶のある絵本を今再び眺めてるような感覚で、「そばにあれば何気なく手にとってしまうけど、しばらくしたら忘れてる」というような感じ。

これをマンガとして評価するときに何点ぐらいになるのかよく分からない。

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[投稿:2007-07-09 23:10:38] [修正:2007-07-09 23:10:38] [このレビューのURL]

題材が多様なのは良いことだとは思うけど、いかんせんツボにはまるネタが一つもない。ギャグマンガとしてこれはちょっと厳しい。
「あ、ちょっとおもしろいかな」と思うエピソードがあってもその後の話で同じネタが使い回されてたり、登場人物を見ただけでだいたいのキャラが分かったり…。と簡単に先読みができるのも微妙なところ。

不快なネタがあまり無いのが唯一の救い。ギャグマンガは評価が分かれるものだとは思いつつも、これはどうしても馴染めなかった。

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[投稿:2007-07-09 22:20:33] [修正:2007-07-09 22:20:33] [このレビューのURL]

犯人の深層心理が露出したときのイカれた表情が見物。推理云々よりも、絵的なおもしろさと作者のセンスを楽しむべき作品だと思う。
妙なツボにはまるキャラクターを心得てるのも魅力の一つ。ギャグとシリアスのギリギリの境を行ってるという感じ。

作者も言及してる通り、推理ものとしてはトリックの質がイマイチ。犯罪者の心理描写にもやや拙さが目立った。そこを切り捨ててエンターテイメントに徹する狙いは理解できるけど、やっぱり作品としての押しの弱さは否めない。

この作風であんまりトリックに凝りすぎるのもミスマッチな気がするけど、何かもう一つ強烈な特徴になるものがあればさらに良くなる作品だと思う。今のところはまだ佳作どまりかな。

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[投稿:2007-07-09 22:09:04] [修正:2007-07-09 22:09:04] [このレビューのURL]

「カイジ」の正統な続編ということで、黙示録のテンションをどこまで引き継げるかに注目してたけど、さすがによくできてる。
カイジをはじめとするダメ人間なりに筋の通ったキャラクターは魅力的。相変わらず心理描写も秀逸で、多少オーバー気味に表現される追い詰められた人間の思考や読み合いの奥の深さは他の追随を許さない。

シリアス一点張りじゃなくて、ところどころギャグ要素が取り入れられてるのも成功だと思う。当人たちはいたって真面目に振る舞ってるのに、どこか滑稽に見えるのはこのマンガならではの笑いの表現。
ただやっぱり黙示録での文字通り「身を削った」緊迫感には少し届かなかったかな、という印象。これは設定を考えると仕方ない気もするし、作者も分かってることだと思う。
もう少しコンパクトにまとまってればなお良かった。良作。

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[投稿:2007-07-09 00:18:00] [修正:2007-07-09 00:18:00] [このレビューのURL]

画太郎ワールド全開!
最初は「今回はちょっとマシかな?」と思わせておいて、だんだん堕ちていき最後には完全にクソと化すいつもの手口の中でも、これは秀逸なクソさ。
野球のルールを徹底的に無視した展開、必要以上にコピーを使いまくるやる気のなさ、意味不明な登場人物、意味不明な番外編、強引すぎる結末。すべてがとことん狂ってるとしか言いようがない。だが、それがいい!

まさにクソマンガ(というよりクソ漫画家)という名が相応しいが、意図的にクソにしてるので好きな人は最高、合わない人にはゴミ以下。
極端に好みが二分するのはまず間違いない。

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[投稿:2007-07-07 15:35:18] [修正:2007-07-07 15:35:18] [このレビューのURL]

「言葉」を題材にした一風変わった作品。
うまくドラマ性とサスペンス性を組み合わせつつ、あえて漫画というメディアで「言葉」を表現しようとしたのはおもしろい。構成もしっかりしており、読み応えのある内容。

が、しかし。この漫画の恐ろしいところは別にある。
唐突に見せられる生々しい描写や、トトの育ての親の常軌を逸した猟奇的心理、明かされる衝撃的なトトの生い立ち。これらが軽い絵柄との凄まじいギャップによって「グロい」を通り越し「不気味」になっており、下手なホラーよりもショックは大きい。
いったん読者を突き落としておいて、スッと救い上げる手法は分かる。しかしこの場合突き落とし方があまりにキツく、最後まで読んでも救われた心地が全くしない。何も知らずに読んだ僕はちょっとしたトラウマにさえなってしまった。
「神童」の明るい展開やライトなタッチのイメージで読んでしまうと、かなりの精神的打撃を受けてしまうことは間違いない。また結末自体は良かったのに、その経緯がやや唐突で不自然だったのも残念。

物語自体はよくできてるし、メッセージ性も非常に強い。ただ繰り返し読んでみようとはなかなか思わない。(コワイから)
悪い作品ではないが、読むにはそれなりの覚悟と心構えが必要。かなりの異色作だと言い切れる。

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[投稿:2007-07-07 05:16:24] [修正:2007-07-07 05:16:24] [このレビューのURL]

7点 DEATH NOTE

かつてないほど邪悪な主人公と緻密な構成、そして何よりデスノートの発想が印象的。

散々言われている通り、Lとの一騎討ち的な頭脳戦対決は非常に面白い構図で、「まず行動ありき」な少年漫画の王道パターンを覆す斬新さがあった。Lのキャラクターは何度見ても秀逸。
第二部の出来はとりたてて悪くはないが、やはり第一部のインパクトが大きすぎてどうしても比較して見てしまう。より「行動」を重視させたスピーディーな展開はこれはこれでおもしろいのだが、もはや麻痺してしまった感覚からすれば確かに物足りなさはあった。
わざわざ第一部第二部と分けて描いてなければ、これほど比較されることはなかったかもしれない。結果的に第一部の完成度の高さが作品全体の印象を悪くしてしまったのではないかと思う。良くも悪くも第一部の存在感が全て。

とはいえ、終始ぐいぐいと先を読ませられる説得力とサスペンス感は抜群。戦闘ものでもないのにこのテンションの高さは特筆もの。ドライで繊細な絵柄も雰囲気がよく出てる。
話題性が大きいので評価が難しいが、きちんと内容は伴っている。十分賞賛に値する良作。

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[投稿:2007-07-07 02:04:21] [修正:2007-07-07 02:04:21] [このレビューのURL]

確かに構成や仕掛けは良いし、うまくまとまってる。
が、それ以上に心の琴線に触れる何かがなかった。その原因はキャラクターの地味さ、話のスケールと比較して異質すぎるキーファクターや社会描写の粗さといった違和感にあると思う。

かなりインパクトのある時代背景や面白い設定を用意しておきながら、主人公をはじめとして人物から全体的に小物感が漂っており、なんだか割に合わないこじんまりした展開に終始してしまったというのが素直な印象。
また物語中盤であれだけの大事件が起きてるのに社会の反応が鈍すぎるのがどうも納得できない。あそこまで話を広げたのならきちんとその風呂敷をたたむべきだった。

もっと思い切った展開や魅力的な登場人物があれば化けた作品だった。もう一歩。

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[投稿:2007-07-07 01:08:24] [修正:2007-07-07 01:08:24] [このレビューのURL]