「ジブリ好き!」さんのページ

原作:遅筆でファン泣かせな男性
漫画:表情豊かで生々しくも力ある画を描く女性

原作小説の最も面白い部分を漫画化した作品。漫画家の力により、原作以上の出来栄えになっていると感じた。
とはいえ内容は原作に忠実で、佐藤大輔の冴えわたる戦術理論がふんだんに盛り込まれた作品だ。刻々と変わる戦況に対し、臆病を隠して力強く的確に指揮していく新城の活躍が素晴らしい。敵も魅力的で、ファンタジー要素の入った設定も面白い。

予告なく唐突に打ち切られた作品だが、その理由はどうにも原作者側にあるようだ。明確でないのであまりどうこう言うつもりはないが、とりあえず原作者に一言。
「さっさと新巻小説だせ!仕事しろーー」
この分だと原作は永遠に未完。そういう意味では打ち切りにより有能な漫画家が次の作品に移れて良かったのかもしれない。

この漫画を読んで原作小説を読みたくなるだろうが、正直この北領戦線が最大の盛り上がりどころで、この後はテンポも悪くなるため、あまりお薦めはしない。(だからこそ伊藤先生が描いた皇国の続きを読みたかったのだが、内容変更すると原作者は非常にうるさい様子。)また、原作小説では途中で設定変更をするが、この漫画では設定変更後に合わせてあるので、原作を読むならこの漫画の続きから読むと良い。

打ち切られたとはいえ、しっかりとまとまっているのが凄い。漫画家の手腕が垣間見れた、素晴らしい作品だ。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-03-22 19:04:38] [修正:2010-03-22 19:04:38]