「Seal」さんのページ

総レビュー数: 207レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年12月17日

絵は文句無しでうまい。初期の見開きでの惨殺シーンが迫力
あって好きだったんだけど今は無いのが寂しい。
個人的には主人公が最強でないところが好き。主人公は不死身の
体や時には助っ人の力で生き延びてはいるが、主人公より強い
キャラクターは3、4人はいそうだ。
話し言葉が現代風なのはご愛嬌として、時代考証は比較的
しっかりしている。きっと作者は江戸時代マニアなんだろう。
9点付けたい作品だが最近の展開は退屈だったので8点。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-12-17 15:52:14] [修正:2007-12-17 15:52:14] [このレビューのURL]

この漫画を初めて読んだのは10年前、自分も主人公の五代君と同じ浪人生だった。
そのせいもあって非常に感情移入できた。
アパートの個性的な住人達や恋敵との係わり合いの中で響子さんと五代君が
ゆっくりと愛を育んでいく様に引き込まれる。
笑い、涙、感動、全ての要素がバランス良く混在するラブコメの傑作だろう。
今読むと多少の中だるみ感は否めないが、自分にとっては思い出の作品なので文句なく10点。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-12-17 14:43:12] [修正:2007-12-17 14:44:04] [このレビューのURL]

死刑囚をあえて塀の外に出し人間との触れ合いをさせることで人間性を取り戻させようとする実験を描いている。
個人的には死刑容認派なので、いくら事情があったとはいえ人を殺した人間が本当は優しい心を持っていたというご都合主義的な展開のみが延々と続いている漫画なら最後まで読破することは無かっただろう。
しかし、この漫画には矯正の余地も無いような残虐な殺人者も登場するし、死刑制度の是非を声高に叫ぶような構成にもなっていない。
死刑制度についてどのような考えを持っていても、ある程度は楽しめる作りになっていると思う。よくできている。
死刑判決を受けたという極限状態にいる人間を通して、人はどう生きるべきか、どうあるべきかを浮き彫りにしようとする意図を感じた。

なによりも5巻という比較的短い巻数で物語が簡潔に美しくまとめられていることに好感を持てる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-05 10:32:27] [修正:2011-01-05 10:32:27] [このレビューのURL]

現代日本の風呂やトイレに対するこだわりを古代ローマ人の視点から描くという手法が新しい。
日本の風呂文化を目の当たりにした時の主人公ルシウスのリアクションがいちいち笑わせてくれる。自分たちにとっては何気ないものだから余計に面白い。
確かに日本の風呂事情は異色ですからね。そういったことを我々にもあらためて認識させてくれます。

この漫画の肝は文化の優劣を比較することでは無くて、現代日本と古代ローマの風呂文化との共通点にあるのだと思います。
古代ローマ人が現代の我々と同様に風呂を愛していたという設定には多少の推測も入っているとは思いますが、遠く時代も距離も隔てた両文明が似たような価値観を共有していたなんて面白い考えですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-06 14:54:20] [修正:2010-08-06 14:54:20] [このレビューのURL]

この漫画は「おひっこし」を初めて読んだ時以来久々にガツンと来ました。
沙村氏の最近の短編では少々控えめだったおふざけ感がこの漫画では存分に発揮されてます。
ある理由から経営していた会社がつぶれホームレスと化した主人公が、何でも「食べる」女の子ヒヨスと出会うことから物語は始まります。
そこに、友達をヒヨスにクリーチャー化されつつも主人公に兄の面影を重ね行動を共にすることになるメタ子等が加わり話はさらに加速していく。
少々マニアックなギャグが受けつけない人もいると思います。
でもこの一風変わったゲロ漫画を是非多くの人に味わって欲しい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-24 19:53:46] [修正:2010-03-24 19:53:46] [このレビューのURL]

解りやすいストーリーと全2巻と手頃さが良い。
悪くいえばありきたりな話なんだが、不思議と引き込まれた。
登場人物達の会話シーンが特に良かった。
くだらない会話の中にもリアリティがあるし、細かな心情描写が秀逸だった。
20代前半の言いようのない不安感、焦燥感の表現の仕方に作者のセンスを感じた。
同世代の人が読むとより思い出深い作品になるだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-26 18:54:29] [修正:2010-01-26 18:56:33] [このレビューのURL]

子供の頃、親に必死なって頼んで捨て犬を飼うようになったのに
熱心に世話してたのは最初だけで次第に親にまかせきりに・・。
それでもたまに遊んでやると一途な愛情を向けてくれた犬。
この漫画を読んでそんな苦い思い出がよみがえって来ました。

犬を飼った経験のある人なら感情移入しやすいと思います。
作品としてはありふれたものかもしれないが、僕にとっては印象的な作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-26 14:48:40] [修正:2009-12-26 14:48:40] [このレビューのURL]

主人公リクオの浮遊青年っぷりが他人事とは思えず共感してしまう。
物語は主に2人ずつの男女の恋愛を軸に進んで行くが、話しの流れは比較的スロー。
しかし退屈はしない。
日常の会話が軽妙で楽しいし、サブキャラの設定や存在感も割りとしっかりしていて物語を引き立てている。
絵もうまい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-05-12 21:00:18] [修正:2009-11-30 20:15:28] [このレビューのURL]

自分は沙村氏の短編が大好きなのでこの短編集はかなり待ち望んでいた。
以前に出した短編集「おひっこし」では馬鹿で素敵な青春物を作るという作者の意欲が充分に表れていて、個人的にはベスト短編集の一つなのだが、それに比べるとこの短編集は完成度が高いぶん前作にあったような「無意味な疾走感」や「くだらなさ」が影を潜めてしまった事が個人的には少し残念。
この短編集の中では「青春じゃんじゃかじゃかじゃか」が割と好きな感じ。
色んな雰囲気をもった短編が収録されているので誰しも一つは好きな短編を見つけられると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-11-02 20:29:09] [修正:2009-11-02 20:29:09] [このレビューのURL]

前から欲しかった漫画だったので久々の大人買いをした。嫁にはこっぴどく怒られましたが。

山田芳裕が陸上の十種競技を題材に描いた作品。
まだこのころの絵は荒削りだが、山田芳裕らしさはこのころから健在です。
あの過剰なまでに遠近法を駆使した構図の迫力ある見開きは圧巻。
主人公は数々のライバルたちと死闘を繰り広げていく。
勝利のためなら手段を選ばない者、自らの生き方に誇りを持って戦う者、自分の命を燃やして挑む者、
そして全てを兼ね備えた王の中の王オブライエン。
彼らに比べると主人公万吉の強さには説得力が無い。
強いて言うならその突き抜けた馬鹿さが彼の強さの源だろうか。
投擲種目の時の「おぎゃぁああ!」っていう叫びはツボだった。
展開が読めちゃう事とか、多少の無理やり感はその絵の迫力の前では霞んでしまう。
山田芳裕の絵には全てを納得させてしまう力強さがある。

リアリティー重視の人にはおすすめしませんが、読んで爽快な気分になれる作品だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-09-23 14:04:37] [修正:2009-09-23 14:04:37] [このレビューのURL]