「blackbird」さんのページ

総レビュー数: 185レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年03月31日

小説家の一姫・高校生の二太郎・の姉弟は、愛犬みかんと共に同居している。一姫には恋人ができて、二太郎は電車でマリコに一目ぼれ。二人は付き合うようになるが、やがて二太郎の親友・太も巻き込んでの三角関係、さらに・・・。

高校生らしい片思いのオンパレード。
純粋に見えたマリコが、次第に自分の本当の気持ちに気づき、嫌だと思いながらも人を傷つけ、人を好きな気持ちに素直に行動する様は、怖いようだけど抑えきれない人間のサガを感じさせる。

決してゆるがない太が、本当に強くて、冷たいようだけど優しいなと感じました。

高校生位の多感な時に読みたい作品。
みかんの愛くるしい姿に癒されます。

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[投稿:2011-04-17 16:20:24] [修正:2011-04-17 16:20:24] [このレビューのURL]

表題の「ブルー・ロージス」は、親や家族からの負の暗示で自分に自信を持てず、男性を愛したことがなかった女性が、初めて恋愛し成長していく話。

愛されることは、自分にも自信が持てることであり、自信が持てれば、自分に浴び去られる心無い言葉にも暗示にも、踊らされる事はない。
それが気づけただけでも、主人公の人生でこの恋愛は無駄ではなかったのですね。

「パエトーン」は、チェルノブイリ事故の後に描かれた作品。
現在、大震災後にこの作品が再度注目されて、色々なところで取り上げられているそうですが、原発の恐ろしさ、必要なものなのかを問いかけたものです。

イラスト的作者が飄々と原発の事を話して行くので、軽い雰囲気があるものの、やはり内容的には重い。神話とも絡め、人間の思い上がりの愚かさを鋭く切り込む。
賛否はともかくこの作品を何年も前に描いた作者が投げかけたものは大きい。

他にも読み応えのある作品が並ぶ。短編集といえども、この人の作品は読む前に気合が必要かも。

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[投稿:2011-04-16 16:56:31] [修正:2011-04-16 16:56:31] [このレビューのURL]

9点 JIN -仁-

タイムスリップと聞いただけでは、そんな奇想天外な設定をうまくまとめられないだろうと思っていたが、実際読んでみると、そこはさすが村上もとか。

丁寧に、伏線も拾い、ありえないだろうというような歴史上の人物達ともうまいこと絡ませて、最後もきれいにまとめていて、感動、感心しました。

ドラマも見ましたが、第二部をうまくまとめるかで評価が分かれますね。
漫画とドラマではラストも違うとか。
設定として、婚約者の扱いがかなり違うので、どなたかも書かれていましたが、なぜあそこまで必死に医術の発達にかけたか、動機づけがより強くなっていたと思います。

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[投稿:2011-04-16 16:23:43] [修正:2011-04-16 16:23:43] [このレビューのURL]

これがエレガンスイブで連載?、しかも原作が久住さん・・・と、??だらけ。

しかも、女の一人飯第一弾に鮭フレーク、さらに卵かけご飯って、ずっこけて(死語)しまいましたね。

とにかく妙なダジャレ連発の独り言がすごい。
若干そのテンションに疲れた感も残ったが、これがまあ、B級C級のものを旨そうに食べること! こんなものをそんな陶酔しきった顔で・・・笑えます。

「ヘルシー志向!?オーガニック?ダイエット?そんなもんなんぼのもんじゃあ!!」って、ウケましたね。

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[投稿:2011-04-15 23:01:19] [修正:2011-04-15 23:01:19] [このレビューのURL]

佳作揃いの短編集。

「黒鳥」は単なるバレエ漫画ではなく、むしろバランシンの女性観、身勝手な芸術家に翻弄される女達の苦悩など、人間の苦悩が鋭く描かれている。
最後に「黒鳥」を踊ったマリアの凛とした姿には、女として拍手を送りたい。

児童虐待という難しい問題を、丁寧に描いた「緘黙(しじま)の底」。
今こそこの作品は広く読まれていくべき作品だと思う。このような問題を描ける作者の力量はさすが。

4作どれもが、人の暗い部分に光を当てたもので、読み応えがあります。

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[投稿:2011-04-14 23:37:40] [修正:2011-04-14 23:37:40] [このレビューのURL]

こういう仕事があるのか、こんなこだわりを持った人がいるんだと、職人に感心してしまう。
そんな職人たちも、恋するんだなあ。
(そりゃそうなんですが)

その恋が何とも穏やかで、読後も静かで暖かな気持ちになるものが多い。

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[投稿:2011-04-14 23:23:03] [修正:2011-04-14 23:23:03] [このレビューのURL]

この作者はたくさんの短編を描いていますが、決してハッピーエンドばかりではないんですよね。
ほわっとした雰囲気、付き合い始めたころの暖かい雰囲気の幸福感に包まれているかと思えば、そこにふっと辛い現実や別れが訪れることも。

「積極」では、辛い現実が主人公に訪れますが、何故か最後には明るい日差しが見えるような結末と感じました。

青林檎に込められた教授の想い。
ところどころにクスリと、かわいらしい笑いを取り入れながらも、最後にぐっと掴まれます。

残り二作は、どたばた、ちょっとコメディっぽく楽しめる作品。

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[投稿:2011-04-14 23:02:51] [修正:2011-04-14 23:02:51] [このレビューのURL]

やられた、という感じの短編集。
ぎゅっと掴むのがうまいですね。

「クーベルチュール」でも「ちはやふる」もですが、
この方は年配の方やちびちゃんを描くのがとても上手。
年配の方のセリフが響きますね。

なかなかこういう技量をもった人はいないので、
ただの少女マンガとはちょっと違う厚みを与えてくれるのではないでしょうか。

これを読んでから鳩サブレの袋を見ると笑ってしまいます。ふふふ。

この人はいろいろあったみたいですが、この作品で復活し、「ちはやふる」で晴れの舞台に上がりました。実力はあると思うので、頑張ってほしいです。

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[投稿:2011-04-02 00:50:58] [修正:2011-04-14 22:48:06] [このレビューのURL]

10点 SWAN

数あるバレエ漫画の中でも、代表的な名作と言えるでしょう。
ただの熱血スポ根でも、サクセスストーリーでもありません。
バレエとは一体何か、バレエの魂、バレエに魅かれてやまない人達、
表現する感情、クラシックとモダンの表現の違い、作品・役の解釈、
そして、真のパートナーと恋愛・・・と、実に深くバレエ世界の事が掘り下げられている。

その為内容的には若干難解で、バレエが総合芸術であるという事はわかっても、本当にその意味を、この少女漫画の読者が理解できたのか、わかって読んだ人がどれだけいたのかは分からない。
それ程までにバレエと真剣に向かい合った作品。

絵はとにかくきらびやか!
お花が飛んだり、コマぶち抜きでひらひら飛ぶような少女漫画の古典。
青ざめて白目をむくわ、口は大きいわ、下まつ毛がびっちり描きこまれて
怖いわ、日本人離れした金髪巻き毛やストレートのロン毛にすごい長い脚。
しかも、登場人物は大半がティーンエイジャーですよ。
物語が終わった時でも、おそらく20歳位。なんて大人!!
ソ連の人とも言葉はすぐ通じちゃうし、レポートまで書いてしまう。
そんな設定だけど、一度読みだすとSWANワールドにどっぷりです。

前半は半端な教育しか受けていない真澄が、超エリートコースへ抜擢され、
躓きながらも厳しい試練を乗り越えて、才能の片鱗を現していく。

後半はNYに舞台を移し、ルシィとの激しい愛と踊りを追求する心の間に揺れ、そして本当のパートナーを見つけていく姿を描く。

最初から最後まで、ぶつかって傷だらけになりながら試練を乗り越えて
少しずつ成長していく真澄。
いつも泣いて誰かに甘えようとしているようだけど、その芯の強さが周りを魅了してやまない。

病に冒されて真澄の愛を独占しようとしたルフィ。
真澄と深い因縁のある、師弟とも恋愛ともいえない、微妙な関係のセルゲイエフ。
恋愛感情を持ちこまないと決めた故に、なかなか真澄と公私ともにパートナーになれないレオン。
断られてもなお、ずっと真澄を見つめ続ける葵。
どの男性も魅力的です。(もちろん女性陣もすごいんですが)

なんと2011年には、続編としてSWANモスクワ編が開始。
「アグリーダック」の再演からどこまで描かれるのか。レオンや先生との関係もきちんと明かされるのか楽しみなところ。
また、真澄の娘のバレエ生活を描いた「まいあ」もあり、それぞれの時代をきちんと繋いでくれるのか、ファンは心から期待している。
絵柄は、かなり丸くなっているので、雰囲気は柔らかに変化しているが、厳しいバレエの世界を描く姿勢に変わりはないようです。

こんな稚拙なレビューでは、とうてい書ききれない作品です。

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[投稿:2011-04-13 23:19:43] [修正:2011-04-13 23:19:43] [このレビューのURL]

シナリオライターの小鳥遊(たかなし)ケイのところに、突然見知らぬ女の子・ニコがやってきた。
ニコは、ケイがその昔マネージャーをしていた女優美冬がひそかに産み落とした女の子。その事実を知っている数少ないケイに、しばらく面倒を見てほしいといきなりよこしたのでした。

最初こそ全く打ち解けず、ほとんど口もきかないニコに、そっけない応対をしていたケイ。しかし、交換日記で問いかけた何気ない質問に、あまりにも寂しい答えを殴り書きされて、はっとニコの孤独に気づきます。このニコの3行は泣けます。この作者はこういう切ない子供の心情を描くのが上手ですね。

ここから急激に二人の関係は変わります。血の繋がりはないけど、一人の人間として、距離を持った関係が積み上げられていきます。よく世間で起きている親子の事件、虐待などを考えると、血の繋がりって何だろうなと思ってしまいますね。

そこに晃太郎が出現。ケイがニコを選ぶのか、晃太郎を選ぶのか。ここはやはり「男前」なケイ。思い切った選択です。

最終的にはニコの出生問題が発覚して、3人の関係は一気に変化します。何とかハッピーエンドに!!と願わずにはいられない、暖かな物語です。

なぜか後半に晃太郎が出てくるころには、絵のタッチが全く変わってしまいましたね。前半の晃太郎が好きだったので残念でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-13 15:57:29] [修正:2011-04-13 15:57:45] [このレビューのURL]