「アルゲマイネ原野」さんのページ

総レビュー数: 131レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年01月18日

幼い頃の苦い経験から「鬼」にトラウマを持つ主人公此何ソウマと
そのトラウマを「アートマン」として具現化させる能力をめぐるアクションストーリー。

絵は全体的にポップでキュートですが
魚眼レンズのような大胆なアングルで描かれるコマが大きな特徴です。
また、作品のネタである名画をもとにタッチを変化させる所なんかもなかなか意欲的。
キャラクターデザインや台詞まわしなどにジョジョ他、過去の名作に
影響受けている感じもありますが作者なりにきちんと自己消化されていると思います。

ちょっとラブコメも混じった能力バトルの体ではじまった本作品ですが
後半某キャラが登場した辺りから雰囲気は徐々に変わりだします。
おそらくこれが原因で不人気、打ち切りに向かってしまいますが
それに反比例するかのように物語はあるときを境に一気に加速していきます。
打ち切りが決まってから妙に光りだすという作品は時々ありますが
この作品はもはや爆発に近いレベル。
正直最終巻に至っては描くべきものが多すぎて整理できてない印象もありましたが
ほとばしる創作エネルギーをビンビンに感じました。
それにしても当時の連載作品の中でこれが最初に見切られたのは非常に残念だったなあ

中山先生のこれからの漫画家活動にも期待を込めて7点評価にしときます。

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[投稿:2011-06-30 23:21:15] [修正:2011-06-30 23:25:01] [このレビューのURL]