「アルゲマイネ原野」さんのページ

総レビュー数: 131レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年01月18日

7点 マギ

魔法を操る不思議な少年アラジンの世界冒険譚。
前作「すももも?」でヤングガンガンの看板はっていた作者が
少年漫画に挑戦するためにサンデーに移籍した意欲作。

持ち味である卓越した画力が魅力的。
前作同様女性キャラがかわいいですし、
キャラの喜怒哀楽が上手く表現されています。
作品が、冒険を通じた心のふれあいと成長をメインにしているので
この表情の豊かさが非常に効果的に働いています。
イケメン男性陣も数多く登場する点やギャグの傾向から女性にも受け入れやすい作風。

ちょっと油断すると重い展開になりがちなので
連載開始時のように明るく楽しい雰囲気で続けて欲しいものです。

現在のサンデー連載の中でも特に一押しの作品。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-25 23:38:46] [修正:2010-05-30 02:08:59] [このレビューのURL]

昔何気なく読んだチャンピオンにこの漫画が連載してあり
その完成度の高さに衝撃を覚えたことがあります。
結局それが自分がチャンピオンを買い始めるようになったきっかけでした。

ストーリーは基本的に一話完結もの。
近未来の電器屋「ピース電器店」で引き起こされるドタバタコメディをメインに
ピース一家の温かな家族像も合わせて描かれてあります。

比較的低年齢層の読者が楽しめるように作られているので
過激なギャグや感情が浮き沈みするような激しい描写はありません。
しかし親しみやすい身近なSFと科学技術の魅力を余すことなく描いており
童心に帰れるようなワクワクする設定が用意されています。
また漫画としての画力も非常に高く、
特に手の込んだ背景が描きこまれたコマから生み出されるダイナミックな演出が魅力的。
そんな作品の中でどのキャラクターも愛らしく生き生きと躍動します。
ちょこちょこ描かれる伏線やマニアックなパロディが仕込まれていたり
遊び心も盛りだくさん。
ツツさんの言われるようにいつまでも作品の世界観に浸っていたい、そんな気にさせてくれる傑作です。

上でも書きましたが、少年漫画として限りなく完成されていると思います。
このサイトのレビュアーの方々のように
いろいろな漫画を読み慣れた方にこそ、おすすめしたい作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-14 18:34:45] [修正:2010-05-14 18:34:45] [このレビューのURL]

本作の前に同誌でちょこっと連載されていた
「飲みに行こうぜ!!」という作品で
破天荒な大酒飲みのギャグコメディを描かれていたんですが
(文庫だとセットになってるようです)
実は作者がまんまその破天荒な酒飲みだったというオチ。
そして全てがノンフィクション。
日常エッセイというジャンルからするとある意味問題作(笑

内容は作者と作者の友人たちの酔っ払い失敗談。
エピソードのめちゃくちゃっぷりもさることながら
一年余りと比較的短い連載期間で回が進むにつれて
話も絵もはっちゃけて開放的になっているのが笑える。

お酒を飲むのが好きな人、お酒で失敗した事ある人にはぜひおすすめです。
共感含め笑えると思います。
ただし↑と全く逆のタイプの人だと激しく嫌悪感を覚えてしまうかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-14 18:33:29] [修正:2010-05-14 18:33:55] [このレビューのURL]

長い歴史と伝統を持つ中華料理に的を絞った料理バトル漫画。
序盤は、麻婆豆腐や餃子など有名な中華料理に焦点をあわせ
具材や調理方法の工夫など小技を利かせて勝利する流れ。
つくりが丁寧でこんな料理食べてみたい、作ってみたいという
料理漫画の大切な要素を上手く引き出しており、地味に読み応えがありました。

しかしネタ切れか、はたまた編集部の意向からか
後半は奇抜なネタや演出が増えてくる事に。
これが個人的にはいまいち外してるなーというのが正直な所。
続編に当初の路線復帰を期待したんですが…

あと女性キャラの描き分けがいまいちできてないところも惜しかった。
そこら辺マイナスして5点。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-13 00:15:17] [修正:2010-05-13 00:15:17] [このレビューのURL]

ある日突然精神が6歳の子供に戻ってしまった女子高生、七華をめぐるハートフルストーリー。
デフォルメの効いたかわいい絵柄なので選り好みされそうですが
子供に戻った「ななか」の純粋無垢な感じがうまく表現されており
何よりこれが作品の温かな雰囲気作りに大きく貢献しています。

前半は精神が子供に戻った「ななか」と、彼女に振り回される
周囲のドタバタコメディが大部分を占めていますが
後半、話の核心に近づくにつれメインキャラの七華、稔二、雨宮を中心にしながら
徐々に重く、シリアスさが増していきます。
第二部冒頭の展開など最初戸惑いましたが、全体を通してみると
メインテーマである七華の大人としての成長が丁寧に描かれています。

作品の素晴らしいところは、この手のジャンルに必要不可欠な要素である
ストーリー構成と、テンションの強弱が非常にしっかりしている点。
だれず、ぶれず、読み手をどんどん引き込ませてくれます。
地味ながら隠れた名作。


ほら泣け!といわんばかりの感動モノとは一味違った
「心温まる」や「切ない」感情を伝えてくれる作品群って
最近の少年誌ではめっきり減ったなあ…と改めて読み返しながらしみじみ思いました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-08 01:32:35] [修正:2010-05-08 01:33:12] [このレビューのURL]