「アルゲマイネ原野」さんのページ

総レビュー数: 131レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年01月18日

特に20〜30代のジャンプ読者へ狙いを絞っている点が受け
連載中は個人の有名漫画レビューサイトでよく取り上げられた。
それもあって人気はかなりあり、なかなか長期連載となったが
後半に進むにつれて連載開始当初の勢いに陰りが出たかなと感じた。
もともとパロ以外の部分が勢いに任せたところがあるので
息切れするとそこら辺の短所が目立つ結果となった。
下ネタはまだしも作者の内輪ネタとかちょっとね…

パロディの魅せかたとしては他の作品と比べると微妙な点も多々有ったが
ネタがほぼジャンプ漫画に徹している点は好印象を受けた。
掲載週のすぐ前のパロディネタとか持ってくる辺り
筋金入りのジャンプ読者のための作品といえる。
ジャンプは毎週欠かさず買って全ての作品をチェックしてますよ!的な人にお勧めなのかな?
まあそんな人ならお勧めするまでもない気がするが。

個人的に、この漫画によって作者=パロディ漫画家のイメージが決定付けられてしまった感がするが
次回はそれらを覆すようなオリジナル作品をみてみたいと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-27 23:05:16] [修正:2008-08-27 23:05:16] [このレビューのURL]

名作「寄生獣」の次回作ということもあり、よく比較されがちだが
民俗学+SFと個人的な趣向からこっちの方が好き。

とにかくこの作品、起承転結が非常にハッキリしており、洗練された物語構成が一番の特徴である。
特に物語の随所に散りばめられた丸神の里の謎が、ラストの巻で一気に集結していく様子は
非常に鮮やかで見事というしかない。
主人公が観測者的な立場にいる点や、物語の肉付けを極力省いている点も加わって
全体的に非常に計算尽くされたスマートな印象を受ける。

ただしこの展開全体からみたまとまりの良さは短所ともとれ、物語の盛り上がりに欠けるとも言える。
特に作品の最大の山場であるヒロインが主人公に説得されるラストシーンは
ここら辺の歪みが出ており少々違和感があった。そこが惜しいと言えば惜しいかな。
(ただ、ここで主人公の主張している内容こそ非常に共感できた部分だったりもするが)
もしこの作品が丸神頼之の今までの経緯や東丸兄妹の関係など掘り下げたストーリーであれば
また違った評価を受けていたのかも知れないがこの作品の魅力である謎解きと展開のスマートさが
失われるとすれば…うーん…迷うところ

ほの暗く、淡々と静かでありながらも作品の底に力強さを感じる、
岩明均の真骨頂と言えるお勧めの作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-19 22:38:25] [修正:2008-08-19 22:38:25] [このレビューのURL]

基本的に一話完結でまとめられたオムニバス形式のSF短編集。
単に土台となっているSFに限らず生物、医生理、歴史、果ては宗教哲学に至るまで
非常に幅広いジャンルの知識を取り入れて、ショートショートとしてまとめ上げている。
しかしなによりもその見識の広さが充分に生かされたストーリーとアイディアセンスが
素晴らしい。専門知識が多分に入っているとはいえ、デフォルメされた
かわいらしい画風と、小学生でも理解できるぐらいに極力噛み砕かれた
わかり易いストーリーにより万人に受け入れられる内容に仕上がっており、
さながら星新一の小説を読んでいるような印象を受ける。

ただその平易さゆえ漫画にインパクトを求める人にはかなり薄味に感じるだろうし、
また童話性においても所々にみられる訓話的なメッセージなどが鼻につく人も
いるかもしれない。あと個人的に中編の「大いなる眠り子」シリーズは
オムニバスに比べると少し面白みに欠けるかな?

絵本が好き、もっと言うと藤子F不二夫の描くファンタジー
(SF短編集のようなブラックさでは無く、その世界観)が好きな人、
そして何より理科嫌いの人に科学の面白さを伝えるのに向いている作品。

現在でも手に入る旧版のコミックスも内容が同じだが、「トワイライトミュージアム」
に掲載された作品も非常に読み応えがあるものばかりなので、読むとしたら
これらが一緒に収録された再編集版がいいと思われる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-06-02 01:47:23] [修正:2008-08-09 14:12:22] [このレビューのURL]

コミックスの表紙にも書かれてあるように楽しさを中心に描き
今までの柔道のイメージを一新させた「ニューウェーブ柔道漫画」

初見は作者絵特有のシンプルさ・白さに少々戸惑うかもしれないが
お前らホントに高校生か?と突っ込みたくなるような初々しい青春群像に
随所に挿入されたギャグが程よいバランスとなり30巻の長期連載を苦にせず読める。

序盤10巻あたりまでは、楽しい高校生活が主体のコミカル展開が占めるが
全国大会に出場する辺りから、柔道本来の面白さが加味され、
さらに本格的に全国大会優勝を目指す辺りから、その制覇までの単純ではない
道のりと努力を丁寧に描ききっている。
これにより一層物語に惹きこまれ、後半から加速度的に読み進んでしまう。
終盤のシーンで「思えばあのときから…」と柔道部メンバーが
全国制覇を決意した主人公に引き込まれていった道のりを回想するシーンがあるが
実は作中のキャラ達だけではなく読み手までも引きずりこまれていたんですねー
その集大成とも言える斉藤VS橘、粉川VS鳶嶋戦の流れはホント鳥肌の立つ程の面白さ
全国大会後すぐに連載を終了してしまうが、ここが作品のピークであると考えると却って引き際として最適だったと思う。
物語構成として文句なし、現代の少年スポーツ漫画でも間違いなく傑作と言える作品でしょう。

私自身、授業でさわり程度をやったぐらいでも非常にキツかったあの柔道が、
コレを読むとそのキツさを経験した後でも、楽しそうだな柔道やってみたいなと
錯覚させてしまうのだから恐ろしいw

ワイド版、文庫版とあり作品そのものを見かけるのに苦労はしないと思われるが
もし読むならコミック版のほうがお勧め。
90年代初頭の今見ると恥ずかしい、ちょっと痛げなセンスはあるものの
安西信行、モリタイシなどを輩出(?)した伝説のイラスト投稿コーナー「絵筆をもってね!」や
カバーの四コマ漫画は本編プラスαのいい読者サービスだった。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-08-09 14:03:06] [修正:2008-08-09 14:03:06] [このレビューのURL]

かわいい魔女っ娘たちが繰り広げるドタバタコメディー
…と言えば何の変哲もない漫画のようだが
そこは近藤るるる、兄妹愛だの801同人だのロリコン不審者(しかもコレがかなり強烈!)だの
キュートな絵柄の癖にファミ通の大きなお兄さん層にちょこちょこネタを忍ばせており、
それが見る人にとっては不快感すら与えるようなエグ味を残す、なんだか業の深い萌え漫画。

前のレビューでも言われてるようにストーリー自体は薄く軽いものであるが、
出てくるキャラが非常に立っており、特にメインキャラであるトルテ、プディング、マカロン、
エクレア、グラニテの5人はそれぞれ均等にエピソードが与えられているので
この漫画を読了している頃には誰彼かの派閥に属しているかもw
00年代初めのちょっと懐かしいゲームネタも小気味良い。
かなり好きな作品だけどこの点数あたりで。まあ萌え漫画ですし。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-06 00:00:37] [修正:2008-08-06 00:00:37] [このレビューのURL]