「アルゲマイネ原野」さんのページ

総レビュー数: 131レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年01月18日

ドラゴンボール、ARIA、寄生獣、伝染るんです、更にはくそみそテクニック…
「ハヤテ」に代表されるようなネットユーザーに向けたパロディ漫画はなんでもかんでも
ネタにするので節操が無くて嫌なのだが、本作品は下手に作者のカラーを出さず
馬鹿に徹しているのでそこまで嫌悪感は感じなかった。
あとがきから察するに作者よりも担当者と原作のSNKが暴走してるからだろうか…?
「密リターンズ」や「ななか」を作った作者の人徳的なものもあるかもしれない。
でも第一巻の最終話はさすがにふざけ過ぎ。笑ったけど。

自分の中では3点か4点か迷ったがこの作品と並べられる他の作品群が可哀想なので(笑)3点。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-31 00:34:38] [修正:2008-12-01 21:44:54] [このレビューのURL]

90年代前半までは少年マガジンを中心に、「ファンタジー(冒険)」「スポーツ」
などと並んで人気ジャンルとして君臨してきたヤンキー漫画。
しかし時代が進むにつれ現実社会の気運に併せるように
単純な反社会的いわゆるネットスラングでいうDQNや暴走族=カッコ悪いのイメージが定着した。 
現在では当時の世代だった青年漫画読者層ぐらいしか既存のヤンキー路線は受け入れられず
高橋ヒロシやそれに伴った作品群に代表されるように
少年漫画ではそこそこのセンスを兼ね備えた不良漫画が主流になってしまった。
そんな中でこの「ナンバ〜」はあえてDQNの「かっこ悪さ」から発想をスタートさせた、
ヤンキー漫画としてはかなり変化球な作品。

作品は基本的にヤンキー生活に疲れ、一般的な学校生活をエンジョイしたい主人公の本音と
家族全員から立派なヤンキーとして期待される体裁のギャップに
あたふたするコメディをベースとしているので
ヤンキー漫画独特のメイン側に対する胸糞悪さが無く、作品に入り込みやすい。
なんといってもコメディ部分の主人公家族の典型的なヤンキー描写がベタだが面白い。
だがこれが過度に貶めるでもなく変に持ち上げているわけでもなく、
いい意味で明るいおバカ程度でまとめてあるので後腐れなく仕上がっている。
またシリアスパートに関しても、大丸登場の回やイジメの回にみられるように単純な勧善懲悪
ケンカで勝てば、はい解決!の様に安直な構造をとらず、それでありながら
グッと来る王道展開を作っているのでこちらも読み応えがあって良い。
メインヒロインの藤田さんが金に汚い+ちょっと性悪なところがあって
どうしても好きになれないためか、
主人公の妹のほうがDQNだけどなぜかかわいく見えてしまうのが不思議w

短所をあえて挙げるなら
登場人物の書き分けがちょっと厳しいかな?ってところと陣内の回が
ちょっとアッサリし過ぎて少し物足りなく感じた。
が、総じて見ると非常に安定感のあるおすすめの良作品だと思う。

連載はいよいよ新章がスタート。これから物語をどう終結させていくか注目される。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-12-01 21:35:28] [修正:2008-12-01 21:35:28] [このレビューのURL]

「古来日本人は同じ性を分け合っていた」
現代の感覚でいけばちょっと信じられないような話で始まる本作品。
金田一耕介の「八ツ墓村」モデルにもなった近代事件史に名を刻む津山三十人殺し事件など
多くの事件分析が行われているが背景の一因に犯人と複数の村の女性達との
夜這い関係があった事など
ちょっと裏を覗くと、文化の波及が都市部に比べ遅かった戦前の地方では
実は意外に身近にあったものであることがわかる

作品の中で特に光っていたのは村人達の描写。
嫌悪感すら与えるような外のもの(主人公)に対しての避け様と
いざ村の風習を受け、一度仲間意識を持った後のおおらかさのギャップ
そして更なる禁忌に触れたものへの集団的心理を思わせるかのような常軌を逸した行動…
日本のムラ社会的なじめっとした雰囲気をこれでもかと書き表しており
ただただ作品に引きずりこまれるかのように読んでしまった。

タブーに挑戦するかのような民俗学的アプローチのユニークさ、
少年少女の淡い青春とそれを飲み込む村の掟
コミックスの後書きにもあるように作中の小道具の使い方も実に上手い。
また、村での出来事を通した主人公の成長
後半からのジェットコースター感覚の予測のつかない物語運び
そしてエロスに次ぐエロス…

エンターテイメントを追求しながら作品を文学的な域にまで昇華させた、文句無しの傑作。
そして個人的に初めて民俗学、歴史の楽しさについて開拓させてくれたという意味で10点。

冒頭の津山三十人殺しについて
事件後、女性を「共有する」という村の習わしについて周囲の人間は口をそろえて否定し、
犯人一人の異常性にのみ槍玉に挙げたと言われています。
事実は小説より〜とはよく言ったものだと思う。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-12-01 21:35:23] [修正:2008-12-01 21:35:23] [このレビューのURL]

ベルセルク、ホーリーランドと共に長らくヤングアニマルの柱を担ってきた本作品。
作者の地力を感じさせる緻密かつ丁寧な描写が魅力的。
ただあまりキレイにまとまっているので格闘シーンの迫力を求める場面で
少々落ち着きすぎる点があるかなと感じた。
(ただ格闘シーン自体、インパクトで引っ張るでなく説明主体の理論的スタイルで
話を進めているためしょうがないかなと言う面はある。)

しかしこの作品の醍醐味はむしろ登場人物が織り成す人間関係にあり、
ローマ宮廷内で繰り広げられる、まるで昼メロのような愛憎劇(ルスカ編)が非常に面白い。
そういう意味では男性向けであるけれど、どことなく女性的な雰囲気も漂わせている。
また随所随所に挿し込まれる説明やコミックスの巻末の他、
目立たないとこだが細かい背景なんかも古代ローマの時代描写が上手く再現され
史実+フィクションストーリーのための地道な土台作りの努力に好感を覚える。

これから歴史に名高い皇帝ネロの暴虐さがいよいよ表面化されていくようなので
加速度的に面白くなることは確実。
遅筆だが今後の展開が最も待ち遠しい作品のひとつである。

しかしこの漫画、登場するイケメン男性陣が女性キャラよりずっとセクシーで何だか笑えますなw

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-12-01 21:35:17] [修正:2008-12-01 21:35:17] [このレビューのURL]

『地獄先生ぬ〜べ〜』からシリアスを抜いた感じの少しオカルト、だいぶHなギャグコメディ。
ただし絵に独特のクセがあるのでそちら方面で楽しむには人を選ぶのが難点。
とりたててコレ!と感じたところは無かったが
毎回変わる、動物の特徴にちなんだ霊障はちょっと面白かった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-12-01 21:35:12] [修正:2008-12-01 21:35:12] [このレビューのURL]

「本当にあった怖い話」など実話系ホラーを長年書き続けている作者の初単行本。
ストーリー自体は世にも奇妙な物語のような作品のが多いので
ホラーのスプラッタ描写がちょっと…という人でも読めるんじゃないでしょうか。
アッサリと端麗な画、女性漫画家特有のコマの空間を使った描写も
作風に上手い具合にマッチしている

表題にもなっている「吉沢ツムリ事務所」「エンジェルシンドローム」なんかが
独特の雰囲気でてて良作。
ただデビュー作である「やみくろ」。
何でダメか言明は避けますがこういう作品載せちゃうのはなあ…。
「作品」として成り立っていないので怒りの0点。
全体平均で4点ぐらい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-12-01 21:35:01] [修正:2008-12-01 21:35:01] [このレビューのURL]