「アルゲマイネ原野」さんのページ

ベルセルク、ホーリーランドと共に長らくヤングアニマルの柱を担ってきた本作品。
作者の地力を感じさせる緻密かつ丁寧な描写が魅力的。
ただあまりキレイにまとまっているので格闘シーンの迫力を求める場面で
少々落ち着きすぎる点があるかなと感じた。
(ただ格闘シーン自体、インパクトで引っ張るでなく説明主体の理論的スタイルで
話を進めているためしょうがないかなと言う面はある。)

しかしこの作品の醍醐味はむしろ登場人物が織り成す人間関係にあり、
ローマ宮廷内で繰り広げられる、まるで昼メロのような愛憎劇(ルスカ編)が非常に面白い。
そういう意味では男性向けであるけれど、どことなく女性的な雰囲気も漂わせている。
また随所随所に挿し込まれる説明やコミックスの巻末の他、
目立たないとこだが細かい背景なんかも古代ローマの時代描写が上手く再現され
史実+フィクションストーリーのための地道な土台作りの努力に好感を覚える。

これから歴史に名高い皇帝ネロの暴虐さがいよいよ表面化されていくようなので
加速度的に面白くなることは確実。
遅筆だが今後の展開が最も待ち遠しい作品のひとつである。

しかしこの漫画、登場するイケメン男性陣が女性キャラよりずっとセクシーで何だか笑えますなw

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-12-01 21:35:17] [修正:2008-12-01 21:35:17]