「十歩神拳」さんのページ

総レビュー数: 76レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年11月30日

この作品以上に面白い漫画や、凄みのある漫画はたくさんありますが、これ以上に「良い漫画」を私は読んだことがありません。

直球の王道的展開にして、努力・友情・愛・勝利・冒険などの少年漫画の重要要素をほとんど兼ね備えて、しかも全く押しつけがましくないという、少年漫画の教科書の様な作品。
個人的には小学生の内に読むべき漫画第1位と言っても過言ではないと思っています。

特にポップを通して描写された「勇気」は本当に奥深く描かれていて、今読み直しても感動できます。
まさに勇気をくれる漫画でした。


欠点を挙げるとすれば、作中での時間経過が余りにも短いことはが少し気になりました。
マァムの修行期間がたったの2週間だったり、ヒュンケルは5日間しか山にこもってなかったり、デルムリン島を旅立ってから最終決戦までの日数が3ヶ月足らずだったりする事を考えると萎えてしまうのが残念なところ。

それを差し引いても、まさしく名作といえる漫画でしょう。


余談ですが、「閃光のように」の陰に隠れがちであまり話題に挙がりませんが、個人的に「その瞬間、世界が輝いた」がこの漫画の最大の盛り上がりだと思っています。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-11-28 12:41:26] [修正:2011-06-15 04:30:19] [このレビューのURL]

世界観やキャラ、セリフに至るまで全てにどす黒い印象を受けました。
とにかくエグくて泥臭く、混沌とした得体の知れない世界なのに登場人物は皆嬉々としてその世界を生きているため、読者も読んでいて妙に楽しくなるのではないでしょうか。一種の雰囲気漫画としても読めると思います。

とはいえ、物語の進行に伴いじわじわと謎が解けていく構成はよく練られていて、決して雰囲気だけの漫画ではありません。

ただ、物語が修羅場を迎えているせいだとは思いますが、最近は登場人物が軒並みネガティブになってきている印象を受けるので、読んでいて若干息苦しく感じます。
個人的には前半の飄々としたキャラクターたちが好きです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-01-08 12:07:04] [修正:2011-06-15 04:03:20] [このレビューのURL]

少年漫画においての総力戦は、敵・味方ともに多数の戦力を持っていても、いざ衝突すると一人一倒のタイマン勝負になってしまうことが多かったり、主人公の独壇場になってしまうことが多いように思えます。
しかし、本作での基本的な流れは主人公勢力全体で敵勢力を打ち破った後に、敵のボス×味方勢力というスタイルが多かったのではないでしょうか。

そのため、ボス戦には味方サイドが全戦力を持って臨んでいる感がして、主人公以外も上手い具合に活躍するので、読んでいて面白かったです。

登場キャラクターも敵味方問わずキャラが立っており、それぞれの見せ場が丁寧に描かれているのもグッド。
そのため、いつだれが退場するかわからない緊張感が輪をかけて高まり、この作品の特徴の一つとなっているように思えます。

ただ、序盤は次々に新キャラクターを出す割にはそれぞれに対する掘り下げが浅いというか、個人的には登場人物のポジションやキャラ付けを把握出来ないまま次々にレギュラー化していったような感じがしたのが多少引っかかりました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-10 03:11:43] [修正:2011-06-10 03:17:13] [このレビューのURL]

特に中盤以降は漫画界のあるあるネタやパロディが基本的な構成要素なのですが、作者の毒も手伝って、この手のネタの漫画の中ではかなり面白いと思います。

ただ、個人的にはオチがあまり好きじゃありませんでした。
なんかあの最後を見たときは、それまでの面白さに水を差されてしまったような気がして、その後は本作を読み直すことはなくなりました。

本誌掲載時にはカラー等はほとんど与えられることはなかったのに、サンデーコミックスの缶バッジキャンペーンではケースのそこに地丹が描かれていたり、コナンや犬夜叉に続いてファンブックが発売されたりと、妙に愛されていた作品だったような気がします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-13 11:11:46] [修正:2011-04-13 11:33:37] [このレビューのURL]

冬目景の代名詞のような作品でしょうか。
世捨て人っぽい冬目イズムが全開で、絵柄も合わさりとても儚くて繊細な世界観や雰囲気を構築しています。

終盤には作者の心が若干柔らかくなったらしく、それが多少作品にも反映されていますが、それでも今の冬目先生にはこれほどまでに辛い物語を描くことはできないのではないでしょうか。

ただ、物語を核心に近づけるために必要だったのかもしれませんが、後半に登場したお父さんゆかりの女性は作品のテンポを少し乱したように感じました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-13 11:25:29] [修正:2011-04-13 11:25:29] [このレビューのURL]

全体で見たら全く必要のない話やグダグダな展開も結構多いのですが、面白い時は10点でも足りないくらい面白いし、爆発力が桁違いです。
また、42巻にも及ぶ長いストーリーを通してこれほど重厚で壮大なドラマを練り上げたことは驚異的だと思います。

サハラ砂漠での熾烈極めるしろがねたちの死闘や壮絶な展開の連続には、それまで私がリアルタイムで読んでいたどの漫画より凄まじい興奮や衝撃を覚えて、毎週鳥肌が立ちっぱなしでした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-11-30 11:49:19] [修正:2011-04-13 10:50:52] [このレビューのURL]

前半のシュールなギャグや登場キャラクターのインパクトが絶大な作品。

アニメ版の最終話に相当するエピソードまではその魅力が強烈でとても楽しめますが、後半は秘石の謎について中途半端に触れてバトル漫画にしてしまった挙句、方向性を見失ってしまったと思います。

それでも支持する人が多くいて、続編まで連載されたのは、先述の魅力を最大限に活かしたアニメ版の存在あってこそだと思います。
特に主題歌の「んばばラブソング」はパプワ島らしさ全開の名曲です。

gotouさんの仰ることは客観的に見ればもっともなのかと思いますが、アニメ版を含めた前半の魅力が、読者や視聴者が抱く「南国少年パプワくん」に対するイメージを明確に創り上げてしまったことが、本作の人気の理由なのではないでしょうか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-12 10:43:41] [修正:2011-04-12 10:48:20] [このレビューのURL]

少年漫画として充分すぎるほどの完成度です。

登場キャラクターも個性的だし、話のテンポも良いし、絵に迫力もある。そして何より読みやすい(少年漫画においてこのアドバンテージは大きい)。

多くの登場人物の過去や背景、必殺技の論理的な説明(かなりトンデモ理屈だけど)もうまく話に盛り込んであるし、作者コラムやファンブック等を読めばその他の様々な設定もとても作りこんであることが伺えます。

また、歴史物はヒットしづらいというジンクスをも破り、時代背景上、どうしても付きまとう様々な制約と非現実的な表現の兼ね合いも中盤までは絶妙なバランスで併せ持っているのも特筆すべき点でしょう。

割とよく言われるように人誅編は少しやりすぎな気もしますが、それでも剣心が導き出した「答」はこの作品を見事にまとめきっていますし、剣心というキャラクターを揺るぎない存在に完成させていると思いますので、個人的には嫌いじゃないです。

名作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-27 11:31:36] [修正:2011-01-27 11:50:21] [このレビューのURL]

4点 BLACK CAT

ジブリ好き!さんがパクリについて様々な疑問を投げかけていたので、その答えになるかどうかは分かりませんが少しだけ私も考えを述べようと思います。

まず、本作をはじめとする作品を「パクリ漫画」と批判する人たちは、おそらくですが多くの場合は「パクリ=悪」と考えてはいないような気がします。
問題は「読み終わっても“パクリ”という印象しか残さない」というほど、その作品自体の魅力が低いことにあるのだと思います。(稀に、悪意やネタ的な意味で侮蔑して“パクリ”と罵る人もいるかもしれませんが。)

どんなジャンルにしても、クリエイターは人間であるため、その感受性や発想の大本は過去に自分が体験してきた作品であることは間違いありません。だからジブリ好き!さんの言うとおり大概の作品は多かれ少なかれ過去の名作と重なる部分が存在するのは当然です。

では、何故「パクリ」と呼ばれる作品とそうでない作品に分かれるのか。
それはその作品だけが持つ一点の魅力(登場人物、ビジュアル、構成etc)が読者の心を揺さぶる程のものか否かということにかかっているのではないでしょうか。

具体例を挙げれば「寄生獣」です。あれは作品の根幹となるテーマや、所々のプロットはどう考えても「デビルマン」を引き継いでいます。もし「パクリ=悪」と考える読者が多いのならば、「寄生獣」もパクリ漫画と罵られているはずですが、たくさんの読者が「名作」と讃え、後世の漫画好きにも語り継がれています。
その理由はやはり、岩明先生が「デビルマン」の真髄を汲み取り、独自の解釈を含め、自らの作品として再誕させるほどの突き抜けた表現力と構成力を持っていたからでしょう。

一方、「ブラックキャット」の独自の魅力は何ですか?

もちろん、中には本作独自の魅力を見つけだしている読者もいるでしょうが、私が思うに、それほど強力な魅力はなかったように見えます。

大抵の読者をうならせるだけの能力や仕掛けもなく、ただ様々な名作を当たり障りなくくっつけただけなので、読み終わった後に評価しようにも「パクってた」ということしか言えないのです。
絵も奇麗には奇麗ですが、もっと凄い絵を描く漫画家はたくさんいるし、ビジュアル的にもどこかで見たような場面が多かったりするので、作品の評価を飛躍的に上げるほどとは個人的には思いませんでした。


つまり、「ブラックキャット」がパクリ漫画と呼ばれている理由は、単純に当時の矢吹先生に実力がなかった、本作に魅力がなかっただけだと思います。
点数が低いのも「パクっているから」というわけではないのではないでしょう。実際、パクリを気にしない方々の評価もここでは低めのようですし。
それ以外語る要素がないのですから、レビューする上で必然的にパクリという言葉が目立ってしまうだけだと思われます、多分。


もっとも、パクリを全く気にせず読める方にとってはこんなこと極めてどうでも良い話だと思いますが。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-01-27 11:06:55] [修正:2011-01-27 11:46:32] [このレビューのURL]

ヘルシングの時にも言えたことですが、ヒラコー作品はそのジャンルに対して作者の持つ圧倒的な知識が作品の礎となっているので、この人の漫画を骨の髄まで楽しむには読み手にも相応の知識が求められます。

そのジャンルに対して知識があるか否かで、同じ作品に対してでも見えている次元が大きく異なってしまうはずです。
そして本作は「異界で歴史上の人物たちが繰り広げるトンデモ大戦」なので、最大限に楽しめる読者は「そこでそいつを使うか」とか、「やっぱこの流れならこうなるよな」などという楽しみ方も出来ます。
私は歴史は苦手なので、そういう点では歴史好きの読者と比べたらどうしても楽しみきれない部分があると思います。

とは言え、さすがは平野耕太。
まだ始ったばかり(1年以上連載してるけど)にも関わらず、歴史に関して知識が浅い私が読んでも普通に面白い漫画です。

この人の漫画の魅力として、相変わらずのヒラコー節の利いた台詞もさることながら、登場人物の「表情」もあると私は思います。

この人の描くキャラクターは言葉じゃ表わせないような複雑で奥深い感情まで、何とも言えない表情で表わします。
「目は口ほどにものを云う」と言いますが、平野作品の登場人物の表情は、ヒラコー節の利いた台詞以上に心境を伝えるほど進化した表現方法なのです。
つまり、知識がなくとも感性だけで充分に楽しめる漫画だと思います。

ただ欲を言えば、載せるからには30ページ前後は描いて欲しいです。(休載の時はおまけ漫画が代載されることがあるので個人的にはOKですが)

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-09-16 11:12:36] [修正:2011-01-27 09:54:54] [このレビューのURL]