「十歩神拳」さんのページ

総レビュー数: 76レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年11月30日

テルマエ・ロマエを読んでいて、過去に風呂をネタとした漫画ということでふと思い出したのでレビュー。

当時のサンデーで読んだきりなのでうろ覚えですが、最後のほう少し面白くなってきたと思ったときに終わってしまいました。
全体を通したら「微妙」の一言に尽きます。

前作「MISTERジパング」と言い、どこか当時の椎名先生は迷走していたように思えます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-22 14:41:42] [修正:2010-11-22 14:41:42] [このレビューのURL]

この漫画は、従来のギャグ漫画とは違います。

私が思う従来のギャグ漫画とは、主人公はあからさまな非常識人であり、その人物の半ば悪意にも見える馬鹿げた行動「ボケ」により作品を混乱に陥れ読者を笑わせるというのが基本型です。
また、たいていの場合はツッコミポジションを除く他の人物や、その世界観自体がお馬鹿だったり非常識だったりします。

しかしテルマエ・ロマエは違います。本作の主人公・ルシウスは真面目な浴場建築技師であり、彼の行動理念はその殆どが仕事に対して全力で取り組むプロ根性だけです。
そして、ルシウスの周りのローマ人もまた、彼らの果たすべき役割に真面目に臨み、ただ普通に日常を過ごしているだけなのでしょう。たぶん・・・

そして、本作のもう一つの舞台となる「平たい顔族」の世界、すなわち現在の日本での出来事もまた、その世界にとっては変哲のないただの日常なのです。

つまりこの漫画には、人物にも世界観にもボケらしいボケが見当たらないのです!


では、本作の笑いの根源はどこにあるのかと言うと、それはおこらく文化の異なる二つの世界を常識×常識でぶつけ合わせた化学反応です。

ギャグ漫画の中には真面目さとシュールさを追求した「シリアスな笑い」を武器にする作品は稀に見ますが、本作の笑いにはより豊富な知識と、複数の常識的な視点を使いこなすセンスが作者に求められる分、さらにシュールで高度なギャグだと思います。

美術学校出身等の、作者の特殊な経歴により育まれた能力と感性あっての作風でしょう。

本当に面白いです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-11-22 14:21:23] [修正:2010-11-22 14:27:02] [このレビューのURL]

5点 犬夜叉

確かに皆さんのおっしゃる通り無駄に長い。
しかし個人的には、前半は少年漫画としては傑作の部類に入るものだったと思います。

それまでの高橋留美子の少年誌における代表作はドタバタラブコメ系統のものが多く、一般的にはそういった作品しか創れないという印象が強かったのだろうと思います。
しかし、るーみっくワールドには「うる星」や「らんま」等の陰に隠れて一般的に知られていないたくさんのタイトルがあります。それらの作品の中には、高橋留美子の才能がドタバタラブコメに対してだけのものではないと証明するに十分な珠玉の名作が多数存在するのです。

そして「犬夜叉」は高橋留美子がこれまで紡ぎあげてきた数多くの名作を抽出して、一つの少年漫画として調和させた最強の集大成であるはずなのです。
現代と戦国時代の双方を舞台とし、冒険、アクション、恋愛、コメディ、不気味さ、心理描写などの、るーみっく諸作品のあらゆる持ち味を詰め込んだ作風には隙がありません。

少なくとも爆流破を会得するまでは。
その後の引き延ばしによる失速感が酷い。

七人隊編あたりは引き延ばしなりにも、敵キャラが立っていたので読めましたが、白童子や魍魎丸がどうしようもなかった。
ただでさえ奈落の不死身と逃走ぶりに読者がうんざりしかけていたのに、同じようなのをさらに二体も作るなんて。
名前が違うだけで、ポジション的には結局「奈落(大)」、「奈落(中)」、「奈落(小)」ですから。
彼らが出ずっぱりの話(コミックスにして29から44巻あたり)と中盤以降の変わり映えのない構図がこの作品に「ループ漫画」のレッテルを張り、著しく評価を下げたきっかけだと思います。

ただ、45巻以降は緊張感があり、意外な展開も割とあったことに加え、他の少年漫画が全体的に不作だったこともあり、相対的に面白く感じました。

全体を評価すれば、中盤を差し引いても駄作と言いきるのはあんまりかなと私は思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-09-28 17:30:06] [修正:2010-10-27 14:41:28] [このレビューのURL]

ジャンルは「大河伝奇アクション」でしょうか。
高校生が謎の化け物と闘うという有りがちなシチュエーションで、系統的には「武装連金」とかに近い感じです。
スケールは大きかったものの、これと言って目を見張るものもなく、極めて凡作だったという印象。

比較的に近い系統の漫画では、本作と同じ掲載誌で後に始まった「ワールドエンブリオ」の方が、ほとんどの面で上回っていますが、アワーズらしい血生臭さは中々良かった感じです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-16 12:11:11] [修正:2010-09-16 12:11:11] [このレビューのURL]

5点 銀魂

ギャグパート7点、シリアスパート3点、平均して5点くらいでしょうか。
ギャグとシリアスを上手く両立することの難しさを再認識させられる漫画。

ほかの漫画家を引き合いに出すのは悪いことなのでしょうが、真面目な話の最中でも自然にギャグをはさめる作者(徳弘正也先生とか)は凄いことやってるんだなと思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-16 11:48:30] [修正:2010-09-16 11:48:30] [このレビューのURL]

「地獄先生ぬ〜べ〜」から、ギャグと怖さと熱さと格好良さとぬ〜べ〜と玉藻とゆきめと鬼と学校と5年3組などを抜いたような漫画。
失ったものはあまりにも大きい。

正直面白くはないです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-16 11:31:50] [修正:2010-09-16 11:35:07] [このレビューのURL]

普通、自分が面白いと思った漫画を語るときにはその作品の好きなところや凄いところを説明するものです。
例えば「絵やキャラが格好いい」とか、「あのシーンが心に残る」とか、「張り巡らされた複線が凄い」などのように。

ところが「幽☆遊☆白書」の場合には、いざ語るときに良い言葉が浮かびません。作画やキャラクター、台詞や展開はもちろん超一級なのですが、そんな言語化された評価では全然足りないのです。
あえて言うなら、それらの個々の要素が合わさることで生じる相乗的な何かがこの作品の魅力に思えますが、具体的に言葉では表せません。
つまり結局は、それらの要素を複合させて相乗効果を生むことのできる、富樫義博の天才的な「センス」という言葉に本作の魅力は集約されてしまうのではないでしょうか。

とにかく「幽☆遊☆白書」は天才富樫義博のセンスを実感する最適のテキストであり、人に本作の良さを分かってもらいたい場合は、最終的に「読めば分かる」になってしまいます。本作の魅力を理解するには、自分で感じるしかないのです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-05 17:44:54] [修正:2010-09-07 14:19:22] [このレビューのURL]

5点 ACONY

遅筆は最早気にならない(むしろ早いと不安)のですが、飽きっぽさだけはどうにかしてほしいです。
せっかくかつてないほどフリーダムに冬目ワールドが展開されていたのに、あんな突然見切りをつけるなんてとても残念です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-17 13:12:02] [修正:2010-08-17 13:14:05] [このレビューのURL]

3点 COPPELION

一年くらい前に書店で大量に平積みされているのを見て、当時の既刊4巻まで一気にジャケ(?)買いした作品。
正直失敗でした。

面白い面白くない以前に突っ込みどころが多すぎて全然楽しめませんでした。全巻購読しないでレビューするのも失礼かと思いますが、今後読む機会があった時に面白くなっていればレビューし直します。

でも、結構プッシュされてる作品だし、設定や題材が幅広い層に受けそうなので、今後実写映画化とかはあり得るかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-17 12:38:48] [修正:2010-08-17 12:44:53] [このレビューのURL]

戦慄した。
めちゃくちゃ面白いです。

1巻を読んだ時点で既に興奮していてすぐにレビューしたかったのですが、作品の内容上、もしかしたらすぐに失速してしまうんじゃないかという不安があったため、逸る気持ちを堪え待機していたのですが、2巻を読んだ時にきっとそれは杞憂に終わるだろうと思えたので堂々と高得点を付けます。

皆さんの仰る通り、巨人に蹂躙される人類が抵抗を続けるというシンプルなお話なのですが、容赦ない絶望感と凄惨さを描くことで強烈なインパクトを放っていて、とにかく刺激的です。しかし、過激な描写に頼りきっているわけではなく、しっかりと物語をつくり込んでいるので、心の底から「面白い」と思わせてくれます。
おそらくこの作者は、とてつもなく激しく野性的な感性を持ちながらも、それをまとめ上げる理性と知性を持ち合わせているのでしょう。

また、このようなシンプルな題材は過去に別の漫画家が使っていそうなものですが、私の知る限りでは漫画でこのような内容のものはなかったように思います(本当はあるのかもしれませんが)。
その理由は、題材がシンプルで地味だからこそ扱う側のセンスや実力が問われるからではないでしょうか。おそらく、大半の漫画家はこんな華のない題材で作品を描こうなどとは思いもしないでしょう。

地味な題材を扱った名作として私が真っ先に思い浮かべるのは「寄生獣」ですが、「寄生獣」はまだ青年誌での連載であり、時代もあくまで「実力主義」の傾向にあったはずなので、多少地味でも読者層を考えればそれほど問題は無いでしょう。
しかし本作はこの時代に、能力者もいなければ萌もない、綺麗な絵面でもないこの作風で少年誌に掲載されているのです。これはものすごいチャレンジです。
結果的に掲載誌と内容のアンバランスさがこの作品の魅力を増強していると思います。

とにかく、時代の波に逆らう硬派な作風と、自分が本当に面白いと思うものを創りあげようとする作者の姿勢に感銘を受けたので8点で。



ただ、登場人物の描き分けだけはしっかりできるようになってほしいと思います。でも画力が上がりすぎても、作品の魅力の一つである「巨人のキモコワさ」が無くなりそうで不安ですが。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-08-11 14:03:34] [修正:2010-08-11 14:35:00] [このレビューのURL]