「十歩神拳」さんのページ

総レビュー数: 76レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年11月30日

私がガンアクションが好きだということも理由の一つかと思いますが、現時点ではとても楽しめています。

近年のガンアクション漫画は、(良い意味で)インチキ銃と超人的体技を駆使して超絶バトルが繰り広げられたり、とにかくバカスカ撃ちまくって大量の薬莢描かれる作品が多いように感じます。
もちろんそれはそれで面白いし大好きなのですが、本作はそれらのパターンとは異なります。

基本は静かで硬派な西部劇風の雰囲気で、漫画にしては若干華がないように思えますが、キメるところはビシッとキメる。魅せるべき所はきちんと漫画的な表現を使ってしっかり盛り上げてくれます。
このバランスが絶妙で、皆川先生ならではのセンスがあってこそ成せる業だと思います。

これほどまでに“動”と“静”のシチュエーションを書き分けられる漫画家はそうはいないことでしょう。

また、この作風はリアルさと漫画っぽさを兼ね備える皆川先生の絵で描かれているからこそ成り立ものだと思います。


つまり本作は他のガンアクションと比較するとぱっと見は地味で面白みに欠けるように思えますが、実は皆川先生以外の漫画家ではそうそう描けない高クオリティな作品であると私は考えます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-23 11:16:43] [修正:2010-02-23 11:49:52] [このレビューのURL]

ベタベタの王道的な展開で新鮮味には欠けますが、漫画としてのバランスは非常に良く、安定感があります。

斬新で奇抜な作品を創り出せることはもちろん漫画家として最も重要な能力の一つだとは思いますが、ある程度定番化した当たり前のストーリーや展開を上手くまとめ上げることも高度な技術だと思います。

他のレビュアーの方々が仰る通り、「ダイの大冒険」と比較するとキャラクターの魅力などの多くの点で劣っていることは否めませんが、先に述べた点においては本作の完成度は高い位置にあると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-23 11:36:58] [修正:2010-02-23 11:36:58] [このレビューのURL]

7点 D-LIVE!!

スプリガンやARMS等の過去の皆川作品とは毛色が違い、数話完結のオムニバス形式の作品のため、手軽に暇つぶし感覚で読める作品。

とは言え、皆川先生の高レベルな作画で様々なメカや派手なアクションをお腹いっぱい拝める点は非常に贅沢で、手元に全巻置いておきたくなるタイトルだと思います。

週間連載にも関わらずこれほどの作画のクオリティを維持し、当然のように格好良い構図や演出を描きまくる皆川先生は業界屈指の “絵で魅せることのできる漫画家”なんだと再認識させられる一本です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-02-23 10:54:45] [修正:2010-02-23 10:54:45] [このレビューのURL]

6点 ARMS

「父ちゃんは史上最強のサラリーマンに、母ちゃんは史上最強の主婦になったんだゾ!」(by野原しんのすけ、「ヘンダーランドの大冒険」より)

しんちゃんは知らなかったのでしょう。
“静かなる狼”の存在を。
“笑う雌豹”の存在を。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-02-23 10:49:09] [修正:2010-02-23 10:49:09] [このレビューのURL]

台詞回しや登場人物、ストーリーの全てがクセが強いため、読者の好みによって評価は大きく分かれると思いますが、単純にガンアクション漫画として見れば普通に良作だと思います。

私の中では近年のガンアクションは主に「内藤泰弘型」(デタラメ人間がインチキ銃で繰り広げるトンデモアクション)と「伊藤明弘型」(超絶運動神経人間が現実的な銃で繰り広げるスーパーアクション)の二つに分けているのですが、本作は後者に該当するでしょう。

この手のノリの洋画の経験値が高く、作者と同系統の嗜好を持つ読者ならさらに数段楽しめるかと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-23 10:34:41] [修正:2010-02-23 10:34:41] [このレビューのURL]

1話目をサンデーで読んだときの衝撃はここ数年の少年漫画で一番だったのですが(特に最後のページは鳥肌モノ)、数週後には読むのが苦しくなってしまいました。

鉢かづき姫というマイナーなおとぎ話に目をつけたのはさすがだと思いますが、その他の登場人物にいまいち魅力を感じません。

特に月光は無意識にうしおや鳴海、勝と比較してしまい、どうしても好きになれません。物語を引っ張る主人公が好きになれないと、当然作品自体を楽しめなくなってしまいます。
最近物語が大きく動き始めたように思いますが、それでもサンデーで連載していた前2作に並ぶ名作になるとは到底思えません。

私の中では素点は3点くらいなのですが、新境地を開拓しようとするプロ根性を作品から感じるので+1点してこの点数です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-02-10 11:15:30] [修正:2010-02-10 11:15:30] [このレビューのURL]

とにかく渋い。そして静かに熱い。
カバーのデザインも相まって完成された雰囲気が漂っています。

短期連載のためエピソードが少ないのが難点ですが、あまり多くても雰囲気を損ねる気がします。

とりあえずもう一巻分くらいは続編が読みたいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-10 10:52:24] [修正:2010-02-10 10:52:24] [このレビューのURL]

この作品は理屈抜きにして、エンターテイメントとしてそのスケールと迫力を楽しむべき作品だと思います。

よくストーリー性の低さを指摘される方もいますが、確かに近年のジャンプの看板漫画であるワンピースやその他の多くの重厚なストーリーを持つ作品と比較すれば、その面での完成度は劣っていると言えます。

しかしドラゴンボールは複雑な複線などを一切排除したからこそ、鳥山先生の能力をフルに生かした極上のエンターテイメントとして完成されているのではないでしょうか。

また、作者の価値観や思想、感動などを読者に押し付ける場面も皆無で、読者は自然に感じたままにワクワクしたり感動したりできることも魅力の一つだと思います。そこに物足りなさを覚える方も多いかと思いますが、少なくともドラゴンボールにおいてはその淡白さがストーリーのシンプルさと調和して、絶妙なバランスを保っているように思います。

もし他の漫画家がこのようにエンターテイメントに徹したシンプルなバトル漫画を作ろうとしても、おそらくドラゴンボールには及ばないはずです。


ドラゴンボールは単純にして唯一の、純粋なアクション漫画の金字塔なのです。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2009-11-28 12:33:07] [修正:2010-02-10 10:35:54] [このレビューのURL]

ストーリー自体は基本的には王道的な展開で、且つ綺麗にまとまっているため割と誰が読んでも楽しめると思います。スケールも大きく、最終巻が一番面白い数少ない名作です。
ストーリーだけの評価でも8点前後はつけられると思います。
それに加えてアクションシーンが素晴らしい。

多くのレビュアーの方々が言われているように、アクションシーンはかなり解り辛いと思います。
しかし、そのわかり辛さは、描かれている描写や構図が余りにも奇抜で凄まじすぎるために生じたものだと思います。
これほどまでに凄いアクションは他の作品では見ることはできないでしょう。

特に9巻以降のアクションは、漫画という媒体で表現できる描写の限界点に到達しているのではではないでしょうか。個人的にこの作品はアクション漫画の一つの完成形だと考えています。


また、奇抜なキャラクターやおバカウェポンの数々も大きな魅力だと言えるでしょう。星雲賞の名に恥じない傑作だと思います。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2009-11-28 12:47:24] [修正:2010-02-04 11:06:30] [このレビューのURL]

冬目先生の作品は基本的には好きですが、本作は冬目作品では一番微妙でした(lUNOを除く)。
序盤は「何か起こりそうだ」という雰囲気やかなり謎に包まれた設定が魅力的で期待感を募らせましたが、結局全部小さくまとまってしまい、オチも「ふーん・・・」って感じです。

なんか全編通して他人事っぽいというか、「こういう出来事があったんだよ」ということを第三者視点で淡々と語られている感じがしました。

登場人物にも感情移入できなかったし、「羊のうた」や「イエスタデイをうたって」のように心の奥底に届くものもなく、いまいち心に響かない作品でした。

とはいえ、いつも通り、冬目作品特有の雰囲気は堪能できるので、新刊が出なくて冬目成分が不足してきたときの臨時補給なんかには打って付けかと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-30 11:30:27] [修正:2010-01-30 11:49:32] [このレビューのURL]