「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

ヤクザ、超能力者といった社会からやや外れた人たちの日常をユーモラスに描いた漫画。

パッと見は地味だがやってる事は非常に高度。
作中の登場人物は誰しも実に人間らしい。
彼らには彼らの事情があり、仲間同士で配慮しつつもあくまで身勝手に振る舞っている。
当人たちは大まじめだし、何もおかしな事はしていないのに、
それを外から眺めると大爆笑になってしまう。

コマ割りやセリフの整理も行き届き漫画として無駄なところがない。

ストーリー的には良い話の裏側のクソ話が多い。
例えば、ずっと友達だよと言いながらしれっと裏切って
裏切りで得た余裕を使いその友達を助けるといったイメージ。
毎回で主人公を変えるショート形式で、どこから読んでも大丈夫。
だが気に入ったなら最初から読んでみるのがオススメ。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-07-25 08:58:02] [修正:2016-07-25 09:02:46] [このレビューのURL]

舞台は未来社会。
人間、ヒューマノイド、ロボットが共存している。

社会的に3者は違った扱いになっており、
人間は人間。
ヒューマノイドは機械とコンピュータでできた人間。
ロボットは機械。

主人公はヒューマノイドを治療する医者。
漫画としては手塚治虫のブラックジャックに近い。
さまざまな患者が怪我や病気で重大な選択を迫られる。
医者の立場からそれを見守る短編形式の漫画。
それぞれの患者の選択は客観的に良い悪いを判断できるものではない。
身勝手であろうと、その決断こそが「人間の証明」だというような話。

ジャッジしない、導かない、選択を尊重する。
この距離感が新鮮で押しつけがましくならず、読者にも想像や解釈の余地を与えてくれる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-07-24 20:19:05] [修正:2016-07-24 20:19:05] [このレビューのURL]

おそらく作者はちょっと変わった兄妹コメディとして描き始めたはずが、
あちこちが上手くハマりすぎて手に負えなくなってしまったので、
早く手じまいした漫画。

1?2巻では説明的な日常コメディからよりシリアスなテーマへ進みそうな印象を受けていた。
互いに依存する兄と妹、周囲の人間関係、化け物と人間の共存、などなど。

だが、物語はシリアスへもコメディへも進まない。
どうにもページを埋めるのに苦労している印象になり、
無意味なキャラクターを出したりしながら結局は最終回までほぼ何も変わらなかった。

深読みせずに妹がカワイイ漫画として読めばまぁそこそこ。
というか妹のカワイさは本当にスゴくて点数のほとんどがソコ。

作者はほかにショートコメディ漫画を手掛けていて、
そちらはスムーズでキレが良い。
今後はそちらで才能を発揮していくのだろう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-07-24 17:42:11] [修正:2016-07-24 17:42:11] [このレビューのURL]