「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

少しふしぎな短編シリーズ。
毎回で異なる登場人物がおかしな出来事に遭遇する。
今でないいつか、ここでないどこか、人でない何者かに触れて、
大事な事に気づいたり思い出したりする。

よくこれだけ丁寧に作り上げるなと感心するが、さすがに似たような話が多い。
雑誌の中で1話なら十分に面白いだろうが、単行本でまとめて読むとさすがに飽きる。
密度が高く奥行きがない紙面は読みやすいとは言えないし、
結局同じようなテーマの作品ばかりなのに、毎回違う設定を把握するのが面倒。
また似たような話しは物語のリズムも似てしまっている。
ここでこうなって、次はこうきて、オチはこうだろうなぁという読者の予想を超えてくれない。

1つのテンプレを使い続けるならもっと突き詰める。
あるいはマンガとしてのバリエーションを増やすなどの工夫が欲しい。

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[投稿:2016-10-15 12:58:44] [修正:2016-10-15 12:58:44] [このレビューのURL]

12年ごとひつじ年のクリスマスに人が殺され臓器が奪われるサスペンス。
細かく設定を説明すると長くなるので省略。
要はツンデレ少年ユキムラが探偵で、トボけた大女フセギが助手になってひつじ殺しを追う漫画。

ストーリーの焦点はあくまでひつじ殺し。
なぜ12年ごとに人を殺すのか、何者か、そして次の事件は防げるのか。
間延びせず緊迫感を保っている。
それでいながら、ほがらかな日々の仕事や生活を丁寧に描いている。
ストーリーの前景と背景のバランスがよく、それ以外の不純物がない。

感心するのはオキナガの設定。
これも詳細はすっとばすが、要は不老長寿の特殊能力者。
オキナガは老いずに何百年も生きてしまう。
後悔や苦悩はいつまでも消えない。理解しあった人間とも死に別れる。
死なないからこそオキナガは強い執着を持つ。それがドラマの根源になっている。

単行本9巻現在、いよいよひつじ殺しの正体が見えてきた。
結末が気になる。


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[投稿:2016-10-01 11:09:35] [修正:2016-10-01 11:09:35] [このレビューのURL]