「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

舞台は現代日本。主人公は高校の生徒たち。
この世界には人間と一緒にエルフやドワーフなどが少数ながらも暮らしている。
ただし、それほど人間と変わらない。

漫画は学園ラブコメ。
個性的なキャラがたくさん登場して、恋や友情やイベントでドタバタしつつひたすら楽しい。

ただ、作品のテーマや構成が整理されていない。
作者の考える面白さを全部入れようと熱いエピソードを並べてくるが、全体としては散漫な印象。
物語の本筋がアイマイなまま雑多なキャラがちょろっと出ては消えてまた出てくる。
もう少し絞り込むとグッと読みやすくなると思う。

学園ラブコメがごく一般的だった時代なら、読者もこういうものだと思って読んだろうが、
可読性を担保するために要素を削ぎ落す漫画が多い現代だと、やや古臭く感じる。

作者の情熱と能力は高いが難しい事に不用意に挑戦して困ってしまっている。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-17 21:43:16] [修正:2017-10-17 21:43:16] [このレビューのURL]

7点 雪人

舞台は現代日本の新宿。主人公は若い刑事。
刑事を辞めて父の真相をさぐるため新宿へやってきた雪人(ユキト)。
ベテラン刑事、かわいい女子高生、ダンディなヤクザと様々な人に助けられ真実へと突き進む。
すったもんだするけど、お前なら大丈夫だガンバレ雪人!という漫画。

男の色気とはコレである!という確たる信念が清々しい。
理想の男とそうでない男という単純な描き分けをもんでんあきこはしていない。
色々な種類の男性的魅力を多くの男キャラに割り振って、
各々のキャラがそれぞれに魅力的であるように丁寧に描き上げている。

正義感の強い真っすぐな雪人。孝と情にはさまれて耐え忍ぶヤクザ。
俗だが面倒見の良い刑事。追い詰められて足掻く野獣のような男。
どこまでも頼りになる弟分。精一杯の勇気で筋を通すチンピラ。
主役から脇役まで粒ぞろいなので、お気に入りのキャラをみつけて楽しもう。

大沢在昌の「北の狩人」が原作で話はちゃんとしている。
おかげで読者は最後まで何も心配せずオッサンに萌えてればOK。
頭空っぽにしていれば爽やかな読後感が約束されている。オススメ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-13 18:09:34] [修正:2017-10-13 18:10:09] [このレビューのURL]

16歳の未亡人が夫のお父さんと暮らす漫画。
おかしな縁で一緒にいる事になった桃(モモ、女の子)と紫(ユカリ、オッサン)の生活を描く。
見知らぬ2人のぎごちなくも温かく刺激的な生活の様子が面白さ。

まず、設定がすごく重たい。
前作「ヤンデレ彼女」はほのぼの4コマで始まって、
笑いながら徐々に暗さを出して、最後に大団円でまとめた。

今作もほぼ同じようなテーマを扱うが、まず最初に暗い。
その暗さを笑いで上書きする構成になっている。
これがどうも効果的でない。
笑い部分は面白いのだが、どうせこの先は・・・と素直に笑えない。
話しが進むにつれ笑いの比重も下がって、景気が上がらない。
単行本4巻あたりでいよいよ暗さがマックス。
この後、やっぱりハッピーエンドにするのだろうが、それだと前作から進歩がない。
良い意味での裏切りを期待する。

読者に作風がバレてもはや新鮮さはない。
この先は完成度を高めるか、新しい事をするか、いずれにせよ挑戦が必要だろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-10 13:00:17] [修正:2017-10-10 13:00:17] [このレビューのURL]

女ばかり5人の明日葉家にムコが来た!。
一軒家にギュウギュウ女が溢れる中に一人の男。
狭いながらも仲良く楽しく暮らすという漫画。

女キャラが盛りだくさんでお色気シーンがやたら出てくる。
その合間に母性愛、家族愛を挟み込んでいるが全体として意味不明。
読者が何を楽しめばいいのかわからない。

テーマの絞り込みがとにかく甘い。
キャラクターに感情移入させる工夫があるでなく、
たくさんの女と一人の男が一緒に暮らす苦労を描くでもない。
家族の歴史と新しい家族という切り口もなく、
主人公である新婚カップルの緊張や期待にスポットはあたらない。
大家族の賑やかな暮らしが楽しそうに見えない。
ただ、なんとなく各キャラで順番に乳尻太ももを出してページを埋めているだけ。

密度の高い絵を丁寧に描いているのは素晴らしいが、
ベテラン作家だけにもっと整理された仕事を期待したい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-10 08:56:33] [修正:2017-10-10 08:56:33] [このレビューのURL]