「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

5点 DAYS

高校サッカーの漫画
敵も味方も全キャラ主人公みたいな作品。

やたらキャラの立った魅力的な奴らがドラマチックなサッカーバトルを繰り広げる。
序盤はサッカー初心者の主人公を中心に少ないキャラで話をまわすが、中盤からはドカ出し。
キャラが多数登場して名前を覚えきれないし、
負けた奴らも解説役として居座るのでキャラが減らない。

エモいセリフの応酬がひたすら続く。
話が盛り上がるというよりはサッカーのシンプルな楽しさを失っていると思う。
青春スポーツ漫画の良さが詰まった作品だが、
ジャンルの根本的な課題に工夫をしてほしかった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-05-08 15:08:35] [修正:2020-05-08 15:26:56] [このレビューのURL]

離婚や再婚の繰り返しで複雑な関わりになった3姉妹+少女が
鎌倉で改めて4姉妹になっていく話。
傷ついた心をやさしく癒す鎌倉の魅力が詰まった漫画。

物語は序盤、中盤、終盤の3部構成。
序盤ではキャラクターの人となり、鎌倉の風土の紹介。
中盤はキャラクターが互いに関係を深めていく。
終盤は時間の流れとともにゆるやかに関係が変化して、
それぞれが巣立っていく。

序盤はすばらしい。
新しい街、新しい家族、新しい友達と何もかも新鮮。
だが中盤からは展開の焼き直しが多い。

単行本4巻ぐらいから何もかも予定調和でヌルい。
結局は仲良し同士で良かったね良かったねと言い合うだけ。
描写は丁寧で美しいが、9巻もかけるような話ではなかった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-03-11 12:49:54] [修正:2019-03-11 12:49:54] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

学園もの+ヒーローの漫画。
超能力をもつヒーロー候補生の少年少女が大量に出て戦う。

序盤はすごく良い。
才能豊かな周りの奴と熱意以外にない主人公の対比。
襲い掛かる凶悪な敵、頼もしい大人たち。
すこしおかしなデザインと丁寧な絵柄も好感。

しかし中盤からの中だるみが酷い。
何も解決しないのに次々に新しいキャラが出てくる。
目先を変えるのに一生懸命になってしまい、
本筋のテンションが下がる悪循環。
しまいには主人公が誰かすら判らない。

しっかり終わったほうがいい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-02-10 07:20:11] [修正:2019-02-10 07:20:11] [このレビューのURL]

舞台は現代日本の高校。登場人物は青年心理研究会(青心研)の部員たち。
すぐに人を好きになってはふられてしまう女子高生「にま」が主人公。
個性豊かなキャラがそれぞれに恋愛のすったもんだで大騒動。
そこにお人よしのにまが絡んでいって・・・という話。

誰かの恋を応援したり見届けるような話をいくつかやって、
にま本人の話になり、楽しく可愛く美しく楽しく!みたいな。
無闇にドロドロした内面を描かずに善意と笑いで正面突破する。
読みながらキャラクターに感情移入してしまって、応援したくなる感じ。

物語も絵も読みやすく正直な作家性。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-02-15 09:52:29] [修正:2018-02-15 09:52:29] [このレビューのURL]

舞台は現代日本。主人公は高校の生徒たち。
この世界には人間と一緒にエルフやドワーフなどが少数ながらも暮らしている。
ただし、それほど人間と変わらない。

漫画は学園ラブコメ。
個性的なキャラがたくさん登場して、恋や友情やイベントでドタバタしつつひたすら楽しい。

ただ、作品のテーマや構成が整理されていない。
作者の考える面白さを全部入れようと熱いエピソードを並べてくるが、全体としては散漫な印象。
物語の本筋がアイマイなまま雑多なキャラがちょろっと出ては消えてまた出てくる。
もう少し絞り込むとグッと読みやすくなると思う。

学園ラブコメがごく一般的だった時代なら、読者もこういうものだと思って読んだろうが、
可読性を担保するために要素を削ぎ落す漫画が多い現代だと、やや古臭く感じる。

作者の情熱と能力は高いが難しい事に不用意に挑戦して困ってしまっている。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-17 21:43:16] [修正:2017-10-17 21:43:16] [このレビューのURL]

5点 犬神

舞台は現代日本。主人公は男子高校生フミキ。
フミキは不思議な犬23と出会う。フミキと23は友達になり心を通わせていく。
23は人語を解し角と触手で戦う犬神の一匹。
犬神は何のために世に現れたのか、社会はどうなるのか、そしてフミキは。
といった話し。ありていに言えば犬の寄生獣。

犬はよく描けている。
深い目に吸い込まれる感覚がしっかりと表現できている。
走ったり転がったりと表情豊かな様も美しい。

だが、それ以外はよく言って平均点。
ストーリーや人間のキャラ立て、犬神の設定などが全く興味をそそらない。
強いて言えば悪役の顔芸が面白いぐらい。

スプラッタ描写も派手だが、結局はフミキと23は死なない。
犬神だから無敵、犬神の友達だから無敵という理由で傷つくことがない。
結局は恐ろしさはなく絵ヅラが気持ち悪いだけ。

もう少しマンガとして頑張ってほしかった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-08-16 14:17:17] [修正:2017-08-16 14:17:17] [このレビューのURL]

現代日本の高校を舞台に、ごくごく普通の女子高生の日常を暖かく描く漫画。
10代の悩みや不安、友人への尊敬や配慮、異性への淡い関心.etc。
女子高生の青春ってこうですよねといった感じ。

この作者にしては平凡な出来といった印象。
同じテーマを扱った既存の作品とくらべて特に優れた点がない。
手抜きではないのだろうが、漫画として答えを出せていないと感じた。

主人公たちは年若く外から干渉されやすい。
年長者の愛情であれ何であれ、翻弄される事に無自覚に疲れている。
だから価値判断を自分の中に持ちたいし、自分を取り戻したいと思っている。
そして同じ疲れを共有する仲間を大事にしている。
それは「女子高生の青春」の描写としてはすごく頷ける。

ただ、漫画らしさという意味で物足りない。
年若いが故の苦しみをそう自覚できず、年長者に守られながら、
ただ仲間と励まし合い日々を過ごすのは現実的過ぎて味気ない。
やはり覚醒して世界への態度を自ら定める、という事であってほしかった。

漫画として何をどう描くかを明確にできる作者だと思うので、この作品はいささか残念。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-12 22:37:05] [修正:2017-03-12 22:37:05] [このレビューのURL]

5点 アビス

[ネタバレあり]

怪物に襲われて生き延びる漫画。
怪物と超能力で戦うゲーム的な謎解きバトル。

絶体絶命の状況も怪物の特性や能力を駆使して冷静に切り抜けていくのがポイント。
ジョジョの奇妙な冒険第2部を意識したつくりになっている。
バトルギミックが凝っていて面白い。
怪物も恐ろしくグロテスクで生き延びるとホッとするし、
また別の怪物に出会うと絶望する。

で、この漫画のオチはループもの。
終盤で任務に失敗した主人公が状況をリセットする能力を発動する。
序盤まで巻き戻って再度やりなおし。死んだ仲間も生き返っている。
みんな記憶は失っているが過去に倒した怪物は答えを知っているパズルのようにクリアできる。
主人公の冷静さや数々の伏線もキレイに説明がついた。
さらに、タイトルのアビス(深淵)とはこの状況そのものを指しており、
限りない繰り返しの果てにいつか全てをクリアできるかもしれない、といった事らしい。

凝った作品だが漫画としては説明的に過ぎる。
これが実際に繰り返しプレイするゲームなら説得力があっただろう。
度々の失敗を意味のあるものにして、エンディングを目指す動機を高めてくれる。
だが漫画では面白さが高まるわけではない。

また、作画も途中から苦しい。
場面や怪物、キャラクター、小物などの見分けがつかなくなってくる。
扉絵ではしっかりキマっているので勿体ない気がした。

才能は豊富だが、漫画を作る力が不足している印象。次回作に期待。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-02-10 10:50:30] [修正:2017-02-10 10:50:30] [このレビューのURL]

架空の王国を舞台に貴族や庶民、人々の暮らしを描く短編シリーズ。
個性的なキャラクターがケンカしたり仲よくしたり。
物語らしい物語はなく、登場人物の暮らしを観察して楽しむ感じ。

非常に風変わりな作品。
マンガとしての起承転結、キメ、オチ、キャラクターの役割分担などをほとんど無視している。
それでいて決して手抜きや雑味はない。
もし、こんな世界でこんな人たちが暮らしていたら、おそらくこうであろうという事を描いている。
少女漫画ではあるが、作中イヤな事は起きるし非倫理的な振る舞いも多い。
それでいて誰にも人間らしく憎めない部分があり、何となくページをめくってしまう。

情熱とセンスは抜群だが、技術は今一つだし物語展開は実のところ不自然。
波長があえば理屈抜きで楽しいが、嫌う人がいてもおかしくない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-12-28 01:57:30] [修正:2016-12-28 01:57:30] [このレビューのURL]

少しふしぎな短編シリーズ。
毎回で異なる登場人物がおかしな出来事に遭遇する。
今でないいつか、ここでないどこか、人でない何者かに触れて、
大事な事に気づいたり思い出したりする。

よくこれだけ丁寧に作り上げるなと感心するが、さすがに似たような話が多い。
雑誌の中で1話なら十分に面白いだろうが、単行本でまとめて読むとさすがに飽きる。
密度が高く奥行きがない紙面は読みやすいとは言えないし、
結局同じようなテーマの作品ばかりなのに、毎回違う設定を把握するのが面倒。
また似たような話しは物語のリズムも似てしまっている。
ここでこうなって、次はこうきて、オチはこうだろうなぁという読者の予想を超えてくれない。

1つのテンプレを使い続けるならもっと突き詰める。
あるいはマンガとしてのバリエーションを増やすなどの工夫が欲しい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-10-15 12:58:44] [修正:2016-10-15 12:58:44] [このレビューのURL]

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