「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

他人のために体を張ることを躊躇わない主人公が、
「クガイ」の力を手に入れて、妖怪と戦うお話。

漫画としての面白さは、実に単純。
恐ろしい妖怪が主人公に近い人を襲い、あわや死にそうになるところで、
主人公が登場し、ボロボロになりながら勝利。めでたし!以上。

設定や物語はありきたりながら可もなく不可もなく。
だが漫画表現に稚拙さが目立つ。
勢いは良いが、紙面全体が雑で見づらい印象。

今後は、漫画としての密度を上げながら、現在の力強さをキープできるかどうかが課題になるだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-05-21 17:23:39] [修正:2012-05-21 17:23:39] [このレビューのURL]

ムチムチ美女のミツヨシが若様を守って虫の化け物と戦うチャンバラ活劇。
ダイナミックな構図やエッジの効いたシルエットの見せ方など表現の端々にアメコミ的なセンスがちりばめられて実に美しい。

が、単行本3巻の時点で連載が中断。
その後、ミツヨシ完結編として2冊にまとめられたが、
断片化されすぎた物語は、ほとんどツジツマが合っていない。
終わらせることだけが目的の残念な仕上がりとなった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-05-14 17:07:49] [修正:2012-05-15 18:20:01] [このレビューのURL]

ゲームに没頭していた作者の少年時代のエピソードをベースに、
昭和的なラブコメを足した漫画。

漫画としての面白さは、レトロゲームのあるあるネタとヒロインの暴力。
ゲームネタは丁寧に描かれているので、世代の異なる読者でもなんとなくは解るだろう。
おしとやかなヒロインが突然ムチャをするのは、絵ヅラが面白いのと、
無口な人間の内面を垣間見るようで、ヒロインへのときめき度を上げる効果がある。
クラスの誰も知らないアイツの正体を俺は知ってるぞ、というところか。

しかしながら、そのヒロインが何故主人公に好意を抱くのかについては、かなり乱暴。
唯一のゲーム友達だったから、というのは初恋の理由には十分だが、
作品をまわしていくにはキツイ。昭和ラブコメの難点だろうか。
単行本1巻の終盤で、それに対する措置がとられるのだが、さて2巻以降はどうするのか。

雑考:「ピコピコ少年」と「ハイスコアガール」
より直接的に自伝として描いた「ピコピコ少年」といくつかのエピソードが被っている。
ピコピコ少年を読んでからハイスコアガールを読むと、
ラブコメ部分の作り物感とゲームネタ部分の共感の差異が際立って、
読者としては白けた印象を受けた。
それぞれの作品は何も悪くないので、文句ではないのだが、
やはり勿体無さを感じる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-05-15 11:16:32] [修正:2012-05-15 11:23:59] [このレビューのURL]

骨格以外の全てが醜い女だったりりこ。
全身を整形し完全な美女になったりりこの破滅を美しく描いた作品。

岡崎京子は漫画がものすごくうまい。
エピソードの並べ方、言葉の選び方、感情と理性のバランス、
漫画全体が絶妙な切れ味で読者を引き込む。
「こんな話」と説明するのが簡単で、
「どんな話」になるのか続きを読みたくてたまらなくなる。

芸能界に興味がなく、キレイでコワイところ、といったふんわりしたイメージの方に、オススメできる作品だと思う。

映画版も見てみたくなった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-05-15 10:52:44] [修正:2012-05-15 10:54:39] [このレビューのURL]