「Scrooge」さんのページ

ゲームに没頭していた作者の少年時代のエピソードをベースに、
昭和的なラブコメを足した漫画。

漫画としての面白さは、レトロゲームのあるあるネタとヒロインの暴力。
ゲームネタは丁寧に描かれているので、世代の異なる読者でもなんとなくは解るだろう。
おしとやかなヒロインが突然ムチャをするのは、絵ヅラが面白いのと、
無口な人間の内面を垣間見るようで、ヒロインへのときめき度を上げる効果がある。
クラスの誰も知らないアイツの正体を俺は知ってるぞ、というところか。

しかしながら、そのヒロインが何故主人公に好意を抱くのかについては、かなり乱暴。
唯一のゲーム友達だったから、というのは初恋の理由には十分だが、
作品をまわしていくにはキツイ。昭和ラブコメの難点だろうか。
単行本1巻の終盤で、それに対する措置がとられるのだが、さて2巻以降はどうするのか。

雑考:「ピコピコ少年」と「ハイスコアガール」
より直接的に自伝として描いた「ピコピコ少年」といくつかのエピソードが被っている。
ピコピコ少年を読んでからハイスコアガールを読むと、
ラブコメ部分の作り物感とゲームネタ部分の共感の差異が際立って、
読者としては白けた印象を受けた。
それぞれの作品は何も悪くないので、文句ではないのだが、
やはり勿体無さを感じる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-05-15 11:16:32] [修正:2012-05-15 11:23:59]