「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

不老の男ロブは100年ぶりに刑務所を出た。
刑務所前でたたずむロブを拾った少女シェリー。
2人はレディ&オールドマンとして運び屋の仕事を始めた。
ロサンゼルスの裏社会に踏み込む2人の冒険を描く漫画。

出だしが素晴らしい。
スタイリッシュな絵柄とコマ割り。
魅力的なキャラクター、魅力的なやりとり。
レディがバイクを運転しオールドマンがサイドカーに座る。
風に吹かれて走るバイク。オノ・ナツメの美的センスにしびれる。

だが、途中から漫画として迷走した。
元々活発な性格のレディ主体で話が動くのだが、
あまりにロブの主体性がなさすぎ。
結局レディ&オールドマンを描けずに脇役の話になってしまった。

当初は裏社会の危険さが表に出ていたが、なし崩しにみんな仲良し。
読んでいて全く緊張感がない。
最終回も終わりの空気感を読んで終わるみたいな感じ。
作者にも読者にも残念な作品という印象。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-07-04 09:00:45] [修正:2021-07-04 09:00:45] [このレビューのURL]

4点 Dr.STONE

世界中の人間が石化して数千年。
文明は崩壊し原始時代に戻ってしまった。
石化から蘇生した人々は文明を復興しながら原始世界の覇権を争う!

ロビンソンクルーソーや15少年漂流記のような科学冒険小説が元ネタの少年漫画。
限られた材料から知識と挑戦でいろんな物を作りだすのが面白さ。

徹底してわかりやすく小学生向け。ご都合主義のレベルを超えてゲームっぽい作りになっている。
尖った石+木+つる=槍!とかそんなん。

読者が面食らうほど割り切った構成をどう評価するか。
個人的にはやりすぎだと思いこの点数にした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-04-06 11:53:18] [修正:2019-04-06 11:53:18] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

父子家庭の親子と女子高生が主人公の料理漫画。
妻に先立たれ子育てに苦労する父を見かねた女子高生が
いっしょにご飯をつくろうともちかけて・・・という話。

冒頭から序盤は抜群。
なぜ彼らが一緒に食事をしなければいけないかが丁寧に描かれている。
女子高生の側にもただの同情ではなく家族の食卓が必要なのがよく伝わる。
傷つき悲しい人たちが寄り添う姿をあたたかく美しく描く。

しかし中盤から一気にダメになる。
父子と女子高生がそれぞれに成長するに従い、関係を続ける理由が希薄になる。
なんとなく平和に日々が過ぎていく。

物語の大きなテーマが時間。
母を失い絶望する父子にも、進路に悩む女子高生にも時間は容赦なく過ぎていく。
その中でキャラクターが抗ったり選択したりといった事が
漫画的に求められるはずだが、本作では読者にとってなにも起きていない。

昔話に、いつまでも幸せにくらしましたとさ、という常套句を
そのまま漫画にしたような後半部分。
作画は素晴らしいがそれだけでは楽しめない。

漫画をつくる力が不足しているので、次回作に期待。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2019-02-07 18:12:16] [修正:2019-02-07 18:12:16] [このレビューのURL]

魔法が普及した王国で生まれつき全く魔力を持たない少年アスタ。
最強の魔法使い「魔法帝」を目指して肉弾バトルを繰り広げる。
仲間とともに恐ろしい敵からみんなを守れ!みたいな感じ。

目新しさは何もないが、展開が速くてスムーズ。
そのリズムの良さでどんどん読めてしまう。
既存作品をよく研究して取り込んでいる。
言ってしまえばパクリの連続だが、この作品では要素を消化して読みやすさを突き詰めているのが高評価。
単純にマンガが上手い。

とは言え、最後までオリジナリティなしというのも物足りないので、今後の展開に期待。
また、これほど技術が高いなら野心的な作品も読んでみたい気がする。
もっと複雑な話、あるいは極限まで単純な作品ならどういう漫画にするのだろうか。

後半になるとキャラが多すぎる。
ウギャー、ウワー、ウォー、ドッカーン。
予定調和がいきすぎて退屈でしかない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-08 10:39:55] [修正:2019-01-06 08:21:50] [このレビューのURL]

舞台は大正時代の日本。鬼に家族を惨殺された少年が主人公。
半分ぐらい鬼になってしまった妹を連れて鬼と戦うバトル漫画。
主人公は仇を討ち、妹を人に戻せるだろうか?

とても良い漫画。物語の導入が丁寧。
家族を殺された悲しみや残った妹が鬼になってしまった絶望、
力を手に入れるための修行の苦しみや師匠・兄弟子の支えなど、
主人公に感情移入させるための仕掛けがみっちりと詰まっている。

鬼とのバトルも小気味よいアクションがスムーズで見やすい。
キャラクターデザインも秀逸。
鬼の禍々しさや主人公の正直さ、妹の儚くも恐ろしい美しさが、十分に表現されている。
作者の狙いではないかもしれないが、微妙にザラついた絵柄も大正時代のイメージにあっている。

かなり重たい話でスプラッタな描写も多いが、緊張を緩和するコメディリリーフも面白い。
弱虫で泣き言ばかりだが気絶すると無敵になるって便利なキャラだなぁ。

冒頭から中盤にかけてほぼ非の打ちどころがなく、誰にでもオススメできる。
ここからクライマックスへどう盛り上げていくか、連載が気になる作品のひとつ。

単行本10巻以降、似たような展開が続く。
恐ろしい敵→苦戦→味方奮闘→圧倒的にピンチ→味方死亡+主人公ボロボロ→一発逆転。
大味でメリハリが失われた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-01-16 12:48:05] [修正:2019-01-06 08:17:10] [このレビューのURL]

16歳の未亡人が夫のお父さんと暮らす漫画。
おかしな縁で一緒にいる事になった桃(モモ、女の子)と紫(ユカリ、オッサン)の生活を描く。
見知らぬ2人のぎごちなくも温かく刺激的な生活の様子が面白さ。

まず、設定がすごく重たい。
前作「ヤンデレ彼女」はほのぼの4コマで始まって、
笑いながら徐々に暗さを出して、最後に大団円でまとめた。

今作もほぼ同じようなテーマを扱うが、まず最初に暗い。
その暗さを笑いで上書きする構成になっている。
これがどうも効果的でない。
笑い部分は面白いのだが、どうせこの先は・・・と素直に笑えない。
話しが進むにつれ笑いの比重も下がって、景気が上がらない。
単行本4巻あたりでいよいよ暗さがマックス。
この後、やっぱりハッピーエンドにするのだろうが、それだと前作から進歩がない。
良い意味での裏切りを期待する。

読者に作風がバレてもはや新鮮さはない。
この先は完成度を高めるか、新しい事をするか、いずれにせよ挑戦が必要だろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-10 13:00:17] [修正:2017-10-10 13:00:17] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

舞台は現代日本。主人公は男子高校生キイ。
とつぜんに魔法少女の軍団に襲われて人が殺される。
抗うためにキイは仲間と力をあわせて以下略。

ほとんどただの思い付きで始まったような作品だったが、
バトルが面白かったりキャラ立てが良かったので長期連載に。

ただ中盤で世界の秘密(魔法少女の役割や黒幕)が出てくると、説明のための説明が多くなり今一つに。
さらに時代がとんで大人になった主人公たちが出てきたり、
魔法少女が仲間になったり、過去に戻ったり宇宙の敵になったりで、
読者を置いてきぼりにしつつ原状回復して雰囲気で仲間に感謝して終了。

単行本15巻つかった割にはオチが弱く残念。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-08-24 16:29:29] [修正:2017-08-24 16:29:29] [このレビューのURL]

血のつながらない姉と弟は親がおらず二人で暮らしている。
姉弟と周囲の人々の日常と食事を描く漫画。

美味しい料理を親しい人と食べる素朴な幸せ。
なんとなく自分でも作ってみたくなる感じ。
絵も丁寧で良い。

だが、時折り挟まるエッチな要素が気になる。
どうもセンスが卑猥で漫画としては納まりが良くない。

「姉のおなかをふくらませるのは僕」は弟の姉に対する複雑な愛情を示唆している。
姉であり、唯一の家族であり、頼れる保護者であり、最も身近な美少女である。
姉に食事を作るのは自分でありたいと言う形で独占欲を感じている。
ごく自然ではあるが、それを描くなら料理部分はほどほどで良いと思うのだが。

漫画全体としてのコントロールがどうも効いていない印象。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-04-16 17:04:33] [修正:2017-04-16 17:04:33] [このレビューのURL]

4点 清々と

女子高が舞台で入学直後から卒業までを描く。
冒頭はテーマが定まっていなかったらしく、なんというかネタがショボい。
ゆるゆるふわふわと雰囲気は心地よいが些細な事でそんなに喜ばれても読者としては乗りにくい。

その後は主人公の周囲の人物に焦点を当ててみるも、やはりパッとしない。
ただ後半は少女漫画の王道的である少女の成長がテーマになる。

主人公が将来や進路についてマジメに考え、人間関係を整理したりなんとかかんとかして、最後はこれからも頑張っていくぞ的にまとめた。

やはり物語として行き当たりばったりにすぎる。
女子高を舞台にした少女漫画は、先輩と後輩、OGの女教師、男性教師、古い学校ならではの逸話など、面白いマンガになる要素が多いのに、残念ながらそれらをフォローできずに終わった。

谷川史子の絵が美しいだけに勿体なかったなという印象。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-21 20:05:35] [修正:2016-11-21 20:05:35] [このレビューのURL]

昆虫に由来する超能力を持った殺し屋たちの異能バトル漫画。
タイトルのキャタピラーとは芋虫のこと。主人公は若い女性でコードネーム芋虫。
アラクニドという別の漫画の外伝になっているが、これだけ読んで大丈夫。

ありふれた漫画を丁寧につくりこんでいる。
設定、話の流れ、キャラクターデザインはごくごく平凡。
しかし力強く華やかな絵柄は魅力的で、画面構成も見やすい。
ただ、どことなくズレていて、マジメなのかふざけているのかわからない。
そのために親しみやすくもあり、緊迫感が薄れてしまってもいる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-03-01 02:58:44] [修正:2016-02-24 17:07:17] [このレビューのURL]

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