「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

高校生がある学園で、生徒会サイドと番長サイドにわかれて
血みどろの異能バトルを繰り広げる漫画。

冒頭から熱苦しいエログロナンセンスのオンパレードで、ちょっと面食らう。
決してマジメに受け取らない。笑いながら読み飛ばしてちょうどいい。

イカれたキャラクターが大量に登場し、次から次に死んでいくことで、
物語に加速度をつけていく。
山田風太郎の甲賀忍法帖や高見 広春のバトル・ロワイアルのようなイメージだろうか。

実はタイトルが世界観をそのまま表したものになっている。
戦闘します・破壊します・学園ものです・ダンゲロス!それはデンジャラスと読むんやがな!
と判ってみれば、ああそうですか、というところ。

元々は、多人数参加型のシェアワールドゲームが元ネタらしい。
漫画になったことで複雑な設定をシンプルかつスピーディに読めるのは好印象。
大勢のキャラクターは端役も含めてしっかりと描き分けられているし、
アクション部分は奇をてらわずに丁寧でキャラの動きがよく伝わる。

「中二病」の痛さを勢いと漫画の上手さで押し切る力強さがあるが、
やはり読者を選んでしまうタイプ。

これだけの実力を持つ作者なら、もうちょっと良いお話も読みたい気がする。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-10-31 10:43:19] [修正:2015-10-31 12:38:16] [このレビューのURL]

少年サンデーらしい古いタイプのラブコメディ。
色々とヘンな女の子が登場し、それぞれに主人公を好きになって
友情と恋の狭間で大騒ぎしながら、高校生活を送る漫画。

タイトルは、女の子たちの正体がその由来。
たとえば吸血鬼、たとえば宇宙人などが登場し、
彼女らは正体を隠して周囲に溶け込んでいる。
その正体が主人公にバレてしまい、それをきっかけに関係を育んでいく仕組み。

女の子は可愛いし、ドタバタも面白いのだが、引き伸ばしが目に付く。
結論を先送りするために騒ぎが起き、すったもんだの挙句に、ほんの少しトキめく。
それを何度も繰り返すので、ラブコメディというよりも楽しい高校生活の話になっている。
中盤からは女の子の正体も駄々漏れになって、周囲もなぁなぁで受け入れているので、秘密を共有する緊張感や喜びも失せている。

また同じようなタイプの登場人物が多く、新キャラが登場しても新鮮味が薄い。

古いラブコメディの上手く拾い上げているが、欠点もそのまま残されている。
何を描く作品なのか、より絞り込んで欲しい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-10-28 16:08:21] [修正:2015-10-28 16:15:46] [このレビューのURL]

気弱な少年が不思議生物と一心同体になり、宇宙警察の一員として犯罪者と戦う中で
勇気や仲間との絆を強くしていく漫画。
設定や物語はわかりやすくキャラクターも可愛い。

ただ、今になってこの漫画を出してくる理由がよくわからない。
1巻だけを読んだところ、前作の家庭教師ヒットマンREBORNと
何も変わっていないように見える。

REBORNを知らずにelDRIVEを読めばけっこう楽しいと思うが、
知っている者は代わり映えのなさで評価が下がる。

今後に期待。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-09-30 13:26:06] [修正:2015-09-30 13:26:06] [このレビューのURL]

殺し屋に狙われる少女を盲目の剣士が守って戦う漫画。
絵はすごく上手いが、漫画として総合的に見ると欠点が目立つ。

物語が単純すぎて、どうやって敵を倒すかでしか興味をひけていない。
詳細な解説がアクション漫画としてのスピード感を殺いでいる
似たようなキャラクターが多く誰が誰だかわかりにくい。

いつも話がごちゃごちゃして誰も彼もが悪巧みしているが、
最後は結局カタナで解決するのだなという印象。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-06-28 16:51:45] [修正:2013-06-28 16:51:45] [このレビューのURL]

同性愛の女子高生カップルの話。
古いコメディを思わせるおだやかで居心地のいい時間が流れている。
全体的に丁寧ではあるが、すごいなと思わせる部分がない。

読者が登場人物に感情移入して、恋を応援したくなるような工夫が欲しいところ。
次回作に期待。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-23 20:10:40] [修正:2013-05-23 20:10:40] [このレビューのURL]

お父さん、お母さん、お兄ちゃん、妹の四人家族が主な登場人物。
彼らは魔法使いで、ケーキをありったけ出す。空を飛び回るといった
楽しい魔法がとびかう。

漫画としては大変に上手。全てのコマで誰がどこで何をしているのかが明快で、
迷いが無い。
華やかさ、繊細さ、力強さを併せ持つ絵柄も好印象。

ただし、この漫画が何を意図しているのかがよくわからない。
未熟な魔法で騒ぎを起す妹を周囲が見守る、のが基本のストーリーで、
離れて暮らす母恋しさに暴走するのを父と兄が連れ戻す、というのが当初の基本。
そのうちに母が家に戻ると、今度は魔法で外見だけ大人になった乱に恋をする男たちの話になり、
やがて、恐ろしい魔物の封印がやぶれてなんだかエライことに?という話になる。

伏線を回収する一連の物語というよりは主人公一家の出来事を時系列に追いかけている印象で明確な意図やメッセージは4巻時点で読み取れない。
家族史は家族史でいいのかもしれないが、この一家をずっと見守りたいと読者に思わせる動機付けが弱い。

登場人物を所狭しと並べているが、結局のところ、好きな人とくっつくor離れる、家族を守る/敵と戦う、のような動機で動いているキャラクターが多い。

家族関係のあるあるネタでもなく、子供の成長物語でもなく、
魔法で人を助ける人情話でもなく、超能力バトル漫画でもない。
作者が考えた面白いキャラクターの発表会か?

かなり厳しく点数をつけたが、作者の才能が素晴らしいことは疑いようが無い。
よりテーマを絞り込んだ作品を期待する。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-01-31 01:07:07] [修正:2013-01-31 01:07:07] [このレビューのURL]

面白さ以前に、致命的に読みにくい。
設定が複雑、話が複雑、絵柄が複雑、情報の提示の仕方が複雑。
今、どこで誰が何を何のためにどうしようとしているのかがさっぱりわからない。
それを理解するために、細かい絵をじっくり読み解く読者は多くないだろう。

大河漫画は難しい。連載という制作形式に馴染まないからだ。
情報をより整理していれば、良い作品だったと思うのだが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-07-29 18:51:43] [修正:2012-07-29 18:51:43] [このレビューのURL]

まず、これはアメリカ大陸横断のホースレースなのだけど、
途中からレースの順位よりもバトルに勝つことが主眼になってしまった。

当たり前のことだが、暴力による対決で勝負を決めるのなら、
レースという形式が無意味になりはしないだろうか?
俺は俺の目的のために勝ちたい。お前もお前の目的のために勝ちたい。
その2つが相容れないから、勝負するしかない。
暴力で対決すると俺もお前も傷ついて、誰の目的も果たせない。
それは野蛮すぎるからレースで勝負しよう、というのが人類がレースを発明した理由だと思う。
(本当かよと言われると確証はないが)

SBRでも冒頭は、レースに勝つことが目的で順位を上げるために駆け引きをしている。
バトルは行われるが、選手同士は原則的に戦わない。
つまり日中はレースで他の選手と戦い、夜はバトルで敵と戦うマンガだ。

中盤で、そのようなスポーツによる勝敗の決定を断念するエピソードが挿入される。
相手の息の根を止めるのが男の戦いであるという話で、それを境に開き直るかのようにバトルが増えた印象。

で、これを、スポーツの勝負→殺し合いの勝負という意味の転向と読むと誉めすぎであろう。
レースとバトルを両立するマンガが作れなくなり、馴染みのバトル路線に戻したが、
スタート時の設定と整合を取るのに失敗し、適当な価値観を並べて読者を煙に巻いてどうにか最後までいった、というのがおそらくは正しい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-04 14:01:35] [修正:2012-06-01 20:40:27] [このレビューのURL]

他人のために体を張ることを躊躇わない主人公が、
「クガイ」の力を手に入れて、妖怪と戦うお話。

漫画としての面白さは、実に単純。
恐ろしい妖怪が主人公に近い人を襲い、あわや死にそうになるところで、
主人公が登場し、ボロボロになりながら勝利。めでたし!以上。

設定や物語はありきたりながら可もなく不可もなく。
だが漫画表現に稚拙さが目立つ。
勢いは良いが、紙面全体が雑で見づらい印象。

今後は、漫画としての密度を上げながら、現在の力強さをキープできるかどうかが課題になるだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-05-21 17:23:39] [修正:2012-05-21 17:23:39] [このレビューのURL]

中世ファンタジー世界での小国イズァローン。
2人の王子、ティオキアとルキシュの数奇な運命を描く。

祖国を出て世界を放浪しながら魔族の世界に近づくティオキアと
国を継ぎ王として成長するルキシュ。

序盤の出来は抜群。
ティオキアなら国を出て旅がスタートするあたりまで。
ルキシュなら若輩の王として国をまとめていくあたりまで。

物語の最重要人物ティオキアは、男女同性体かつ半人半魔。
常に両極端に引き裂かれる彼の描写はどうしてもどっちつかずになる。
中盤以降は場当たり的に派手な魔法が紙面を埋めることになり、
ティオキアに関わる人物は全て彼に振り回されるだけになってしまう。

ルキシュは王であり男性として素性が定まっているため、話は整理されている。
しかしながら、こちらは独自の工夫がなくありきたりな印象。
(発表当時と現在の環境の違いは考慮すべきだが)

ラストは成長したティオキアとルキシュが出会い、
世界の秘密に到達する。これもオチとしては強引な感があり弱い。

ティオキアとルキシュがどうなってしまうの?という視点で見れば宝石箱のような作品。
2人が何者なのか、あるいは何者になろうとしているのかで見ればガラクタ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-09-22 16:43:11] [修正:2011-09-22 16:43:11] [このレビューのURL]