「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

婚期を逃しかけてジタバタもがくアラサー女子三人組の話。
自己嫌悪のセルフツッコミや焦りから来る暴走で話が動き、
七転八倒のブラックな喜劇がハイテンションで展開される。

進行に伴って話が重くなり、コメディというよりサスペンスに近い。
女友達と傷をなめ合ううちにも年を取るというプレッシャーの強まりがすごく、
このままでは何か良くない事が起きるのではないか、一発逆転のステキな事を起こさなければいけないのではないかという強迫感で気疲れする。

完全にフィクションとして楽しめばいいのだろうが、
読者を巻き込み他人事じゃないんだぞ!と煽る売り方をしているので、
なんだかそれもなぁという感じ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-10-29 17:48:44] [修正:2016-06-13 15:06:22] [このレビューのURL]

休戦中の帝国を舞台にした軍人たちの漫画。
いかに敵を倒すかでなく、戦争で傷ついた人と社会に対して何ができるのかを模索するのがテーマ。
ぶっちゃければ答えは正解なし。
国家システムの欺瞞や有力者の都合の狭間をうまい事どうにかしつつ人々に寄り添いあがくだけ。

主人公はパンプキンシザーズ小隊の面々。庶民として、貴族として、ベテラン軍人として、
様々な立場から頑張るという話。
骨太かつオリジナリティのあるテーマでとても魅力的。
作者のどうあってもこれを描くのだという決意と情熱がすごい。

だが、この作品を特徴づけるのは漫画としての下手さ加減。
上手い部分がない。
設定、キャラクターデザイン、構図、セリフ回し、話の展開。
あらゆる部分がダサく野暮ったい。

見た目を洗練させる事をすっぱり諦めて、ただひたすらテーマを掘り下げている。
それを作者の傲慢と取るか、読者に媚びない姿勢と取るかが評価を分けるだろう。

物語の冒頭は意味不明で、他の方のレビューやアニメを見て、
いろいろと想像で補ったうえでどうにか辻褄の合う物語性を見出すことができた。
漫画を読むだけなのに手間をかけさせられたという思いで2点。

ただ、世界観にすっと入り込めた人や、
コマとコマの間を読みほどく作業が苦にならない人なら、
高評価もあるだろう。

作者の魂をノミで削り出して作品化しているような物語だが、
結局どのような結末に着地するのかが、気になるところ。





ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-06-07 02:06:07] [修正:2016-06-07 02:06:48] [このレビューのURL]