「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

漫画表現にまだ伸びしろがある。
せがわまさきのキャラクターは男も女も色っぽい艶がある。
一枚絵では歌舞伎のようにスタイリッシュで決まっているが、
コマを割り動きとセリフがつくと、途端にチグハグで漫画として間が悪い。

PCを用いた多彩なトーンワークも紙面では見づらく、
かえってコマの奥行きが浅く息苦しい印象。

この絵を最大限に活かせる漫画の形。それを見てみたい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-10-31 12:58:44] [修正:2015-10-31 12:58:44] [このレビューのURL]

高校生がある学園で、生徒会サイドと番長サイドにわかれて
血みどろの異能バトルを繰り広げる漫画。

冒頭から熱苦しいエログロナンセンスのオンパレードで、ちょっと面食らう。
決してマジメに受け取らない。笑いながら読み飛ばしてちょうどいい。

イカれたキャラクターが大量に登場し、次から次に死んでいくことで、
物語に加速度をつけていく。
山田風太郎の甲賀忍法帖や高見 広春のバトル・ロワイアルのようなイメージだろうか。

実はタイトルが世界観をそのまま表したものになっている。
戦闘します・破壊します・学園ものです・ダンゲロス!それはデンジャラスと読むんやがな!
と判ってみれば、ああそうですか、というところ。

元々は、多人数参加型のシェアワールドゲームが元ネタらしい。
漫画になったことで複雑な設定をシンプルかつスピーディに読めるのは好印象。
大勢のキャラクターは端役も含めてしっかりと描き分けられているし、
アクション部分は奇をてらわずに丁寧でキャラの動きがよく伝わる。

「中二病」の痛さを勢いと漫画の上手さで押し切る力強さがあるが、
やはり読者を選んでしまうタイプ。

これだけの実力を持つ作者なら、もうちょっと良いお話も読みたい気がする。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-10-31 10:43:19] [修正:2015-10-31 12:38:16] [このレビューのURL]

3点 UQ HOLDER!

熱血少年を主人公にした超能力バトルと修行の漫画。
少年の純粋で熱い思いを全面に押し出した疾走感が気持ちいい。

だったはずが、いつの間にかモテモテハーレム漫画になっている。
敵も味方もトンでもなく強い人たちで、その中に放り込まれた主人公が、
必死に成長するのが面白みで、
主人公の出自の謎や世界の運命をめぐる緊迫感ある展開で先が楽しみ。

だったのが、主人公が強くなってしまってからは、
女の子が次から次に主人公に惚れだしてバカバカしい。

せっかく強くなったのなら、さっさと強敵と戦うなり、
話を進めればいいのに、ダラダラとラブコメをやってしまっている。
せっかくのテンションが下がったうえにラブコメ描写に工夫がなく退屈。

これは作者の持ち味というよりは病気だと思うのでとても厳しく評価して3点。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-10-30 21:14:26] [修正:2015-10-30 21:14:26] [このレビューのURL]

レビューというよりも只の悪口になっているのだが。

男と女がカッコつけながら戦う漫画。
前作トライガンとやってる事はほとんど同じ。

画面がゴチャゴチャして5W1Hが伝わりにくい。
またカッコよさについての作者のセンスに共感できず、読んでいて寒々しい。

商業作品としての完成度がある漫画なのは間違いないが、
この作品にはカッコよさ以外の売りが何もない。
そして何がカッコいいかはやっぱり好き嫌いがある。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-10-30 20:21:16] [修正:2015-10-30 20:21:16] [このレビューのURL]

少年、少女にとって世界は結構おそろしい。
そんな不安感とささやかな希望、田舎の風景をとりあわせた漫画。

個人的にはかなり嫌いな類の作品。
いわゆるマンガ的な物語がなく、作者の目を通して世界を眺めているように感じる。
その目のつけどころがどうにも馴染めず、意味が理解できなかった。

絵的にも問答無用で美しいほどの強さがないため、
なんとも地味でページをめくる気にならない。
それでいて、放尿や中年男性と女児の交流のようなゲテモノが入っている。

自分の思いをどのように表現するかはもちろん作者の選択だが、
一連の作品のいずれも整理が弱く、伝わりにくい。
なぜ自分はこのように世界を見てしまうのか。
それは読者に伝える価値があるのか。
どうすれば伝わるのか。もっと突き詰めて欲しいと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-10-30 19:57:45] [修正:2015-10-30 20:02:13] [このレビューのURL]

ハクメイとミコチという2人の女性の暮らしの物語。
ハクメイとミコチは小人で本作に「人間」は登場しない。
虫や動物と会話したりしながら、2人は穏やかに日々を暮らす。

ここに描かれているのは技術と自然の関係性。
小人、虫、動物はもちろん「人間」ではないが、
彼らの暮らしはとても「人間らしい」。
自然に技術と手間隙をかけて恵みを享受し、調和して生きている。

長い時間をかけて洗練された生活の知恵に対して、素朴な尊敬と賞賛がある。
2人の主人公はともに技術者で、ハクメイは土木、建築、工芸といった男性的な技術を体現し、
ミコチは食、織物、染物などの女性的な技術を体現している。
彼女らの技術的な工夫や発見の喜びも詳細に描かれている。

この世界には調和のとれた循環があるだけで、何も変わっていかない。
その意味では1巻でも3巻でもやってることは同じだ。
今後、大いなる転換を迎えるのかあるいはこのまま世界が維持されるのか。
ほのぼのと読み進めたい。

雑感
演出上、ほぼ全てのコマが物で溢れているので、どうしても読むスピードが遅くなる。
じっくり読ませたい意図だろうが、白黒なのでいささか辛いところもある。
これがアニメで色がついていれば、より見やすいのになぁと思うことがある。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-10-28 16:37:26] [修正:2015-10-28 16:39:49] [このレビューのURL]

少年サンデーらしい古いタイプのラブコメディ。
色々とヘンな女の子が登場し、それぞれに主人公を好きになって
友情と恋の狭間で大騒ぎしながら、高校生活を送る漫画。

タイトルは、女の子たちの正体がその由来。
たとえば吸血鬼、たとえば宇宙人などが登場し、
彼女らは正体を隠して周囲に溶け込んでいる。
その正体が主人公にバレてしまい、それをきっかけに関係を育んでいく仕組み。

女の子は可愛いし、ドタバタも面白いのだが、引き伸ばしが目に付く。
結論を先送りするために騒ぎが起き、すったもんだの挙句に、ほんの少しトキめく。
それを何度も繰り返すので、ラブコメディというよりも楽しい高校生活の話になっている。
中盤からは女の子の正体も駄々漏れになって、周囲もなぁなぁで受け入れているので、秘密を共有する緊張感や喜びも失せている。

また同じようなタイプの登場人物が多く、新キャラが登場しても新鮮味が薄い。

古いラブコメディの上手く拾い上げているが、欠点もそのまま残されている。
何を描く作品なのか、より絞り込んで欲しい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-10-28 16:08:21] [修正:2015-10-28 16:15:46] [このレビューのURL]

北野武のヤクザ映画のようなニヒルな哀しみと乾いた狂気を描く漫画。
ところどころの漫画表現が田島昭宇の多重人格探偵サイコにそっくり。

おそらくは結末にだけ意味がある作品で、完結まではどうにも何を描こうとしているのかわかりにくい。

漫画はもちろん上手だが、読者に読み続ける動機を提示しないので、
ぶっちゃけ我慢して読む感じになってしまっている。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-10-27 17:43:42] [修正:2015-10-27 17:43:42] [このレビューのURL]

富裕層の生徒が集まるヘンな学園。
そこでは生徒がやたらギャンブルをしており、高額の掛け金をやりとりしている。
借金を背負い家畜扱いになる生徒、システムを支配する生徒会。
そんな学園に天才的な美少女ギャンブラーが転校して・・・。
簡単に言えば、福本伸行の漫画(カイジやアカギ)を美少女にしましたという感じ。

タイトルの賭けグルイとは、ギャンブルが好きで好きでたまらないという主人公の性質。
漫画表現の主眼はその狂いっぷりの強調にあって、怖い絵が多い。

女の子はかなり可愛いし、ギャンブルも悪くない。
シンプルかつ奥深い騙し合いが楽しめる。

ただ、漫画として全然楽しくない。
ギャンブルの楽しみを知らない読者が、その面白さや興奮を追体験できるような仕組みがなく、感情移入がものすごく難しい。
ただひたすらキチガイがハイテンションでワーワー言って、
最後は美少女がニッコリ勝つだけ。
それで賭け金は高くなっていき、5千万、1億、命まで賭けるようになっているが、
読者はドン引き。
個人的には、作者側もギャンブルの楽しさが理解していない気がするが。

美少女ギャンブラーがなぜギャンブルに狂っているのかも不明、
やたら周囲を振り回す行動原理も不明で、興味も持ちにくい。

すごく丁寧に作ってはいるが、元々の漫画構造が歪で面白さにつながりにくい印象。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-10-26 17:30:50] [修正:2015-10-26 17:30:50] [このレビューのURL]

少年、呪われた少女、殺人鬼の遺品、超能力、変な名前、怪しい組織、怪しい男。

底が浅く陳腐すぎて、漫画として誉めるところがない。
ただし、絵の力強さとリズムの良いネーミングは素晴らしい。
今後の成長に期待したい。

*30代男性読者の視点で酷く書いたが、
 掲載誌の想定読者は中学生ぐらいであろうから、
 これで良いのかもしれないとは思う。

完結後の追記

連載当初から著しく成長し、とても良い漫画として終わった。
冒頭を過ぎて一通りの設定説明が終わったあたりから、主人公を含めキャラクターたちの行動が力強くなってくる。
読み進めるにつれて作品のメッセージが明確になり、確かな終わりへ進む感覚が頼もしかった。

作品のメッセージとは成長への意志。
未熟な若者たちが、選択し自己決定し、協力して抗って、弱い自分と決別していくこと。
作中このモチーフが繰り返しあらわれる。というよりそれしか出てこない。
仲間の小さな勇気に励まされて、より困難な決断へ立ち向かう。
その連鎖が大きな物事を動かしていくのだ、というド真ん中のド真ん中。

正しいメッセージを説得力のある形で提示している。
よくぞ描ききってくれたと作者にお礼を言いたい。

ただし、漫画表現はあまり進化しておらず、慣れていないと読みづらい。
次回作に期待。






ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-12-11 13:02:07] [修正:2015-10-25 19:25:47] [このレビューのURL]

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