「勾玉」さんのページ

総レビュー数: 160レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月21日

主人公は1年休業を命じられた凄腕の殺し屋、
組織から休業中の殺しは厳禁と命じられ、穏便な暮らしを試みるが
元々の立場がそれを許さず、案の定トラブルに巻き込まれてしまう。

殺し屋とはいえ、アンニュイでマイペースな主人公は見た目よりずっと親しみ易く、
浮世離れした主人公が一般人の日常に溶け込もうとするギャップのおかしさと、
トラブルに巻き込まれた時の平然とした立ち振る舞いのカッコ良さ、
このコメディとシリアスのバランスが絶妙なので、飽きることなく読み続けられます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-12-06 13:01:52] [修正:2019-12-15 09:35:48] [このレビューのURL]

一目見ればすぐに分かる絵の拙さ、
でもこれがアニメ化、舞台化、ドラマ化までしているのである、
理由は簡単、ストーリーが面白いからだ。

作中屈指の力(超能力)を持つ主人公が敵を圧倒する直球の面白さに加えて、
ここぞという場面では良い意味で期待を裏切る変化球な展開も交えてくる、
それも小手先の変化ではなくキャラクターの芯を曲げることなく
自然な流れで成立させているのだから流石。
今作を読んで、改めてこの作者はストーリーテラーだなと確信させられた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-10-29 09:01:51] [修正:2018-10-29 09:02:43] [このレビューのURL]

前置きもなく、冒頭からすでに不思議空間に迷い込んでいる主人公の2人
奇天烈な世界にいながら、落ち込むことも、不安がることもなく
むしろ、その状況を楽しみながら閃きとバイタイリティで
次々と突破口を開いていく様が読んでいて、とても小気味良い。

でもちょっと人間味に欠けるかな、と思い始めた頃に
回想などで、くどくない程度にキャラの掘り下げがあり、
終盤の礼香と庸子の行動(言動)がお互いに影響しあっていく一連の流れもまた絶妙で
キャラの浅さも感じさせない隙の無さ。

ともかくエピソードの一つ一つに無駄が無く、
パズルのピースをハメるが如く計算された物語の構成に感服させられました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-05-14 22:02:59] [修正:2018-10-29 09:00:25] [このレビューのURL]

後から考えると、タイムリープものの作品で、
時間遡行の条件が判然としていないというのは、結構致命的な気がする。
と言うのも、作者の裁量でいかなる展開もどうとでも出来てしまう訳で
ややもすると、ご都合主義的な作品として読者にそっぽを向かれる可能性があるからだ。

ところが、読んでいる最中はそんなことなど気にならなかった、
それは、純粋にサスペンスとしてのクオリティが高く、
常にスリリングな展開を維持できていたということが大きいように思う、
そういう面では、いつタイムリープが起こるか分からないその状況も
プラスに作用していたのかもしれない、
次はどうなるんだろう、という期待感が先立つことで、
理屈の部分を気に留めさせない没入感があった。

もちろん時間遡行の条件や、何故主人公だけがそんな能力を有していたのかなど、
その辺の謎が明らかになっていれば、さらに文句の付けようのない作品になっていただろうが、
それが無かったからと言って、この作品がつまらないという訳ではない、
初読なら、ページをめくる手が止まらないくらいの面白さは期待して良い。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-03-09 21:33:07] [修正:2018-03-25 13:53:35] [このレビューのURL]

バトルに於いてもシナリオに於いても、
裏の裏をかこうとし過ぎて冗長になっている部分がある、
加えて話の真相を引っ張る癖もある為、これを週間で追うのは正直言って辛い。

しかし完結した今、一気読みするなら話は別、
じれったいなという思いは捨てきれないが
早く先が知りたいという気持ちの方が勝り、止め時を見失う面白さがある。
尚且つ、これだけ長い連載の中でも、話の芯は一本筋が通っており、
完結を見届けた際は清々しい心地にもなった。

忍者という題材をここまで練り込み、独自の世界へと昇華させ、
見事完走した作者を心から称賛したい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-03-07 21:12:09] [修正:2018-03-08 15:29:18] [このレビューのURL]

8点 水域

信心深い方ではないのだが、
「この作品は"ノン"フィクションです」と、
但し書きでもあれば、思わず信じてしまったかもしれない。

夢の中に存在する、今はもう無き在りし日の田舎…、
滝壺の龍神が見せるノスタルジックで切ない神秘の物語に、
現実にもこんな奇跡があったらいいなと祈りたくなってしまった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-03-06 20:57:52] [修正:2018-03-06 20:57:52] [このレビューのURL]

8点 GANTZ

[ネタバレあり]

メインキャラをあっさりと使い捨てたり、ヒロインに地味っ娘を据えたり、
急に視点を変えて超能力者や吸血鬼を出したり、
はたまた、途中主人公をドロップアウトさせたりと、
普通だったら、人気低下を危惧して編集からストップがかかりそうな展開が
すんなりと話の中に組み込まれ、予測できない物語を生み出していた。

読み手の裏をかけばいい、という訳では無いが、
これだけいくつもの定石を外しながら、ストーリーを完結までこぎつけた点は
もっと評価されていいと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-05-10 16:01:33] [修正:2017-11-22 09:17:47] [このレビューのURL]

主人公は潔いくらいの天才型キャラクター。
その為、音楽に関して挫折や苦悩といったものが殆ど描かれておらず
共感こそし辛いものの、
足枷となる生まれ育った境遇、強力なライバルの面々、思惑絡みの審査など
趣向を凝らし、何だかんだで読ませてしまう手腕がお見事。

そして何より良かったのはエピローグの濃密さ
全てに決着を付けてくれた、まさにベストエンドと言うべき終幕、
読んで良かったと思える素晴らしいフィナーレに拍手。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-10 09:31:11] [修正:2016-11-18 20:57:29] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

この漫画が優れているのは、主人公の棋力の向上だけでなく
主人公ヒカルの精神的な成長も丁寧に描かれている点だと思う。

当初は浅はかな考えで囲碁を初め、無神経な言動で塔矢を怒らせたヒカル。
しかし、徐々に囲碁の世界に傾倒していき、ライバル達と切磋琢磨、
そしてある事象を契機に、傷心を経てさらに囲碁への姿勢に真摯になっていく…。
設定こそ平安時代の幽霊が出てくるファンタジーだが、
この一連の流れによる主人公の成長過程は、とても自然で説得力があった。

だからこそ惜しいのは、あの終わり方
敗北は勝利への布石であってほしかった、
あそこで終わってしまった意味が未だに見出せないでいる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-10 18:45:23] [修正:2016-11-18 20:50:48] [このレビューのURL]

8点 渺々

海洋生物を主役にした全7編の短編集。
作中に台詞は無く、解説とモノローグのみで進行していく物語は
さながら「NHK製作の動物ドキュメンタリー」といった仕上がり。

惜しむらくは、背表紙に巻数表記があるにもかかわらず
続巻の刊行が無かったということ。
この本自体も、とうの昔に絶版となってしまったが
自分にとってはパラパラと眺めているだけで癒される
ヒーリングコミックとも言うべき貴重な一冊、
写実的で鮮やかな絵のタッチと、心地のよい巧みな語り口が
雄大な海の世界へといざなってくれます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-05-13 01:06:24] [修正:2014-05-15 19:17:18] [このレビューのURL]